HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

2007年総括 その2

2007-12-29 21:33:34 | ROCK
続いては「映像部門」である。

基本的に初登場タイトルを重視した。
ツェッペリンの「狂熱のライブ」ジミ・ヘンドリックスの「モンタレー」、
シン・リジーの「ライブ&デンジャラス」は未発表の映像を含む
内容のいい再発だったが、選外となった。
「ヘイル・ヘイル・ロックンロール」も初DVD化だったが、
最初2枚組だったのが、1年経たない内にボリューム・アップした
バージョンが出たことが腹立たしかったのでやはり選ばなかった。
結果として次の10枚を選んだ。

BOB DYLAN / THE OTHER SIDE OF THE MIRROR(掲載写真左)
NEIL YOUNG / HEART OF GOLD(掲載写真右)
T.REX / T.REX ON T.V.
PAUL McCARTNEY / McCARTNEY YEARS
ROXY MUSIC / THE THRILL OF IT ALL
TIM BUCKLEY / MY PLEEDING HOUSE
RORY GALLAGHER / ROCKPALAST
V.A. / STAX/VOLT REVIEW LIVE IN NORWAY 1967
BRYAN FERRY / DYLANESQUE LIVE
THE ROLLING STONES / THE BIGGEST BANG

ボブ・ディランとニール・ヤングが1位と2位というのは何だか
出来すぎである。(笑)
ディランのニューポート・フォーク・フェスティバルでの映像を収録した
「THE OTHER SIDE OF THE MIRROR」は63年から65年のたった3年間の間に
激変したディランと、変化にとまどう聴衆の対比が面白く、音楽はもちろん
ドキュメントとしても優れた1本。「ノー・ディレクション・ホーム」で
断片的に使われた映像が、どの曲も完奏する形で収められているとなると、
次は「アレ」を期待するなというのが無理。(笑)
「DON'T LOOK BACK」のデラックス・エディションとの合わせ技を使って
アーティストとしてディランが映像部門のダントツ1位。

ニール・ヤングは2005年に映画化されたもののDVD化。
さすがはかつてトーキング・ヘッズの「STOP MAKING SENSE」を撮った
ジョナサン・デミである。全く無駄のないカメラ・ワークで見る者を
どんどん画面に惹きこむ。最近は新譜を買っても数回聴いてしまってしまう
ことが多いのだが、この映画はまた「プレーリー・ウインド」を
聴こうとする気にさせる。90分に及ぶ特典ディスクの映像を見れば
監督の意図がおぼろげながら見えてくるような気にもなる。

スタックス・ヴォルト・レビューが初DVD化なのは意外だった。
ブッカーT&ザ・MGズ、マーケイズとバックが徐々に揃ったところで
アーサー・コンレイが登場するというのは、今見てもわくわくする。
この中ではエディ・フロイドが選曲が地味で損をしているが、
続くサム&デイブ、オーティス・レディングの迫力はどうだろう。
まさに満を持しての40周年に相応しいリリース。

ストーンズはカメラが多すぎて落ち着いて見る事ができないのが残念。
ライブ映像よりドキュメンタリー部分が面白く思えるのは本末転倒。
これを編集したヤツはニールの「HEART OF GOLD」を見て猛省すべし。
私はストーンズ者なんだけどなぁ・・・。(笑)
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2007年総括 その1

2007-12-29 18:15:31 | ROCK
慌しく年末を過ごすのは例年のことだが、今年は仕事を抜ける日が
3日ほどあったので、尚更「あっという間に」という感が強い。
それでは、当ブログ恒例の「HARRY'S ROCK AND ROLL VILLAGE認定
ロック大賞」の発表を。

まずは「いけない部門。」(笑)
ブートレグとして商品化されたものの中から気に入ったものが対象なのだが
このジャンルの価値は人によって、ますます曖昧になってきていると思う。
ダウンロードやトレードで済ます人には全く無価値かもしれない。
とりあえずは私が気に入ったブツというこいとで単純にまとめたい。
当然、高額物件が多いジャンル(笑)なので、ほんの一握りのブツしか
入手していないわけだが、それでも忘れられない物が幾つかある。

レッド・ツェッペリンの73年1月22日サウスハンプトン大学での
ライブ音源は、軽い眩暈がするくらいの衝撃だった。73年に限らず
ツェッペリンのSB音源は山ほどCDで聞けるが、なんとなく73年は
卓直結のレンジの狭いSB録音物の印象が強いせいもあって、今回の
クリアな音質は「マルチ・トラックからのミックス」というふれこみ通りの
素晴らしい音だ。セット・リストも気が利いている。

年も押し迫ってとんでもないブツも登場した。
「CONCERT VAULT」で聴くことが出来たが、プレスCDでしかも廉価であるのが
購買意欲を搔き立てたのがザ・フーの73年12月4日フィラデルフィアと
その2日後のラーゴ公演を収録した物(掲載写真左)。
前者は昔から「TALES OF THE WHO」という定番ブートにもなった音源だが
今回は圧倒的ボリュームの完全収録。
ラーゴにいたっては全て初登場音源だ。ラーゴはザ・フーのファンクラブに
入会した人のための特典CD「VIEW FROM A BACKSTAGE」に3曲が収録されたが
早くもその完全版を聴くことができるわけだ。
『トミー』は発表から今に至るまで多くの曲が演奏され、良い録音のものが
多くあるが、73年の『四重人格ツアー』はフィラデルフィアくらいしか
音がいいのがなかったので、今回のラーゴ音源は多くのザ・フーのファンに
歓迎されるだろう。

ほぼ同時期に出たソフト・マシーンの71年3月21日ブレダでのライブは
SB録音というのは勿論だが、ロバート・ワイアットの研究本として
名高い「ロング・ムーヴメンツ」でも日付が明確でなかった日のライブの
会場と日付が確定したというだけでも価値がある。


「CONCERT VAULT」のおかげで様々なアーティストの高音質のライブを
聴くことができるようになったのは何度も書いたが、おかげでまさかキンクスの
ブートレグを5種も買うことになるとは思わなかった。初期はいい音のブツが
少ないエアロスミスの75年のライブや音源自体が少ないJ.ガイルズバンドは
お宝そのもの。
ただ、フーにしろキンクスにしろブートレグの数は多い。
よって目新さも考慮して、今年の「いけない部門大賞」はブライアン・
フェリーの77年6月23日ボトムラインでのアーリー・ショーと
レイト・ショーを収録した「BY THE TIME FERRY REACHED」(掲載写真右)に。

選曲・演奏ともにまさにベスト・オブ・ブライアン・フェリー。
やっぱりポール・トンプスンのドラムスでないと、という思いを強く持った
ライブ盤でもある。「A HARD RAIN'S A-GONNA FALL」では曲の途中でメンバー
紹介があるのだが、これが面白い。メル・コリンズを中心とするホーン・
セクションが紹介されるとジェームス・ブラウンの「AIN'T IT FUNKY」の
フレーズをユニゾンするのだが、これがえらく格好いい。
続いて紹介されるクリス・スペディングが強引にチャック・ベリーの
「LITTLE QUEENIE」で切り込んでくるのが笑える。
フィル・マンザネラとクリス・スペディングという二人のギタリストの
見せ場がちゃんとあるのがどちらのファンにも嬉しいところ。
それにしても、ライブの最終曲が「PRICE OF LOVE」というのが驚き。

映像部門はデヴィッド・ボウイの「1980 FLOOR SHOW OUTTAKES」ということで。
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