HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

BROWN SUGAR

2013-09-21 06:59:29 | SOUL

ワーナー・ミュージックの「名盤探検隊」の一環で、クラウディア・リニアの73年の
アルバム「PHEW!」がCD化された。待望の世界初CD化である。

アイケッツのメンバーであったクラウディアのことを、何故ミック・ジャガーが気にかけたのか、
昔から気になっていた。ストーンズの楽曲『ブラウン・シュガー』は、精製前のヘロインを指す
隠語であり、その歌詞から容易に黒人女性のセックス(性行為という意味と、セックス・
アピールという意味の両方の意味を含む)を想起させるダブル・ミーニングなのだが、
『ブラウン・シュガー』のモデルが、クラウディア・リニアその人であるからだ。

アイク&ティナ・ターナーと共演したことがあるストーンズであるが、ティナはともかく
バック・ダンサー&コーラスを務める3人娘をチェックするというのは、目利きというか
何というか。(笑)

今回のライナーで初めて知ったのだが、ボウイ様の『薄笑いソウルの淑女』のモデルでも
あるとのこと。アンジー・ボウイの回想録で、ミックとボウイは男と男(笑)の関係だったと
いう話があったが、結果的に女性をシェアしたことになったとしても全く不思議ではない。

振り返れば、ボウイ様の女性遍歴には褐色の女性が多く登場する。美人で肉感的で情が濃く、
おまけに床上手な褐色の女性が魅力的であるのは、想像に難しくない。
ところで、今ふと思ったのだが、黒人女性の登場するA.V.というのをそれほど見たことがない。
探し方が悪い?のかもしれないが、一般的にあまり目にする機会が少ないのは事実だろう。
黒人同士の絡みだと、その熱量の多さに白人が嫉妬するからか、或いは白人男性と
黒人女性の絡みだと、奴隷制があった時代からの主従の関係を想起させることになって
具合が悪いのか、とかつまらないことをしばし考える。(笑)

なんで、こんなくだらないことをダラダラ書いているかと言うと・・・。
今回のCDは日本盤による世界初CD化であることは先に書いた。そうすると、ライナーも
日本語で書かれているわけで、その今回のCDのライナーの内容が実に的確であり。
私が何を書いてもライナーの転記になってしまいそうなので。(笑)

寺田正典氏によるライナーは、クラウディア自身とアルバムに関する内容をわかりやすく
解説してあり、今の段階でこれを上回る情報は無いのではというくらい要点を押さえている。
寺田氏の解説は、知識自慢でも情報自慢でもなく、まして友達自慢や楽屋落ちネタでもない
実に好感の持てるもので、私は好きである。

思えば、近年のストーンズ関係のライナーは寺田氏が担当されることが多く、長年
日本盤のくだらないライナーもどきに呆れ、失笑していた身としては、日本盤を買う楽しみが
増えてよかったよかったと思う今日この頃である。(笑)

冒頭のロン・デイヴィス・カバー『IT AIN'T EASY』の解釈はオリジナリティーに満ちている。
これはニール・ヤングの『OH, LONSOME ME』の解釈に匹敵するだろう。
レコードでいうところのA面ではライ・クーダーやジム・ディッキンスンらのバックも素晴らしいし、
B面はアラン・トゥーサンを中心にした面子でメドレー形式で曲が進行するのだが、これが
「アッ」という間に終わってしまうように感じる至福の15分。

歌唱は最高、バックの面子も最高、ノーマン・シーフの手になるジャケット写真はフロントも
リアも素敵で、つまりは包装も中身も素晴らしいのに、大きなセールスに繋がらなかったのが
残念で仕方ない。とりあえずはCD化を祝し、誰でもこの盤を容易に聴くことができることに
なったことを喜ぼうと思う。

最後にまた、しょうもないことを。
ストーンズの楽曲『SOME GIRLS』には、歌詞中に「黒人女は一晩中ファックしたがる」と
いう一節があるのだが、あれは誰かモデルがいるのかなぁ。(笑)

コメント
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