今日は単純な愚痴です。
我々医者が完全に余計な仕事と考えているものの一つに民間保険会社の「入院証明書」があります。「一日入院からでも補償」とか「3大疾病特約」とかあの手のやつです。あの証明書は一枚書くのに10分近くかかり、同じ患者さんが2枚3枚と持ってくるのでうんざりします。しかも会社によって書式が異なる。
私は何が一番腹立たしいかというと、我々医者が保険会社の事務処理を一方的にやらされていることと、その奉仕に対する報酬が一切ないことです。保険会社はレセプトと呼ばれる診療報酬の請求書を入手すれば、患者さんが何の病気でどんな治療を行ったか知る事が出来ます。だから入院証明書などという書類など無くてもレセプトを発行してもらえば必要な情報は手に入ります。ただしレセプトから全てを判断するにはそれなりのスキルが必要です。その事務経費をなくすために証明書を発行させているのです。しかも証明書の発行手数料は保険会社は一切負担せずに「患者さんが負担」しています。保険屋にとっては楽な商売です。我々医師は患者さんが身銭を切って発行を依頼しているから、患者さんの顔を思いながらサービスと思って(保険会社をいまいましいと思いながら)時間外に証明書を書いているのです。
第二に、あの証明書には今回の病気と関係ない既往歴を書く欄まであります。既往歴を調べるのは保険会社の仕事です。それを医者をタダで使って情報を集めてしまおう、という浅ましい根性が気に入りません。
第三に、医療の高度化複雑化によって治療法が多岐に亘るようになり、手術名を書いても解りにくくなったこともあるのでしょうが、治療内容に共通コードのICDナンバーを書かせる書類が多くなりました。これなど正に保険屋が自分で調べて決定するべき内容であって、医者にコードを調べさせて書かせるなどもっての他です。保険会社にその能力すらないのならば日本は皆保険制度であり、高額医療には公的保障が出るのだから、民間の医療保険など辞めてしまえばよいのです。
第四に、医療保険について顧客から集める保険料と、保険金として支払われる額の比率が諸外国に比べて極端に低いことです。アメリカでは民間の医療保険が正に医療費として医療機関に支払われますから、医者が保険会社にレセプトを書く事は仕事の一部であり、日本の医者が健康保険のレセプトを書くことと同じです。保険会社も医療費として相当の額を支払っています。しかし入院してもたかだか一日一万円程度しか払わない日本の医療保険などハナから顧客から余分に金を集める「生命保険のおまけ」としての意味しかありません。しかも証明通りに正当に支払われていない場合が多いと監督官庁から注意されるほどですから。
我々医師は、生命保険会社の事務仕事に多大な貢献をしているにも係わらず、感謝されたことはただの一度もありません。勤務医の組合が機能した暁には、保険会社の入院証明記入は拒否します。コンピューター処理されるレセプトを有料で(しかも証明書発行料金より安く)発行し、それを保険会社が解読して保険料を払えばすむことです。保険屋の事務手伝いのために、余計な書類を書く時間、もっと患者さんを診察したり、病気について調べたりする時間に使ったほうがどれだけ有益か、常々感じています。
我々医者が完全に余計な仕事と考えているものの一つに民間保険会社の「入院証明書」があります。「一日入院からでも補償」とか「3大疾病特約」とかあの手のやつです。あの証明書は一枚書くのに10分近くかかり、同じ患者さんが2枚3枚と持ってくるのでうんざりします。しかも会社によって書式が異なる。
私は何が一番腹立たしいかというと、我々医者が保険会社の事務処理を一方的にやらされていることと、その奉仕に対する報酬が一切ないことです。保険会社はレセプトと呼ばれる診療報酬の請求書を入手すれば、患者さんが何の病気でどんな治療を行ったか知る事が出来ます。だから入院証明書などという書類など無くてもレセプトを発行してもらえば必要な情報は手に入ります。ただしレセプトから全てを判断するにはそれなりのスキルが必要です。その事務経費をなくすために証明書を発行させているのです。しかも証明書の発行手数料は保険会社は一切負担せずに「患者さんが負担」しています。保険屋にとっては楽な商売です。我々医師は患者さんが身銭を切って発行を依頼しているから、患者さんの顔を思いながらサービスと思って(保険会社をいまいましいと思いながら)時間外に証明書を書いているのです。
第二に、あの証明書には今回の病気と関係ない既往歴を書く欄まであります。既往歴を調べるのは保険会社の仕事です。それを医者をタダで使って情報を集めてしまおう、という浅ましい根性が気に入りません。
第三に、医療の高度化複雑化によって治療法が多岐に亘るようになり、手術名を書いても解りにくくなったこともあるのでしょうが、治療内容に共通コードのICDナンバーを書かせる書類が多くなりました。これなど正に保険屋が自分で調べて決定するべき内容であって、医者にコードを調べさせて書かせるなどもっての他です。保険会社にその能力すらないのならば日本は皆保険制度であり、高額医療には公的保障が出るのだから、民間の医療保険など辞めてしまえばよいのです。
第四に、医療保険について顧客から集める保険料と、保険金として支払われる額の比率が諸外国に比べて極端に低いことです。アメリカでは民間の医療保険が正に医療費として医療機関に支払われますから、医者が保険会社にレセプトを書く事は仕事の一部であり、日本の医者が健康保険のレセプトを書くことと同じです。保険会社も医療費として相当の額を支払っています。しかし入院してもたかだか一日一万円程度しか払わない日本の医療保険などハナから顧客から余分に金を集める「生命保険のおまけ」としての意味しかありません。しかも証明通りに正当に支払われていない場合が多いと監督官庁から注意されるほどですから。
我々医師は、生命保険会社の事務仕事に多大な貢献をしているにも係わらず、感謝されたことはただの一度もありません。勤務医の組合が機能した暁には、保険会社の入院証明記入は拒否します。コンピューター処理されるレセプトを有料で(しかも証明書発行料金より安く)発行し、それを保険会社が解読して保険料を払えばすむことです。保険屋の事務手伝いのために、余計な書類を書く時間、もっと患者さんを診察したり、病気について調べたりする時間に使ったほうがどれだけ有益か、常々感じています。