やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

セル/クリーブランド管弦楽団来日公演

2005-07-18 | 古きテープから
1970年5月22日 東京・東京文化会館
指揮:ジョージ・セル/クリーブランド管弦楽団
プログラム 1.ウェバー/オベロン序曲
       2.モーツァルト/交響曲第40番
       3.シベリウス/交響曲第2番
       4.アンコール/ベルリオーズ/ハンガリー行進曲

こんなテープが出てきました!
セルの、死去直前の来日公演の模様です。
確か、アメリカのFM番組からの録音でした。
35年も前の演奏の、それもカセットテープへの録音ですから、
音は少し貧しくなってゐました。

でも、やはり、モーツァルトの何と素晴らしいことでせう!
鬼のやうに、楽員を選別し、首を切り、そしてトレーニングさせた
ジョージ・セルの「マイオーケストラ」は、インテンポながら、
今からすれば、やや時代がかった微妙な揺れ動きをさせて、
精密な音楽を進ませてゆきます。

何よりも、透明で、厚味のある弦の響きが素敵です。
メカニカルにトレーニングをつんだオーケストラが、
上質の紬の光沢のやうな風合ひをだしてゐる。
ひとつの、奇跡、とも云ふべきでせう。
こんな演奏を聴いてしまふと、昨今のピリオド・オーケストラの音は、
やはり、哀しいくらゐゴツゴツとしてゐる。

どの楽章も見事ですが、やはり終楽章は傑出してゐる。
出だしの、音が駈け出してゆく処のバランスが絶妙で、
その後のたたみ掛けられてゆく処でも、音楽は前のめりしない。

元々、40番はセルの録音が(来日公演の後に録音された)一番好きでしたので、
かなり肩入れがあるかもしれませんがー。

シベリウスの2番は、「マイオーケストラ」のお披露目のやうに、
微塵の破綻もない演奏である。
(以前から、シベリウスといふ作曲家のミステリアスな部分は好きでしたが、
 音楽は今ひとつ解らない処があり、それに、7月下旬の暑さの中より
 2月頃の雪の降り積もった頃の方が、彼の音楽の暗闇が見へるやうな気がする)
どの楽章も、心安らかに聴ける安心感に満ち、特に終楽章にかけての
構築のワザは圧巻である。


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4 コメント

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お立ち寄りありがとうございました (謎野)
2005-08-24 22:24:19
神丘さん

コメントありがとうございました。

山形といえば藤沢周平。

ブログを拝見し、神丘晨さんももちろん周平ファンだと勝手に想像しています。

周平ワールドを愛する人は無名の民を愛する人。

KOIZUMIに騙される周平ファンはいないと信じたいものですね。

セルやベームの対極にあったのがカラヤン。

ぼくはバッハ・モーツァルト、セルやベームとあわせて藤沢周平の世界を愛します。

山形には尾花沢に30年近く前に行ったことがあるだけです。

そろそろ海坂藩を訪ねて行きたいものですね。
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TBさせていただきました (謎野)
2005-08-23 19:06:59
はじめまして。

セルのこの公演を実際に聴いたものですから、TBさせていただきました。

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nora 様 (神丘 晨)
2005-07-19 12:11:36
今日は。



畏れ多い、です

仕事がら、創ることが好きなだけ、です。



知人・友人からは、「どれも、いまひとつ」

と云はれ、いつも忸怩たる思ひでゐます。

(;´Д`)



シベリウスですかー。

小生も、確かに4番に限る、と思ってゐます。



遙か昔、渡邉曉雄の指揮で聴いたシベリウスは

素敵でした。マーラーの「復活」もー。





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下から8~9行目に思わず・・ (nora)
2005-07-19 02:04:34
ぎゃお、とシッポと被毛が逆立ちました。

畏れ多くも、神丘さんとおんなじふうに

noraもず~っと、おもっているからです。

セルの弦は格別、かれのお耳はすこぶる

感度良好なのでしょう。へそまがりnora

は真夏に涼を求めシベリウスはじめ北欧

の作曲家を聴いております。2番は映画

音楽ふうこそばゆさ?が少々苦手ですが

なぜか4番の交響曲がモーレツ好きです。



べにばな畑といい落花のエスプリといい

あぁ神丘さんは根っからの表現者なんだ

なぁ、と今晩もまた吸寄せられるように

やってきましたにゃ~♪(時折、猫語に)

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