John Coltrane Coltrane's Sound (Full Album)
小生の棚に、コルトレーンのLPやCDやテープがどれくらゐあるのか、確認したこともありませんが、まあ、相当な数だらう、とは思ひます。
それでも、彼の膨大な(世に出始めて10年くらいゐの間の)ディスクからしたら、海辺の砂のごときものでせう。
そのなかで、『Coltrane's Sound (邦題/夜は千の眼を持つ)』といふアルバムが結構すきです。圧倒的な名盤『マイ・フェイヴァリット・シングス』と同じころの録音ですが、聴いてゐると、この頃の、コルトレーンの、とても仕合せな時を感じる。
すでに『ジャイアント・ステップス』を世に送り、マイルス・ディヴィスから学んだモード奏法を自らの手段として花咲かせ始めたころです。
数年前、せっかくマイルス・ディヴィスのグループに入ること叶ひながら、麻薬から足を抜け出せず、麻薬嫌ひの恩師マイルスに”バカヤロー! お前は何をやってゐるんだ! クビだ!”と殴打され、解雇された(らしい)コルトレーンが、練習につぐ練習で、マイルス・グループに在籍してゐた頃とは、まう、格段の演奏をみせてゐます。
(在籍のころの演奏は、マイルスの、微にいり細にわたるモザイク画のやうな演奏に較べれば、豪快ではあっても、恩師の前で緊張してゐるやうな演奏で、小生はさほど感動はしないー)
ジャズ史上最強ともいへる四重奏団になる前の、すでにマッコイ・タイナー、エルヴィン・ジョーンズはメンバーで、ベースはまだスティーグ・ディヴィスですが、バックも素晴らしく、特にコルトレーンが発掘した若いマッコイ・タイナーのはじけるやうなピアノが素晴らしい。
(むか~し、マッコイ・タイナー、エルヴィン・ジョーンズと、ベーシストは失念したけれど、トリオでの、コルトレーンへのトリビュート・コンサートをへ行ったことがあります。チケットは高かったけれど、とても、つまらないコンサートでした。ともに、コルトレーンの過激さについてゆけず、袂を分かったマッコイ・タイナー、エルヴィン・ジョーンズが、”えにし”を売りつけてゐるやうな、厭らしさがステージにあふれてゐました…)
とまれ、このころのアルバムのあと、コルトレーンは、ジャズ世界を塗り替へながら、自らは黒人の人種問題に大きく関はりをもって、そのメッセージとしてのアルバム『至上の愛』を送り出し、フリー・ジャズに投身自殺のやうに入り込み、その失敗のあと、まるで高僧のつぶやきのやうな静寂なアルバムを少しだして、忽然と癌に倒れる。
(『ライブ・イン・ジャパン』の、内臓をさらけ出すやうな演奏は、余りに痛々しくて、一年に一度聴けたらよい方です)
そんな、7年後のことは勿論計り知る由もなく、この『Coltrane's Sound』では、本当に気持ちよく、豪快に、でも、バラッドではしみじみと 歌ってゐる。
寡黙だったといふコルトレーンの、すこしの微笑みが見へるやうな演奏です。
小生の棚に、コルトレーンのLPやCDやテープがどれくらゐあるのか、確認したこともありませんが、まあ、相当な数だらう、とは思ひます。
それでも、彼の膨大な(世に出始めて10年くらいゐの間の)ディスクからしたら、海辺の砂のごときものでせう。
そのなかで、『Coltrane's Sound (邦題/夜は千の眼を持つ)』といふアルバムが結構すきです。圧倒的な名盤『マイ・フェイヴァリット・シングス』と同じころの録音ですが、聴いてゐると、この頃の、コルトレーンの、とても仕合せな時を感じる。
すでに『ジャイアント・ステップス』を世に送り、マイルス・ディヴィスから学んだモード奏法を自らの手段として花咲かせ始めたころです。
数年前、せっかくマイルス・ディヴィスのグループに入ること叶ひながら、麻薬から足を抜け出せず、麻薬嫌ひの恩師マイルスに”バカヤロー! お前は何をやってゐるんだ! クビだ!”と殴打され、解雇された(らしい)コルトレーンが、練習につぐ練習で、マイルス・グループに在籍してゐた頃とは、まう、格段の演奏をみせてゐます。
(在籍のころの演奏は、マイルスの、微にいり細にわたるモザイク画のやうな演奏に較べれば、豪快ではあっても、恩師の前で緊張してゐるやうな演奏で、小生はさほど感動はしないー)
ジャズ史上最強ともいへる四重奏団になる前の、すでにマッコイ・タイナー、エルヴィン・ジョーンズはメンバーで、ベースはまだスティーグ・ディヴィスですが、バックも素晴らしく、特にコルトレーンが発掘した若いマッコイ・タイナーのはじけるやうなピアノが素晴らしい。
(むか~し、マッコイ・タイナー、エルヴィン・ジョーンズと、ベーシストは失念したけれど、トリオでの、コルトレーンへのトリビュート・コンサートをへ行ったことがあります。チケットは高かったけれど、とても、つまらないコンサートでした。ともに、コルトレーンの過激さについてゆけず、袂を分かったマッコイ・タイナー、エルヴィン・ジョーンズが、”えにし”を売りつけてゐるやうな、厭らしさがステージにあふれてゐました…)
とまれ、このころのアルバムのあと、コルトレーンは、ジャズ世界を塗り替へながら、自らは黒人の人種問題に大きく関はりをもって、そのメッセージとしてのアルバム『至上の愛』を送り出し、フリー・ジャズに投身自殺のやうに入り込み、その失敗のあと、まるで高僧のつぶやきのやうな静寂なアルバムを少しだして、忽然と癌に倒れる。
(『ライブ・イン・ジャパン』の、内臓をさらけ出すやうな演奏は、余りに痛々しくて、一年に一度聴けたらよい方です)
そんな、7年後のことは勿論計り知る由もなく、この『Coltrane's Sound』では、本当に気持ちよく、豪快に、でも、バラッドではしみじみと 歌ってゐる。
寡黙だったといふコルトレーンの、すこしの微笑みが見へるやうな演奏です。
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