Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

日本マーケティング学会@早稲田大学

2013-11-11 09:34:58 | Weblog
10日は、早稲田大学で開かれた日本マーケティング学会の第2回カンファレンスに参加した。前回は参加しなかったので、初参加である。どの会場も大勢の人で溢れている。その半数近くが実務家の方々のようだ。全体に若い人々が多い感じがして、活気に溢れている。

この学会の目玉はポスターセッションではないかと思う。会場が受付の真ん前に置かれ、ど真ん中の時間帯にスケジュールされているので、たくさんの聴衆が集まっていた。発表者のかなりの部分が、社会人大学院の院生または修了生であった。皆さん、熱心にプレゼンをされていた。

石井淳蔵会長の挨拶では、この学会は「若手リサーチャーの育成」を重点課題にしているとのこと。社会人大学院が掘り起こしたビジネスパーソンたちの「研究欲求」は「発表欲求」に発展する。その受け皿として機能しようとするこの学会の挑戦は、いまのところ成功している。

いま話題のユーザーイノベーションのようなことが、マーケティングの研究で起きているのかもしれない。そうなると、一方で、マーケティング研究におけるプロフェッショナリズムとは何かも問われるだろう。そんなものが必要かどうかも含めて。個人的には必要だと思うが。

基調講演では、早稲田大学の内田和成教授、良品計画の松井忠三会長、BCGの市井茂樹シニア・パートナーが、日本企業のグローバル戦略について議論された。日本企業が今後成長するには、中国はもちろん、インドをはじめとする新興国市場への積極的な取り組みが欠かせない。

最近、少なからぬマーケティング研究者が関心を東南アジアや南アジアに移しつつあるのを横目で見つつ、自分はグローバル化の対極にいることを実感。いや、脳は宇宙より大きい、とかいうことばもあるし、人間の意思決定、というより抽象的なレベルの研究に向かうことも(笑)

・・・にしても、国際学会その他の機会を捉えて、アジアの実相をもっと知っておくべきであることは確かだ。上述の三氏のお話は、マネジリアルな意味で濃い内容であったが、自分の思索はつい私的な方向へ向かった。