掲載写真はジミ・ヘンドリックスのドキュメンタリー「HEAR MY TRAIN A COMIN'」。
実のところ、ジミのヒストリー物というかドキュメンタリーとか言われても、それほど
触手は動かないはずであった。
73年に製作された「A FILM ABOUT JIMI HENDRIX」が05年にボーナス映像を
加えた2枚組DVDとして登場したのだが、コメンテーターとして登場するミック・ジャガー、
ピート・タウンゼント、ECにルー・リード(!)という面子の豪華さもあって、これを凌ぐ
作品は難しいだろうと思っていたし、「WEST COAST SEATTLE BOY」を輸入盤で
買ってしまったがために、これに添付されたドキュメンタリーを英語字幕で必死で見て
疲れ果てたというのもあった。(笑)
今回も単なるドキュメンタリーだけだったら購入しなかったのだが、ボーナス映像で
68年5月18日の「マイアミ・ポップ・フェスティバル」の映像が4曲、70年7月11日の
「ニューヨーク・ポップ・フェスティバル」の映像が5曲、70年9月6日の「ラヴ&ピース・
フェスティバル」の」映像が4曲見られるとあっては、スルーはできない。
おっと、TOTPの映像も1曲あるか。
TOTPはともかく、他はどれも私にとっては初見の映像で、よくぞ見つけたとしか言いようの
ない13曲であった。マイアミの映像を見ると、ジミはもちろんだがミッチ・ミッチェルの出来が
素晴らしく、バンドとして良い状態にあったことがよくわかる。
ニューヨーク・ポップ・フェスティバルは、映像と音声の同期が難しかった箇所が伺えるが
それを差し引いても、フェスに漂っていた不穏な空気や緊迫感が伝わってくる。
70年9月6日というのは、ジミの公式な意味合いでは最後のステージであり、その
映像を見ることができるとは、何と素晴らしいのだろう。
この日の音源はダガー・レコードからオフィシャル・リリースされているので、音だけは既に
聴いていたのだが、ドンピカの画質では無いものの、それなりに綺麗な映像で生前最後の
映像(といってもいいだろう)を見ることができるのだから、言葉が見つからない。
この日の映像は一般のファンが撮影したもののようだが、そういえばウッドストックでの演奏が
DVDになった時はステージ脇でスタッフにまぎれてジミの演奏を全編撮影したモノクロの
映像が「セカンド・ルック」と題されて世に出た。これも今思えば凄い話で、これからは更に
「ファン撮影」の映像の発掘が進んでいくことの重要性を改めて感じる次第である。
ところで。マイアミ・ポップ・フェスでは、断片的にマザーズの演奏を見ることができる。
誰か親切な人、マザーズの演奏をDVDとCDで出してくれないかなあ。(笑)