HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

LOVE LOVE LOVE

2013-12-03 00:02:43 | 日本のロック・ポップス

掲載写真はタイガースの5枚組DVD「ザ・タイガース・フォーエヴァー」。
過去にテレビで放送された映像や、VHSで発売されたものを中心に編まれた
ボックスであるが、ここまでの映像を個人レベルで所蔵している人の数を思えば
今回のDVD化は快挙以外の何物でもないだろう。
勿論、収録された映像のほとんどはDVD化に相応しいレベルの画質である。

  

田園コロシアムなんていうと、今でも私は「鶴田VSミル・マスカラス」や「アンドレ・ザ・ジャイアント
VSスタン・ハンセン」といったプロレスの試合のことを直ぐに思い起こすのだが、タイガースは
70年8月22日に田園コロシアムでコンサートを行った。

タイガース解散の1か月後に2枚組アルバムとしてリリースされたのだが、この時の模様は
テレビ放送もされた。今回のDVDは放送された物の短縮版とのことだが、そんなことは関係なく
貴重な映像を見られただけで、私は大満足だ。

解散報道の中の微妙な空気がバンド内にあったはずだが、演奏は客を楽しませることに徹した
プロの演奏であったことがよくわかる。時折、走る東急電鉄の映像が差し込まれ、「電車の中から
コンサートが行われているのを見た人もいるのだろうな。」とか思いながら見るのも楽しい。

瞳みのるが歌う時にジュリーがドラムを叩いている映像を初めて見たのだが、やはりこういう
シーンは音だけを聴いた時以上に、情報量が多い分だけ感慨深い。ただ、やはりジュリー以外が
リードをとる場面というのは、今見るとファン・サービスとはいえクオリティーに疑問を感じるのは
仕方あるまい。

あと、余計なお世話なのだが、加橋かつみのレパートリーを岸部シローが歌うということに
拒否反応を起こす人はいなかったのかなあ、なんてことも考えた。本当に余計なお世話です。(笑)

タイガースの解散コンサートは71年1月24日に日本武道館で行われた。この日の模様も
テレビ放映され、バンド解散後の半年後に「ザ・タイガース・フィナーレ」と題されたアルバムが
リリースされる。アルバムも映像もコンサートの全貌を捉えたものではないが、こうして
DVD化されたおかげで、先に聴いていた2枚のアルバムの「画」を見ることができるように
なって、本当に嬉しい。

コンサートの中盤あたりからジュリーの目に涙が光っているのがわかるのだが、声が揺れる
ことなくしっかり歌いきるところに、ジュリーの魅力を改めて感じる。

81年の「サヨナラ日劇!最期のウエスタン・カーニバル」82年の「同窓会記念コンサート
THE TIGERS A-LIVE」では共に『シーサイド・バウンド』が演奏されるのだが、何故か
この曲でジュリーはミスしてしまう。まあ、ミスした後の仕草が女性ファンには堪らないのだろう
けど。(笑)

81年の『シーサイド・バウンド』では間奏で行われる振付を、加橋かつみだけが行わない。
それが妙に格好良いのだが、82年の「同窓会」ではしっかり飛び跳ねているので、「あれ?」
と思ったり。82年にストーンズの『UNDER MY THUMB』を演奏したのは、やはりあの映画の
印象が強烈だったのかなぁと思うのは、私が単なるストーンズ・ファンだからだろう。

「秘蔵映像集」と題された1枚は、貴重な映像が多く集められているのだろうが、画質は
厳しい映像が多い。20年以上前のVHSの時代に、何度もダビングを繰り返した画質が滲んで
おまけに酷く歪んだロック・ミュージシャンのブートレグ映像を散々見たものだが、正に
そんな感じ。DVDの後半から画質は安心して見られるレベルになるが、こういったボックスでも
編まれなければ目にすることは無かった映像だけに、ここは貴重さを優先すべきだろう。

それにしても、ここまでの映像集を出してもらえるタイガースも、タイガースのファンも
幸せだなと思わずにいられないボックスである。

コメント (5)
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