HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

THE SOUND OF PHILADELPHIA

2013-09-07 07:08:51 | SOUL

     

レゲエのライブ盤は売れないという話を何かで読んだことがある。確かにスタジオで
好き放題に音を抜き差しした「ダブ」という手法での盤の人気が高かったりするので、
音の気持ち良さを追求するのに、スタジオ関係者やミュージシャン以外の他人の感情や
熱気は無用ということであろうか。

思い起こせば、ソウルのライブ盤というのをあまり所持していない。さて、この理由は
何だろうと、しばし考える。年代やレーベル色、地域や録音スタジオといった様々な
特性が反映された差異を、音の気持ちよさの中から感じ取るのが楽しみの一つだからか、
というのが辿り着いた結論。

それでも、レゲエのライブ盤の中にも何枚か好きなアルバムがあるのは去年の4月の
当ブログで記したが、それと同じようにソウルのライブ盤にも好きな盤はいくつもある。
高校2年の時に初めて買ったソウルのレコードである、オーティス・レディングのLPや
92年に突如CDでリリースされたジェームス・ブラウンの盤の熱気には、今も驚かされる。

さて、先日のレココレの「ソウル/ファンクの100曲 1967-1979」を改めて眺めてみると
フィラデルフィア・インターナショナルの曲が少ないのに気付く。私はこのレーベル特有の
流麗な音の感じがけっこう好きなのだけど、これはロック者にはあるまじき嗜好かもしれない。

モータウンやスタックスのレビュー形式のライブ盤はリアル・タイムでリリースされていて
私もその熱気を楽しんできたが、フィラデルフィア・インターナショナル所属のミュージシャンの
ライブ盤というのはずっと聴いたことがなかった。そこへ突如現れたのが、この盤。

     73年9月に行われたCBSレコードの
コンベンション・ライブを収録したCDが「GOLDEN GATE GROOVE」。40年もの間、
リリースされなかった理由がわからないほどの豪華メンバーによる、ライブ盤である。

ドン・コーネリアスのMCで始まり、ハロルド・メルヴィン&ザ・ブルー・ノーツ、スリー・
ディグリーズ、ビリー・ポール、オージェイズと続くライブは正にオール・スター戦。
バックの演奏はMFSBで、彼らの代名詞でもある『T.S.O.P.』もバッチリ演奏。
確かに、スタジオ盤の魅力はここにはないが、ライブならではの別の魅力は十分に感じる。

「映像は残っていないのかなぁ」と、更なる欲望を掻き立てつつ、もう一度考える。
「なんで、あの100選に『T.S.O.P.』は入らなかったのだろう?。」

リアル・タイムの「ソウル・トレイン」がテレビ東京でなく、NHKで放送されていたら
どうだったろうか・・・・。

コメント (2)
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