やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

グルダのモーツァルト

2005-12-13 | 音楽を

コメントを頂いたkoshiさんに呼び起こされて、
フリードリヒ・グルダのモーツァルトのCDを引張り出しました。

モーツァルト/ピアノ協奏曲第23番と26番の組み合はせ。
バックは、アルノンクール指揮のコンセルトヘボウ管弦楽団。

巷間云はれてゐたやうに、グルダとアルノンクール?
と最初思ったものでしたが、この組み合はせが、コンセルトヘボウ管と共に見事に共演の妙を創り出してゐます。
1970年代に、グルダは、アバド/ウィーン・フィルと4曲の協奏曲を録音して
ゐますが、当時、その硬質で、抜き差しならない雰囲気の演奏に感服したのですが、シリーズ化しなかったのは、やはりグルダが、面白くない、と思ったからでせうか。

ジーンズでピアノに向かひ、「次は何を聴きたい?」とか云ひながらコンサートを進めてゆく彼ですからー。

それでも、以前FMで放送された70年代初めの? の第27番の協奏曲は凄かった。アバド/ウィーン・フィルと共に、抜き身のやうな演奏でした。そして、鳴り止まない拍手も終はらないままに、彼はアンコールに自作の「アリア」を奏し出した。その、完膚なきまでの美しさ!

さて、CDの演奏はー。
小生は、第26番に驚いたものでした。
こんなに面白い演奏が可能なのか! 
咆哮する金管、激しく連打するティンパニ。
コンセルトヘボウの、ことごとく美しい弦。
少し、まろやかになったやうなグルダのピアノ。
演奏は、23番と共に、よどむ事をしらない見事さ。
そして、浮かび上がってくる、笑ひ顔のモーツァルト!

この組み合はせで中期の作品を聴きたかったものです。