HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

MARBLE SHEEP / BIG DEAL

2010-08-31 19:21:56 | 日本のロック・ポップス
掲載写真はマーブル・シープ&ザ・ラン・ダウン・サンズ・チルドレンが92年に発表した
「BID DEAL」。マーブル・シープのアルバムとしては2枚目にあたり、首謀者の松谷健が起こした
レーベル「キャプテン・トリップ・レコーズ」最初のアルバムで、CDの型番にある通り
「CTCD-001」の栄誉が与えられた。

バンド自体は87年頃から活動を開始し、その頃の演奏は「OLD FROM NEW HEADS」で聴くことが
できる。サイケ軸で捉えるにしても、ジャム・バンドとして捉えるにしても当時の我が国では
類を見ないバンドであったと思う。日本人の体質というか国民性かもしれないが
サイケだのアンダーグラウンドだのと言うと、何となく暗く沈みこんだり、湿ったイメージや
昼よりも夜、みたいな感じの音が好まれる傾向にある。
マーブル・シープの音は毛色が違った。一筋縄でいかない音というのは、数多のサイケ・バンドと
共通しているが、違っていたのは音が内へ向かうのではなく、どちらかというと明るく
開放的な気分すらしたという点だ。闇で鳴り響くジャーマン・プログレのような混沌とした音と、
官能的なギターに導かれるフレーズの同居が、地下室からは見ることが出いないはずの青空の
現出を可能にしたといえば、イメージが沸くだろうか。
グレイトフル・デッドのファンにもアピールする音でもある。

このアルバムがリリースされたのは92年であると書いた。遠まわしに書くが91年にリリース
された、あるバンドの3種のCDの影響というのは大きく、なんとなく当時のマーブルのような
音が軽んじられたような気がしてならないのは私の思い込みだろうか。

バンドは94年に活動を停止したものの98年に復活し、以降はより解かり易くより激しい音を
出すようになった。メンバー・チェンジを繰りかえしながらも、現在も精力的に活動を
しているのが嬉しいところだ。

コメント (2)
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