やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

「伊賀越道中双六」沼津

2012-07-20 | 本や言葉
久しぶりに、歌舞伎の新しい動画はないかしらん、と思ってサーフィンしてゐたら『伊賀越道中双六』といふものがありました。
『伊賀越道中双六』

「伊賀越道中双六」沼津 1


全編の中の六段目の沼津宿といふところだけでしたが、とても面白かった。
(動画は、8つくらゐに分かれてupされてゐます)

有名な、徳川幕府草創期に起きた鍵屋の辻の決闘への物語りをバックにした(さう、忠臣蔵事件に対しての四谷怪談の悲劇のやうなー)、穏やかな宿場で起きる小さな悲劇を劇的に演じてゐます。

浄瑠璃の語りがずゐぶんとドラマティックだなァ、と思って調べたら、元は人形浄瑠璃だったとのこと。むべなるかなー。

とても描写が豊かな、穏やかな街道筋のシーンから、小さな悲劇の糸がからんでゆくのですが、片岡仁左衛門の妙技が素晴らしく、その細やかな所作に感心しきりでした。

ただまあ、実は(歌舞伎には、実は…といふ設定が非常に多いのですがー)、数馬の愛人だったといふ村の娘の役者が、その演技はとても上手なのですが、如何せんとても大柄なお爺さんのやうな方なので、百歩譲っても違和感があって馴染めなかった、です。

でも、とても面白かったので、近々、全編の脚本を読んでみるつもりです。