Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

ネットワーク拡大と自己実現の不思議な関係

2007-08-10 23:50:11 | Weblog
昨日今日とシミュレーションの土台となる社会ネットワーク作り。Watts and Strogatz の方法による small world network をベースに,リンク数が全く同じ scale free network を再構成するのが狙い。JWEINへの投稿論文が受けた批判に応えようとしたが・・・それにしても,いまごろ着手しているのはイタイ。

その合間に,同じ研究科だが専攻が全く違う(ふだん全くお会いしない)情報工学の教員とブレストを行う。期せずして自分が何を研究したいのかを語る機会となった。選好(preference)が動的に変化することを前提とした,製品やサービスのデザインとか,そこに消費者間の社会関係を導入することとか,選好の個人「内」異質化とロングテールとか・・・。

消費者の選好が作り手との対話のなかで「進化」するという発想に潜む可能性は,それなりに理解してもらえたかもしれない。ぼくのいいたいことを一言でいえば「日本からもiPhoneを!」になる。一方,日本でなぜ Second Life が生まれなかったかを訊ねたところ,面白い見解を聞いた。いうまでもなく,いずれも技術力の問題ではない。

このプロジェクト(案)が今後どうなるのか,そこでの自分の立場や貢献がどうなるのか,いまは全くわからない。だが,そんなことは飛び越えて,ネットワークを広げることは重要だ。そして,そこで自分の思いをいかに強く語ることができるかが鍵となる(もちろん,それを研究として何らか形にすることを前提に)。

ネットワークを広げることが,意外なことに自分のライフワークに回帰していく展開となる。それが偶然なのか必然なのか全くわからないが,いずれにしたってうれしいことだ。選好形成,選好進化の研究に一緒に没入してくれる仲間が少ない(いない?)ことに悩んできた。しかし,思わぬところに味方がいるかもしれない。だから,もっともっと迅速に前に進む必要がある。