Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

2014年の新年を迎えて

2014-01-03 12:55:51 | Weblog
大学教員になって10年が経とうとしている。大学では、この程度のキャリアはまだ「若手」かもしれない(笑)。会社に残っていれば、定年までのカウントダウンが始まっていただろうから、奇異な感じだ。とはいえ、大学教員として残された期間は、決して長くない。

今年は、教務において多少変化がある。1年生の演習を担当するなど、新たな挑戦がある。もう1つ、筑波大学と明治大学で10年間、我流で「マーケティング」を教えてきた内容を、1冊の本にまとめる予定だ。世の批判を仰ぐという以前に、どれだけの読者が得られるか・・・。

にしても、こうした「我流」が通じるのは、マーケティングという「自由な」分野を教えているおかげだろう。「ありがたい」ことである。ただ、その我流にも、限度を超えた行き過ぎがあったことが、執筆中の原稿を何人かの研究者にチェックしてもらった結果、発覚した。

研究については、相変わらずあれこれ追いかけ、何をしている奴かわからん、というイメージを払拭できそうにない。しかし、消費者行動のエージェントベース・モデリングについてモノグラフを書くという目標ができた。それに向けた研究の集中と集積が、今年の課題となる。

・・・という舌の根も乾かぬうちに、全く別の研究も進めようとしている。この10年間の宿題の1つである「クリエイティブ志向の生活・消費」について、入手済みデータの分析とともに、新たな調査を実施する。できれば、何らかの形で、世間に成果を問いたいなとも思う。

これは、生活や消費において「クリエイティブ」なもの、新しく、美しく、知恵に富んだものを愛する傾向のことだ。それは、人々のテイストに基づいている。それはしばしば、熱狂を生み出す。これを自家薬籠中のものにできた企業は強い。それを消費者の側から探れないかと。

まあ、簡単にいかないとは思う・・・理論的骨格が弱く、その裏付けとなる読書量が足りない。

他に仕掛け中の研究プロジェクトがいくつかある。ここでは、まだ具体的なことを書けないものが多い。確実なこととして、近く実施予定の「経済政策への選好」の調査がある。そこで登場するであろう、価値観・イデオロギーといった話題には、ある種の懐かしさがある。

過去にそういうテーマで研究したことがあるわけではない。ただ、価値観ということばは、マーケティングの実務家時代にさんざん耳にしてきた。イデオロギーは、中学から高校にかけての「多感な」時期に悩まされた(?)問題だ。一度取り組んでみたいテーマであった。

仕事を離れた一大課題は、しばらく行っていない人間ドックに是が非でも行くこと。オンボロの車を少しは長持ちさせるために、検査とメンテナンスは欠かせない。余暇では、今年は大阪、名古屋、札幌のドームと、幕張と仙台の球場に行きたい。それで12球団がカバーできる。