HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

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三上寛 / 三上寛のひとりごと

2007-11-24 10:03:00 | 日本のロック・ポップス
三上寛の最初のアルバム「三上寛の世界」は71年4月に発表されたのだが、
収録曲の「ピストル魔の少年」が問題となり市場から回収された。
数曲を差し替え72年1月に発表されたのが掲載写真の「三上寛のひとりごと」で
オリジナル・フォーマットに忠実な形で初CD化された。

「三上寛の世界」も同時にCD化されたが、佐伯俊男の印象的なジャケットを
流用した92年発売のベスト盤「三上寛ベスト・アルバム」に全曲が
曲順もそのままで収録されていたので、個人的には目新しい感じがしないのだが
オリジナル・フォーマットでのCD化は、これも初めてなので入手の価値がある。

ジャケットを見ているだけで、何かよくないことが起こりそうな気がする
この不気味さはそれでも何故か目をそらさずに凝視させる、不思議な
力がある。A面は「三上寛の世界」を凝縮したというか、核になる曲を
絶妙の曲順で収録している。
アルバムに針を下ろし冒頭の「おど」、続く「夢を夜ひらく」の強烈な
ワン・ツーをくらった当時の人のショックはどんなものだったろう。
あれから35年、誰も彼もが自分は「平均的一般市民」だと思うことで
安心し、すっかり平和ボケでぬるい今でも有効だと思うのだが
それに自覚的である人は結局昔から自覚的だった人で・・・。まあいいや。
これを書いている私も、いつの間にかある程度形の決まった現状に慣れて
向上心を忘れているのだから。
その証拠に昔ほど熱心に三上の新作を追いかけていない・・・・。

話は変わるが私個人としては、いかに同郷で貧困や十分な教育を
受けられなかったことが犯罪の根底にあったとしても、被害者の心情を
鑑みれば犯罪者にシンパシーを抱くことは無い。
自分に実害が及ばなかった者の綺麗言とまでは言わないけれど。

天気のいい土曜日の朝に聞くようなものではないけれど、
このアルバムが人にとりつくような魅力に溢れているのは間違いない。

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4 コメント

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信濃町姉妹 (ケニー)
2007-11-24 16:00:49
『俺が居る。』発売直後の三上寛を京都の拾得で見ました。客が20人くらいしかいなかったことがかえって場の緊迫感を煽っており、変なたとえですが「凄く怖い体育教師に怒られている」ような感じさえしました。

時を経て、更に彼の特異性が際立っているように思います。
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8月10日の信濃町 (ハリー)
2007-11-24 17:27:18
ケニーさん。

80年代後半は毎月のように拾得で演奏していたような記憶があるのですが、見る機会はありませんでした。『俺が居る』発売直後ということは91年くらいのことですよね。

私の知り合いが三上寛のライブ(おそらく拾得)で
恐怖体験をしました。なんと客は知り合いとその兄
とあと一人、つまり3人しかいなかったのです。
三上寛はいつも通りの演奏だったらしいですが
見るほうは妙に緊張したというわけです。
「当日気まぐれで兄貴を誘って見に行った
のだけど、もし俺たちがいかなければ・・・」と
笑いながら話してくれたのですが、あと一人が
私だったらと思うとちょっとゾッとしました。(笑)
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生では怖い (みやぎぬ)
2008-02-11 09:34:42
ハリーさん、初めまして。ずっと拝読しております。『三上寛ベスト』を愛聴してましたが、ジャケ写に惹かれて購入しました。凝縮された分、やっぱり怨み節は濃くなってました。醗酵しそう…。禍々しいんですが、綺麗な男だなと見取れてしまったり。オスって感じですかね。

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人柄は優しそう (ハリー)
2008-02-11 11:44:38
はじめまして、みやぎぬさん。

爺の戯言になりかねないのですが、最近の
若い歌手がデビュー時には大した顔でないのが
何作か出すにつれて「顔が出来てくる」ように
思えるのに対し、三上寛はデビュー時から
「男前」だったと思います。

三上やかつての野坂昭如のような匂いを私も
出せたらなあと思ったことがあります。(笑)
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