Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

この夏のマーケティング専門書

2014-07-24 14:06:54 | Weblog
最近ブログ更新をサボりがちであったが、夏休みを直前に迎え、ここ数ヶ月の間にご恵贈いただいたマーケティングの専門書を一気に紹介したい。

まずは、学習院大学の上田隆穂教授の還暦を記念して編纂された論文集。上田さんといえば「価格」の研究が思い浮かぶが、本書のタイトルは「リテールデータ分析」とされている。寄稿されている上田門下生の顔ぶれを見ると、その理由がわかる。

上田さん(「先生」と呼ぶと怒られるので、あえてそう呼ぶ)は最近、モンゴルを始めとするアジア地域の調査や、フードビジネスの研究でも活躍されており、守備範囲は本書を超える。いずれそちらの成果も出版されるに違いない。楽しみである。

リテールデータ分析入門
中央経済社

法政大学イノベーション・マネジメント研究センター叢書として出版された『リレーションシップのマネジメント』は、同大学の社会人院生たちの修士論文を竹内淑恵先生が編纂されたもの。ブランド、サービス、地域活性化などを取り上げている。

ざっと拝見して、レベルの高さに驚かされる。最近、社会人大学院が増えているが、そこで修論を書く人々にとってベンチマークにすべき本ともいえるだろう。個人的関心でいえば「劇場」「シモキタ音楽クラスター」あたりの章に注目した。

リレーションシップのマネジメント
(法政大学イノベーション・マネジメント研究センター叢書)
竹内 淑恵(編著)
文眞堂

法政大学といえば、そこで長年教鞭をとられた木戸茂先生が、小川孔輔先生を監修者として『消費者行動のモデル』を刊行された。マーケティング・サイエンスや消費者行動の主要なモデルが、一般的なソフトでの実行指南付きで紹介されている。

随所に木戸さんの研究成果も盛り込まれており、単なる概説書にはとどまらない個性的な本になっている。ぼく自身、マーケティング・サイエンスの「発展」を独断と偏見で振り返った本を出したばかりなので、本書は気になる存在である。

消費者行動のモデル (シリーズ・マーケティング・エンジニアリング)
小川孔輔、木戸茂
朝倉書店

・・・ということで、先月上梓した拙著もリンクしておこう^^;

マーケティングは進化する
-クリエイティブなMaket+ingの発想-
水野 誠
同文舘出版