HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

あなたも私もブルーズが好き

2010-06-18 19:57:52 | 日本のロック・ポップス
掲載写真は有山じゅんじの最新アルバム「有山岸」。タイトルからわかるように今回は
山岸潤史とのデュオ・レコーディング。潤沢な予算など用意されていないであろうが(失礼)、
二人の手足れの演奏は録音の進行を容易にしたに違いない。
ボーカルの弱い曲が無いことも無いが、それが一つの味になっているし、インストの
出来は気持ちいいことこの上ない。「ろっかばいまいべいびい」の演奏には細野晴臣が
ベースとボーカルで参加している。二人の人脈からは辿り着かないようなイメージがあるが
このゲスト参加が嬉しくないわけがない。
添付されたDVDにはレコーディング風景やインタビュー、更にはアルバムに収録されていない
演奏が46分収録されている。「梅田からナンバまで」のスタジオ・ライブには、今回も
胸ときめいてしまった。

正直なところ、昔から洋楽指向かつテクニック至上主義的な日本のバンドは得意ではない。
そんな中でフラワー・トラヴェリン・バンドを今でも好きなのは、彼らのオリジナリティ故だし、
ブルーズ指向のバンドだと憂歌団やダウンタウン・ブギ・ウギ・バンドを好きなのも
同じ理由からだ。つまり日本のロック黎明期のあんなバンドやこんなバンドの人脈には
今も昔も興味が無いので、今回は個人的に不安もあったが、アベレージをクリアするのは
流石は有山と言わざるをえない。

93年3月号のギター・マガジン誌はブルーズの大特集だった。ギタリストが選ぶ「ブルーズを
感じるギター」ベスト5という特集があって、藤井一彦(グルーヴァーズ)が選ぶベスト5が
掲載されているのだが「あんまり勉強しちゃダメだよ。そういうギターはつまんねえから。」
という正にその通りのコメントが実に格好良い。
ちなみに藤井一彦が選んだ5曲は下記の通り。

1.LET'S GO GET STONE / LOWELL FULSON
2.TALK TO MY BABY / HOUND DOG TAYLOR
3.BOOGIE CHILLEN #2 / JOHN LEE HOOKER
4.SWEET PAPA LOW DOWN / BLIND BLKE
5.GEORGIA BOUND / 有山淳司

有山の演奏する「GEORGIA BOUND」はライブでは定番曲の一つだが、レコードやCDでは聴くことが
出来ない。(間違いだったらすみません)オリジナルはブラインド・ブレイク。4でブラインド・
ブレイクを挙げたので、5の曲に関して有山の名前を出したのかもしれないが、何れにしろ
実に渋い選曲で人選だ。
ちなみに同じ特集で有山は憂歌団の「嫌んなった」と吾妻光良&ザ・スウィンギン・バッパーズの
「歳には勝てないぜ」を5曲の中に挙げている。
タイプの違う有山と藤井だが、私の好きなギタリスト二人が渋くて楽しいところを選んでいると
意味も無く嬉しくなってしまう。

あなたも私もブルーズが好き。
本当はどっちかというと、レゲエの方が好きだけど。(笑)
コメント (6)
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