やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

夏、ツバメ達はー

2012-07-18 | やまがた抄
大雨のあとに、いきなりの猛暑が始まってゐます。

オジサンの身体は、準備不足で、ここ数日で早くもバテ気味です。


その後、どんなかしら? と思ってツバメの巣を覗いたら、幸ひにも無事に仔供達は生まれたやうで、定かではありませんが、4、5羽はゐるやうです。
まだ声も聞こへないので、ほんの数日のやうです。

そ~と近づいたのですが、流石です、どこからともなく親達がすぐに飛来してきて、母親は巣の前に立ちはだかり、父親は小生の周りを威嚇飛行する。
特に、母親の小生を見る目に、”おなごは強し!”を痛感する。







”いやいや、怪しいものでは御座らぬ。そちたちに庇の一部を貸してをる、家主のジイサンぢぁ”といふと、
”それは失礼しました。とても助かってゐます。お陰で、お仔達も無事に生まれました。御礼申し上げます”といふ。
”しかし、先ほどのそちたちの臨戦態勢は、実に見事なさまであったのぉ!”と感心していふと、
”いへ、先祖から受け継がれてゐる、生き抜くすべのひとつですからー。お褒めにあずかるほどのものでもありません。
感心されるといふことは、人間世界では、まう、身を挺して親が仔を守らないといふことですか?”と聞かれ、暫し絶句する。

”しかし、暑くはないかね?”と聞くと、
”実は、この暑さには参りました! 私達は、夏のじゃんぐるの暑さを避けて遠いこの地に参ってゐるのですが、これでは、かの地と左程変はりません。
とうきょう、といふ処へ行った知り合ひは、ツバメの住む処ぢぁない。よく人間は住んでゐるものだ、と呆れ顔でした。
とうきょう、といふ処は、ご存知ですか?”といふ。
”そうさな、昔住んでおった。いや、昔はそちたちの住める場所だったのだが、この国を司る人々がまっこと粗末で、田畑も無くなって、そちたちには気の毒に思ふ”
”でも、かうして、お陰さまでやまがたの地で子育てができるので、安堵してゐます。今しばらくお世話になります。
餌の虫達も、ここの庭には沢山ゐますからー”
と、軽く頭を垂れる。
”ウム、雑多な庭ゆゑ、虫は多からう…な”
と、互ひに笑ひあった。