やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

albert ayler / spiritual unity

2012-06-13 | 書棚のジャズアルバムから
albert ayler / spiritual unity


来月が、ジョン・コルトレーンの命日月だからといふわけでもないのですが(すでに、彼の没後45年にもなってゐるー。40過ぎで癌で果てた彼の祈りのやうな音楽は、今もって果てることはないー)、彼の1960年以前の悪戦苦闘の時代の演奏と、レギュラー・カルテットの解散前後の演奏を、改めて聴いてゐる。

そして、調べ事をしてゐたら、アルバート・アイラーにぶつかって、久しぶりに『spiritual unity』を聴いた。

アイラーの初期の、絶品作です。

アイラーの初期の作品は、ほとんどがあったはずですが、いち連気軽に聴けるものでもないので、それに、小生がトンガッテゐた頃に集めたものなので、すっかりマルくなってしまった昨今では、聴く機会もなくなってゐました。

コルトレーンが挑み、そして失敗した”フリー・ジャズ”とかの範疇に収まるやうな音楽ではない。
アイラーの持つ天性の音楽は、黒人ながらタキシードに身を固め(させられ)、白人のダンスのバック音楽を勤めたやうなジャズでは、ない。

そんなものは、はるかに突き抜け、奴隷びととしてアメリカの地へ来た先人たちの、アフリカの地を想ひながら、絶望し、その大地を踏んで歌った音楽を思ひだし、けれどその音楽のやうにあくまでアッケラカンとした希望も持ってゐるー。
それを、1本のサックスで、語るやうに吹く。

コルトレーンが、高僧のやうに、常に高みにある、まるで”悟り”のやうな境地を求めてゐるのに対して(それゆゑ、彼のバラッドは、得もいはれない静寂に満ちてゐるのですがー)、アイラーは、自らの足元の大地をほじくり返すやうに、深く深く沈んでゆく。



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