HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

DON'T DO IT

2013-09-29 00:32:23 | ROCK

掲載写真はザ・バンドの「LIVE AT THE ACADEMY OF MUSIC 1971」と
題された組み物。4枚のCDと1枚のDVDで構成される。

ザ・バンドは71年12月28日から31日まで4日連続公演を行い、その公演から抜粋された
曲で構成されたライブ盤「ROCK OF AGES(IN CONCERT)」が72年に2枚組LPで
リリースされた。

01年には2枚組拡大版CDがリリースされ、ディスク1がオリジナル・フォーマットの
「ROCK OF AGES」、ディスク2に収録された全10曲が未発表ライブという触れ込み
であった。個人的にこのライブ盤は特に好きな盤でもなく、何よりガース・ハドスンの
長々と続くキーボード・ソロに辟易とした記憶しかなかったのだが、未発表トラックの
うちの4曲が4日連続公演の最終日に突如登場したボブ・ディラン参加曲なので、
それ目当てでCDを買ったものだ。

この2枚組の登場で、4日連続公演の演目で聴くことができない曲が2曲のみとなり
充実したリイシューを思わせたが、同時に95年に出た「LIVE AT WATKINS GLEN」が
インチキ盤であることを見事に露呈したのも事実であった。
未発表曲のうちの1曲『SMOKE SIGNAL』は05年の6枚組「A MUSICAL HISTORY」で
登場するが、もう一つの未発表曲である『STRAWBERRY WINE』は今回の5枚組で
初登場。

さて、今回の4枚組CDである。まず一聴してその音のクリアさに驚かされる。
なんなんだろう、この似つかわしくない透明感(笑)は。これを「音が良くなった」というのか
どうかは人によって見方が違うだろうが、まあ2013年仕様ということで2001年仕様や
LP盤(私は持ってないけど)と聴き比べるバリエーションの楽しみが増えたと思えば
いいのだろう。

01年版「ROCK OF AGES」に2曲足したら、今回の箱のディスク1とディスク2と同じ
なのだが、曲の並びは「ROCK OF AGES」とは全く違う。ライブの曲順とも全く違うので
この曲順の意図を考えるのもまた一興というところか。

最大の目玉は、12月31日の演奏をほぼ完全な曲順で収録したディスク3と4であるのは
間違いない。ライブの第一部(ディスク3)はザ・バンドのみの演奏、第二部(ディスク4)は
アラン・トゥーサンがアレンジを担当したホーン・セクションが加わっての演奏、アンコールで
ボブ・ディラン登場というコンサートの流れ通りの演奏を聴くことができる価値は大きい。

ちょっと残念なのはディランが登場するときの観客の歓声が収録されていないことだ。
ディランは完全にシークレット・ゲストだったので、ステージに現れた瞬間は、物凄い歓声が
あがったと想像するのだけど。(笑)

DVDには映像が2曲収録されていて、カメラ・ワークが甘い箇所もあるにはあるが、
この時期の映像を見ることができるだけで、嬉しい。普段はロビー・ロバートスンに冷たい男
として通してきた私であるが、やはりロビーは格好良かったということを、そろそろ
認めるべきかもしれない。私のヒーローがレヴォン・ヘルムであることには変わりないが。

本当は4日間の完全版を出してほしかったところだが、それはまたのお楽しみか。
でも、その時は「既発感満載の割高な箱、2013年にこの内容で出すべきだった。」と
書いてやる。

ウソです。出ないでしょうし、出てもそのころには・・・。(笑)

コメント
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