HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

CHIMES OF FREEDOM

2012-02-25 20:18:45 | ROCK

アムネスティー・インターナショナル設立50周年記念ということで、4枚組のボブ・ディラン・カバー集
「CHIMES OF FREEDOM THE SONG OF BOB DYLAN」がリリースされた。
これだけのボリュームで、多くの有名ミュージシャンが揃ったカバー・アルバムというのは例がなく
単純にカバー好きの私には嬉しい企画盤であr。

アムネスティーに関しては、その在り方に難癖をつけるほど私は自分の信念や考え方に自信を持っている
わけではないし、むしろ自分には出来ない素晴らしいことを継続して活動している団体なのだと認識している。
その中立性や善意の在り方に異を唱えるような状況になく、そういう現場に居ないというのも事実だが
アムネスティーを超える活動をしている団体名が思い浮かばないのも事実である。

今回の4枚組『CHIMES OF FREEDOM』は70組を超えるミュージシャン達がディランの曲を
カバーし、最後にディランが64年にアルバム「ANOTHER SIDE OF BOB DYLAN」に収録した
タイトル曲が収録されている。

ジャケットには「PREVIOUSLY UNRELEASED RECORDINGS」と書かれたステッカーが貼られているので
それぞれのミュージシャンの熱心なファンには気になるところだろう。収録された曲の録音時期は明記されて
いないが、ジョニー・キャッシュが故人であることから判るように様々な時期のレコーディングが集められているようだ。

例えばフェリーさんが今回提供した曲は『BOB DYLAN'S DREAM』。もともと2006年のアルバム
「DYLANESQUE」のレコーディング時のもので、当時はボーカルが気に入らないという理由でお蔵入したのだが、
アムネスティーから声が掛かり、完成にこぎつけたことがフェリーさんのHPに記されている。
参加メンバーの中にはクリス・スペディングやフランク・リコッティの名前がある。
また、この盤にはそれぞれの曲の録音に参加したパーソネルのクレジットも無いのだが、アムネスティーのHPで
全てではないが知ることができる。
例えば(笑)フェリーさんのHPではパーソネル表記はなかったが、ドラムスはアンディー・ニューマークであることが
記されている。おいおい、フェリーさんだけ熱心に調べたのかという突っ込みは無しで。(笑)

余りに有名な曲をカバーするのは、私なんかからすれば少々気恥しい気もするのだが、そういう曲が無いと
アルバムが地味になるのも事実。まだ一通りしか聴いていないのだが、私が気に入ったのはシー・ギルモアの
『I'LL REMEMBER YOU』、ビリー・ブラッグの『LAY DOWN YOUR WEARY TUNE』。
前者は、流石はサンディー・デニーの未発表歌詞に曲をつけることを許された人だと思わされたし、
後者は選曲のセンスにまず唸り、その自由な軽やかさにまた唸った。

コステロの『LICENSE TO KILL』は流石で、昨年のツアーにおけるディランの誕生日である5月24日には
同曲を演奏したというから、この曲には特別な意味があるのかもしれない。
エリック・バードンの『GOTTA SERVE SOMEBODY』も、ボーカルとアレンジが良くて気に入っている。
今年のグラミーで6冠に輝いた人の魅力に私がたどり着けるのは、いつの日か・・・。

長いレコーディング・アーティストとしてのディランの歴史の中で、特に60年代に偏るということも無く、
選曲の幅も広いので、多くの人が楽しめるカバー集である。値段も安いので気になるミュージシャンが
収録されている方は聴いてみるといいだろう。

コメント
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