Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

若者のクルマ&酒離れ

2007-08-22 23:56:34 | Weblog

今日の日経MJでは,20代の消費意識の変化を示す調査結果が大きく取り上げられている。それによると,乗用車に興味がある人は,2002年には70%を超したが,2007年では50%を少し超す程度まで減ったという。5年で20%減というのはすごい。興味だけでなく,実際の保有率も低下している。

MJに掲載されたグラフを見ると,乗用車への興味の減少は,実はあらゆる世代で起きている(減少幅が最も大きいのが20代だということ)。世の中全体がクルマ離れしているとしたら,自動車業界にとってより深刻な問題だ。

ただし,この調査は首都圏対象であること,2002年は留置調査だが,2007年はウェブ調査であることに注意(・・・それを考慮したとしても,無視できない変化だと思うが)。

もう一つ,現在の20代は,30代に比べ,飲酒の頻度が小さいという結果も紹介されている。2002年との比較は示されておらず,世代,年代のいずれに起因するのかわからないが,「若者の酒離れ」もまた,かなり確かな傾向のようだ。

日経MJは「巣ごもる20代」「ミニマムライフ」という見出しをつけている。平均だけで語ってはだめだということを重々承知の上でいえば,従来型「若者文化」のステレオタイプが崩壊したことは明らかだ。「クール」に関する定義も書き直される必要があるだろう。 


おしゃべりな世界

2007-08-22 09:55:30 | Weblog
昨夜,久しぶりに消費者間相互作用の研究会。まず和泉さんから人工市場の話を聞く。人工トレーダーたちがそれぞれ遺伝子となり,GAの計算を構成する。これは実際のトレーダー間のコミュニケーションを模したものだという。さらに,様々なニュースがテキストマイニングされ,人工市場モデルに入力される。予想以上の発展に驚く。

後半は,山本さん,諏訪さん,岡田さんのグループによる,CGMに関する実証分析の報告。ブロガーへの意識調査をパス解析した結果,自己表現型→文章量→トラックバックを受けるというパスと,関係構築→更新頻度→コメントを受けるというパスがある。トラックバックとコメントには,違った文脈があるというわけだ(ということは,このブログは,あえていば関係構築型なのかな…)。

世界はおしゃべりで満ちている。おしゃべりは直接的な情報交換だけでなく,間接的な「空気」の共有をもたらす。それがバブルの崩壊のような非線形変化にもつながる。なるほど…というわけで,二次会ではいつものように「おしゃべり」で貴重な情報と空気を享受した。