やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

「パウラ・モーダーゾーン=ベッカー」展、を観る

2005-12-20 | 絵をみる

慌しい最中でしたが、無理やり時間をつくって、パウラ・モーダーゾーン=ベッカーといふ、まったく未知の作家の展覧会を見に行きました。
仙台の宮城県立美術館で、終了直前でした。
日本で最初の本格的な回顧展です。







ドイツ表現主義の先駆け的な存在の作家でした。
ふと思ひ返すと、小生は、ドイツ表現主義(ブリュッケの作家を含め)の作品を観るのが多かったやうに思ひます。

ベックマン、シーレ、ココシュカ、キルヒナー、コルヴィッツ、等々。
彼らの作品には、勿論時代的な背景も大きいのでせうが、切羽詰ったものを観る者に見せつけます。

今回の、パウラ・モーダーゾーン=ベッカーも、1900年代の初めに30歳で亡くなったとのことですから、作品の一部でしかわかりませんが、特に死ぬ間際のパリ時代での作品は、それまでの初期のコーナーの雰囲気とは一変し、一種、凄みのある画風になってきてゐました。
こちらを見据ゑた自画像や、夫の眠る顔、静謐さの漂ふ静物画。
確かに、セザンヌの影響がありながらも、独特の存在感を見せつけてゐたやうな気がします。



宮城県立美術館は、こんな建物。



やたらに大きく、作品を観づらく、余り好きな美術館ではありませんが、
館内にある、「佐藤忠良記念館」と、小さなカウンターだけの珈琲ラウンジはお気に入り、です。