昨年末、突如再結成したものの、その後全く音沙汰無しのプッシー・ガロア。
まあ、ジョン・スペンサーが活動しているなら、その形態は何でもいいのだけどね。
雑誌「クロスビート」の新譜紹介のレビュー欄で、そのジャケットを見て「内容はともかく、このレコードは
欲しいな。」と思ったことは確実なのだが、立ち読みだった故か、それほど熱心でなかった故か
どうしてもアルバムのタイトルが思い出せず、いや覚えられないまま(笑)今日に至ったのだが
ひょんなことから、とりあえず聴くことができたのが、掲載写真の盤。
掲載写真はプッシー・ガロアが88年に日本オンリー、限定2000枚でリリースしたライブ盤
「THIS FRIDAY NIGHT ONLY」。ジャケット左には日本語で以下のような表記がある。
”このLPは音質の悪いカセット録音です。このレコードは品の悪い言葉、例えば、FUCK、そしてSHIT、
またCUNT、あるいはMOTHERFUCKER等々が出てきます。”
ご丁寧にどうも。(笑)音質も内容も、プッシー・ガロアのレコードを1枚でも聴いたことがある方なら
何の問題もない、いつものプッシー・ガロア。高音質CDだのハイレゾだのと音質追求の人々の耳には
おそらく受け入れられない録音で、底意地の悪い私は「姿の見えない仮想敵」を想像しながら
勝手にニヤニヤしている。いや、ジャケット写真の「名前も知らない裸女」を思い出してニヤニヤしているのだけど。
V.U.のライブ音源に音質の良さなんて、それほど求めることがないようにプッシー・ガロアの音源も
何故だか、録音レンジの狭い荒々しい音が良く似合う。会場の空気を含めた混沌とした猥雑な雰囲気の
生々しさこそが、彼らの在り方だったのだろうから。
B面の演奏は、こんな叫び声とともにスタートする。
「THE ROLLING STONES WERE NEVER LIKE THIS BABY」
ジョンはストーンズのことを好きなはずなんだけどねぇ。(笑)