HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

THE BACH BOYS / HEROES AND VILLAINS

2010-06-24 17:20:44 | THIS SONG
ビーチ・ボーイズのファンや音楽を愛する方々から見れば、私は少数派というか異端の
部類に入るかもしれない。理由は『60年代の25枚』を選ぼうとも、「ビーチ・ボーイズの
アルバムで一番好きなアルバムは?」と問われても決してそれは『PET SOUNDS』では
ないというその一点においてであるが。

一番好きなアルバムが『SMILEY SMILE』で一番好きな曲がそのアルバムの冒頭に配された
「HEROES AND VILLAINS(英雄と悪漢)」であるのは、この20年近く変わらないし、
最近はそれで正しいとすら思っている。メンバーに酷評されつつつも『PET SOUNDS』は最高位
米国10位英国2位のチャート・アクションを記録し、同年10月に出たシングル
「GOOD VIBRATIONS」は両国で1位を獲得している。
しかしながら約1年後の翌67年9月に出た『SMILEY SMILE』は米国では41位英国では
9位までしかチャートを上がらなかった。
これはその次のアルバム『WILD HONEY』よりも悪いチャート・アクションだ。
一般的に人気の無い盤だということなのだろう。

ロックンロールやポップスの本来の魅力に乏しいとか、『SMILE』のなれの果てのやっつけ仕事
とかいうのは外れてはいない。まあ、私がビーチ・ボーイズというバンドの出自や歴史を
全方位的に追いかけたファンでないのと(それでもアルバムは『SUMMER IN PARADIE』以外は全て
所持している)、サイケデリックやフォークを好む傾向にある事が『SMILEY SMILE』を
贔屓にしている理由なのかもしれない。ただ、何かというと目の前に現れもしない『SMILE』を
有り難がる人が多いのも不思議なのだ。で、その次には『PET SOUNDS』を最高だと言い、
『SMILEY SMILE』のことはどこか片隅に追いやってしまう。
「人には人のビーチ・ボーイズ」、とか何かのCMみたいなセリフを言ってニッコリ笑えれば
いいのだが、俺のとは違うのだ。(笑)

掲載写真は「HEROES AND VILLAINS」の米国シングル盤。レコード・コレクター誌88年
10月号のカラー・ページで見て以来欲しかったシングルだったのだが、先日想定内の値段で
購入することが出来た。しかもプロモ盤と流通盤を同時にである。
歌詞はちっとも楽しいものではなく難解であるが、当時のアメリカが抱えていたベトナム戦争や
人種差別問題を意識してのものである。誰が英雄で誰が悪漢なのかは、立場が違えばその解釈は
全く逆のものになる。
何でもかんでも「勝てば官軍」ではやりきれないけれど。

コメント
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