HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

ROGER McGUINN / CARDIFF ROSE

2010-06-06 18:18:49 | ROCK
CDというものが世に出た時、何でもかんでも「音が良くなった」と有り難がる風潮があったが
大して音の良くないCDも存在した。特にCOLUMBIAが出したCDで背表紙が白地に赤で
タイトルやアーティスト名が記された物は、その印象が強い。
掲載写真のロジャー・マッギンが76年に発表した「CARDIFF ROSE(邦題:海賊)」もそんな1枚。
収録曲やアルバムが制作された背景は面白いのだけれど。

このアルバムのプロデューサーはミック・ロンスン。マッギンとロンスンは75年の
ボブ・ディランのローリング・サンダー・レビューで親交を深め、その結果このアルバムが
出来た。冒頭の『TAKE ME AWAY』は明らかにローリング・サンダー・レビューの想い出を
歌った曲で、如何に二人にとって素晴らしい体験だったかが手に取るように解かる。
続く『JOLLY ROGER』はマッギンのオリジナルだが、英国フォーク好きの琴線を擽るメロディーが
たまらない。私は先に「バイオグラフ」を聴いてしまったのだが、リアル・タイムで
マッギンのこのレコードを聴いた人はディラン作の『UP TO ME』に大きな感銘を得ると同時に
ディラン・バージョンを聴きたいと思ったことだろう。ジョニ・ミッチェルの曲も然り。

2007年にリマスターされた際にこのアルバムには2曲のボーナス・トラックが追加された。
その内の1曲がボウイ・カバーの『SOUL LOVE』。何を思ってカバーしたのか解からないが
この曲のアレンジは興味深い。ミック・ロンスンのアルバム『PLAY DON'T WORRY』が初CD化
された際にこれもボーナス・トラックとしてボウイ・カバー『STONE LOVE(SOUL LOVE)』が
収録されたのだが、両者のアレンジが似通っているのが面白い。75年12月録音のロンスンの
バージョンもリアル・タイムで世に出なかったのだが、このアイディアを捨て切れなかった
ロンスンがマッギンに録音を促したのかもしれない。全ては私の想像の域なのだけど。
今回のボウイ・カバー集にはそんな経緯もあって?マッギン・バージョンを採用した。

昨年『PLAY DON'T WORRY』が再発された時はボーナス・トラックが9曲も追加されて
また買いなおすことになったのだが(笑)、今回追加された『LIFE ON MARS ?』は
ボウイ・カバーでなく同名異曲であった・・・・。
コメント
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