やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

滝桜醜話

2007-04-12 | 櫻探訪
    

やっと、春風邪が通り抜けたやうです。

山形市でも、昨日あたりから染井吉野がぽつらぽつらと咲き始め、
来週はいよいよ、桜の時間、です。

この季節、必ず取り上げられる桜に、福島県三春町の滝桜があります。
樹齢1000年を越す、本当に見事な枝垂れの江戸彼岸です。
小生も、17年ほど前に初めてその姿を見、その後にも都合5、6回は足を運んでゐますが、最近は(他の桜を探すのに忙しいせゐもありますがー)行く気が起こりません。

4、5年前でしたか、
さる小説家の方に「お前がよいといふその桜を案内しろよ」と所望され、数人の方を案内致しましたが、その時の印象が最悪でした。
春の遅い年でしたので、時期的に100%咲いてゐませんよ、といふ小生の言葉に事前に承知をして頂いて現地に行ったのですが、
大規模に拡張整備された三春町運営の駐車場は、先生も同行の方も驚くほどの観光バスの列!
以前は寂れた風情のあった細道は、石やタイルで拡幅舗装され、桜への道はまるで善光寺参りの蟻の行列の様。(小生が初めて行った頃は、桜の見へる道に車を捨て、土手に腰を掛けて眺めたのですがー)

けれど、その時期、間違っても桜は一輪も咲いてゐるはずはなく、
ノボリの元に集められた観光客にガイドの方は、「あいにく、咲いてゐません、ねえ」と説明をしてゐましたが、
その姿を見ながら、小生も小説家の先生も
「アイツ等は、確信的に、詐欺だ!」と、開いた口が収まらずー。

帰路、福島駅近くの小路で酒を飲みながら、再び昼の話を肴に、周辺整備のひどさと観光会社の悪口に花が咲くー。
(確か、翌年、同じメンバーで再訪し、満開の姿をお見せすることは出来ましたがー)

 
きっと、下のサイトで、滝桜の狂騒ぶりを見ることができます。

ライブカメラはこちら

見事に咲いてくれた一本の桜の樹に出会へるのは、本当に難しいことです。
季節のズレもあります、仕事の都合もあります、体調の具合もあります、金銭的な都合もあります。
桜は、行ってみたら咲いてゐる、といふものでは決してありません。
ですから、桜に逢ひにゆくのですがー。