HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

THE JIMI HENDRIX EXPERIENCE / LIVE AT MONTEREY

2007-11-24 17:05:33 | ROCK
以前は単体で商品化されていたが、今のところ3枚組DVD
「THE COMPLETE MONTEREY POP FESTIVAL」でしかオーティスと
ジミ・ヘンドリックスの演奏を収録した「あの」ソフトは市場に並んでいない。
高額ではあるが先のソフトに加え、映画「MONTEREY POP」に多くの
驚愕の映像を収録したアウトテイクが見物であるため必携である。

ジミの映像を捉えたソフトとして「THE DEFINITIVE EDITION」との
ふれこみでモンタレーの映像が登場した。DVDならではの特典が魅力的だ。
特にジミをフューチャーしたものではないが、フェスティバルのドキュメントや
関係者の回想シーンは、興味深い話が満載なので字幕が付く日本版の購入を
お勧めする。
ママス&パパス(特にジョン・フィリップス)が当時の西海岸であれほど
大物扱いとは今の日本では想像も付かないし、テレビ特番用として
テレビ局から予算を捻出させておきながら、映画へと昇格させるくだりは
面白い。

「セカンド・ルック」として未発表カメラ・アングルで3パターン収録
した曲を5曲見ることが出来る。私はまだ全てを見ていないのだが
DVDをセットして「本編は何度も見ているから特典から見るか」くらいの
気持ちでぼんやり見ていたら、いつまで経ってもノエル・レディングばかり
延々映っているので、あわててパッケージを見た(笑)くらいなので
これから沢山の発見があるだろう。

本編も編集が少々違っている。
演奏シーンはそれほど手を加えてないと思うが、まずジミ達を紹介する
ブライアン・ジョーンズを映すカメラ・アングルの違いに驚く。
曲が終わったあとは大抵ジミの素敵なMCが入るのだが、客席の様子や
曲が終わる際もしくは始まる際の映像も若干従来の物とは違う。
先日発売されたレッド・ツェッペリンの「狂熱のライブ」は音はいじって
いるが映像は固定であった。今回の「モンタレー」はもうちょっと
腰を据えて見る必要があるかもしれない。

最終曲の「WILD THING」のエンディングでジミがギターを燃やすのは
有名だ。ジミはギターをステージに何度も叩きつけ、そのはずみで
シンバル・スタンドが倒れたりするのだが、そこでその狂騒に
乗っからなかったミッチ・ミッチェルがいたからこそ、あのシーンは
伝説になった。あそこでドラム・セットが崩壊したらジミ達の前に
演奏したザ・フーの二番煎じになっていただろうから。

本編が全て見所なのは言うまでもないが、今回の私は
「LIKE A ROLLING STONE」を演奏中にジミが「歌詞を間違っちまった」と
言うところに愛を感じた。(笑)



コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

三上寛 / 三上寛のひとりごと

2007-11-24 10:03:00 | 日本のロック・ポップス
三上寛の最初のアルバム「三上寛の世界」は71年4月に発表されたのだが、
収録曲の「ピストル魔の少年」が問題となり市場から回収された。
数曲を差し替え72年1月に発表されたのが掲載写真の「三上寛のひとりごと」で
オリジナル・フォーマットに忠実な形で初CD化された。

「三上寛の世界」も同時にCD化されたが、佐伯俊男の印象的なジャケットを
流用した92年発売のベスト盤「三上寛ベスト・アルバム」に全曲が
曲順もそのままで収録されていたので、個人的には目新しい感じがしないのだが
オリジナル・フォーマットでのCD化は、これも初めてなので入手の価値がある。

ジャケットを見ているだけで、何かよくないことが起こりそうな気がする
この不気味さはそれでも何故か目をそらさずに凝視させる、不思議な
力がある。A面は「三上寛の世界」を凝縮したというか、核になる曲を
絶妙の曲順で収録している。
アルバムに針を下ろし冒頭の「おど」、続く「夢を夜ひらく」の強烈な
ワン・ツーをくらった当時の人のショックはどんなものだったろう。
あれから35年、誰も彼もが自分は「平均的一般市民」だと思うことで
安心し、すっかり平和ボケでぬるい今でも有効だと思うのだが
それに自覚的である人は結局昔から自覚的だった人で・・・。まあいいや。
これを書いている私も、いつの間にかある程度形の決まった現状に慣れて
向上心を忘れているのだから。
その証拠に昔ほど熱心に三上の新作を追いかけていない・・・・。

話は変わるが私個人としては、いかに同郷で貧困や十分な教育を
受けられなかったことが犯罪の根底にあったとしても、被害者の心情を
鑑みれば犯罪者にシンパシーを抱くことは無い。
自分に実害が及ばなかった者の綺麗言とまでは言わないけれど。

天気のいい土曜日の朝に聞くようなものではないけれど、
このアルバムが人にとりつくような魅力に溢れているのは間違いない。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする