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HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

それなりのレゲエ

2015-12-18 13:31:08 | REGGAE

今年入手したものの取り上げてなかったCDの総ざらえ、というのは大袈裟なのだが
とりあえずの総括モードということで。

       

グレゴリー・アイザックスの「SLUM IN DUB」は78年の盤で、同年リリースの
有名盤「COOL RULER」からの曲を中心に据えたダブ・アルバム。CD化は初では
ないが私は未所持であったので、約20年ぶりの再発を機に入手。歌唱はほぼ無いに
等しいのだがプロデュースそのものをグレゴリーが手掛けているので、そういう名義に
なったのだろう。地味ながら渋い1枚。

グラッドストーン・アンダースンの82年盤「SINGS SONGS FOR TODAY & TOMORROW」は初CD化。
2枚組でディスク2は同盤のダブであるルーツ・ラディックス名義の「RADICAL
DUB SESSION」がセットであるのが便利。ダブも初CD化。ジャケットは「SINGS SONGS・・・」であるが、
見開き中ジャケに「RADICAL DUB SESSIONS」のジャケットの表裏が印刷されている。

      

キース・ハドスンの「TUFF GONG ENCOUNTER」は84年にウェイラーズ・バンドと
録音した未発表作のCD化。キースが没するのは84年で最後の録音と考えることが
できる。併聴すべきは78年の「RASTA COMMUNICATION」。LP盤では分売された
「TUFF GONG ENCOUNTER」とそのダブ「JAMMYS DUB ENCOUNTER」であるが
CDでは両者が1枚のCDに収録されている。

レッド・ローズ&キング・コングの「TWO BIG BULL IN A ONE PEN」はキング・
タビーのデジタル路線を代表するアルバムで86年のリリース。本来ならあまり興味が
無い時代の音なのだが、これはジャケ買い。(笑)初めて聴いたのだが二人の
ボーカリストの歌唱がスムースで意外と聴きやすい。ジャケット写真もタビーの手に
よるもの。

レヴォリューショナリーズのLPは同時購入のブツが難儀して(笑)まだ未着。
今年は例年になく良質な再発や発掘が多かったように思える。
ま、いい年だったということですね。(笑)

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LOVE ATTACK

2015-11-27 00:04:39 | REGGAE

    

掲載写真右はレヴォリューショナリーズ名義で78年にプレスされた「MUSICAL
DUB ATTACK」のCD。78年当時はプロモーション用に配布された盤のみが存在し
ジャケットはなくレーベルに曲名表記も無かったのだが、今回のCD化に際し
新たなジャケットが用意された。

掲載写真左はI ロイが76年にリリースした「MUSICAL SHARK ATTACK」。
「MUSICAL DUB ATTACK」はこの盤のダブであるので、オリジナルのトラックを
担当したレヴォリューショナリーズ名義というわけである。それにしてもオリジナルの
イメージを踏襲したなかなか洒落たデザインである。

I ロイはディージェイなので、既存のトラックを生かしてそこに絶妙のトースティング
を被せる。それを更に使いまわしてダブのレコードを作るのだから、レゲエの世界は
奥深く鷹揚である。(笑)

I ロイのアルバム自体が素晴らしい出来で、鋭いリズムにスムースな喋りが重なり
聴き応えがあり、そのダブも大技炸裂とまではいかないが、こちらもシャープに
仕上がっていて、ここは両方揃えるのが筋というものだろう。

レヴォリューショナリーズといえば、「DUB OUT HER BLOUSE & SKIRT VOL. 1」
と「DUB OFF HER BLOUSE & SKIRT VOL. 3」がLPでリイシューされた。
CDでの再発が無いようなので、これはLPを手にするしかあるまい。
この2枚のダブは強烈なので抜かりなくいくしかあるまい。ジャケットもいいし。
それにしても何故「VOL.2」を飛ばして「VOL.3」なのだろうねぇ。

おっと、さっきレゲエは奥深く鷹揚だと書いたばかりだった。(笑)

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HANDSWORTH EXPLOSION

2015-09-15 22:05:20 | REGGAE

英国には名前に「BLACK」が付くレゲエのグループが幾つかある。例えば、
ブラック・ユフルにブラック・ルーツ、ブラック・スレイトにブラック・サバス。
あっ、一番最後のは違うか。(笑)

掲載写真はバーミンガムに拠点を置いたレーベル、ブラック・シンボルから80年代に
リリースされた2枚のコンピレーション盤「HANDSWORTH EXPLOSION VOL.1」と
「同2」を2イン1で再発したCD「THE COMPLETE HANDWORTH EXPLOSION」。
ブラック・シンボルというのはレーベル名であり、またレーベルを運営した中心人物
ファットマンによるグループ名でもある。

そういえば、ブラック・サバスはバーミンガム出身のバンドである。
あっ、やっぱり関係ないか。(笑)

昨年LP盤で再発され、マイナーというには余りに素晴らしくもクセのあるサウンドと
複数バンドが収録されているにも関わらず、どのバンドのクオリティーも高いという
ことで話題になっていたが遂にCD化である。
ダブの効いた直球ド真ん中のレゲエがあればラバーズやディージェイもあり、その
どれもが聴き応えがあるのだから堪らない。

ここに収録された幾つものバンドの中で、同じ再発レーベルであるREGGAE ARCHIVE
RECORDSからブラック・シンボルとセプターが単体で先にCD化されている。

        

セプターの盤は84年の「ESSENCE OF REDEMPTION INA DIF'RENT STYLE」。
男女二人のボーカリストがいる異色の編成であるが、ボーカル・グループでなく
男性がベース、女性がギターを担当するボーカル&インストバンドである。

ブラック・シンボルは当時の12インチや7インチ、先のコンピレーション盤から
16曲を収録した編集盤で、バンド名をそのままCDのタイトルにしてある。
80年代のリアルタイムではアルバムを残していないので、こういった形の編集盤でも
編んでもらえないと素晴らしい仕事の数々になかなか目が届かないので、これは
有り難い盤である。

レーベルとしてのブラック・シンボルの音は、商品レビューではワッキーズと
比べられることが多く、聴いて「なるほど」と思った方もいるはずで私もその一人。
ニューヨークの喧騒の地下で生まれた渇いたワッキーズの音に、英国ならではの
湿り気を加えたと言えば、当たらずとも遠からずであろう。
この独特の音が今更のように世に放たれたのだから、この機会を逃すことはない。

そしてもう一度「THE COMPLETE HANDWORTH EXPLOSION」に立ち返り、
ベンジャミン・ゼファニアが歌う『STOP THE WAR』の歌詞に耳をすます。
上手く聞き取れないが「NO MORE JAPAN」という件は核の使用を危惧している
のだろうか。天災で死ぬのは嫌だが、それが人災だとなおさらである。
身近に苦しんでいる人がいると、着地点が不明瞭な夜もある・・・ということだ。

再び話戻って(笑)ブラック・シンボル。
男のシンボル、女のシンボル。こいつで今宵も世界征服。(笑)
酔いが回って、やっと明瞭な夜になったぜ。(笑)

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追悼 リコ・ロドリゲス

2015-09-06 00:10:05 | REGGAE

リコ・ロドリゲスが9月4日に死去した。享年80歳。

ドン・ドラモンドと同じく、私にトロンボーンという楽器の面白さを教えてくれた
人である。ロック者にはスペシャルズとの活動が記憶に残っているはずだ。

スペシャルズのPV『MESSAGE TO YOU RUDY』を最初に見たときはテリー・ホールや
ジェリー・ダマーズにしか目がいかなかったが経験値を上げてリコ・ロドリゲスの
姿を見つけて大いに喜んだのがついこの間のことのようだ。

掲載写真は07年に来日しクール・ワイズ・メンをバックに従えて上野水上音楽堂で
行った演奏やインタビューを収録したDVD「RICO RODRIGUEZ MEETS COOL
WISE MEN」。このとき既に73歳。歌唱に多少のヨレはあるが、それはそれで
味わい深いものであるし、なにより強靭なバックの演奏に支えられてトロンボーンを
吹いているというその事実だけで素晴らしいことである。リコの映像を正式にリリース
したのは日本くらいなもので後年の姿とはいえ、それだけリコが日本のファンに愛された
ということなのだろう。

このDVDでのインタビューで「私はスカタライズのメンバーではなかった。」と
本人の口から語られたのを見たときに「あっ、そうなんだ。」と驚いた記憶までが
今更のように蘇ってきた。

R.I.P. RICO .

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REGGATTA MONDATTA

2015-08-22 08:29:22 | REGGAE

       

13年8月の当ブログでレゲエ・ミュージシャンによるグレイトフル・デッド・
トリビュートを取りあげたが、今回は同趣向のポリス・トリビュート盤。

デッド・トリビュート盤は96年と97年にリリースされたのだが、おそらくはその
企画が当たったことを受けて製作されたであろう、掲載写真の2枚は97年に最初の
1枚が、翌年に続編がリリースされた。

ポリスのセカンド・アルバムは「白(白人)のレゲエ」をタイトルとしたものだった
ことを例えに出すまでもなく、初期のポリスはレゲエを取り入れたリズムの曲を
多く世に出した。それを本家本元のレゲエ・ミュージシャンがカバーするというのは
何とも面白い。

デッドの時と同じく参加した面子は豪華。マキシ・プリーストやシャインヘッド、
ビッグ・マウンテンといった80年代後半以降に人気を博したミュージシャンが
参加しているのが「時代」を感じさせる。アスワドやスティール・パルス、サード・
ワールドにインナー・サークル、トゥーツ&ザ・メイタルズといったロック者にも
通りの良い名前もある。

一際渋いのがビム・シャーマンが歌う『BRING ON THE NIGHT』で、エイドリアン・
シャーウッドのミックスの冴えが控えめなダブの要素と相まって秀逸。

ポリスの一番売れたアルバムは多分83年にリリースされた最後のオリジナル・アルバム
「SYNCHRONICITY」だろう。件の盤を名盤と持ち上げる向きが多いが、個人的には
全くそうは思わない。個人的にアルバムを聴く時もほとんどがB面だけを聴いて終わる。
スロー・テンポの曲が苦手な私であるが、アルバム「SYNCHRONICITY」はB面を
聴くための盤だと思っている。勿論わざと極端な書き方をしている(笑)のだが。

今回の2枚のトリビュート盤に収録されたポリスの曲は21曲(スティングのソロが
1曲あるので2枚合計で22曲収録)なのだが、アンバランスなことに「SYNCHRONICITY」の
A面収録曲はカバーされていない。『WALKING IN YOUR FOOTSTEP』あたりは
取り上げられても良さそうだが、結果はこうである。
ま、その話はいいか。(笑)

2枚ともレゲエであることが一目でわかる秀逸なジャケットであるのが良い。
中古で安く見つけたら(私です)その時は是非。今更のようにポリスっていい曲が
多いなと思う晩夏の候・・・・。

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第一面のレゲエ

2015-07-17 04:29:56 | REGGAE

        

セルジュ・ゲンスブールは79年から81年の3年間で、ライブ盤を含む3枚のレゲエ・
アルバムをリリースしている。その集大成ともいうべき組物が2種リリースされた。

何れも3枚のCDを収めている10インチ・サイズのハード・カバー本のような装丁で、
フランス語と英語で書かれたライナーと当時のレアな写真が28ページにわたって
掲載されている。

左の「GAINSBOURG & THE REVOLUTIONARIES」は3枚のディスクにそれぞれ
先に書いた3枚のアルバムを収録し、ライブ盤を除く2枚にはボーナス・トラックの
ダブが収録されている。スタジオ盤の「AUX ARMES ET CAETERA」と「MAUVAI
SES NOUVELLES DES ETOILES」は04年に2枚組CDとしてダブを大量に
含んだDX盤が出ているが、そこにも未収録の初登場トラックが8曲ある。

以前も書いたが、レボリューショナリーズ&アイ・スリーズがバックを担当した
スタジオ盤は、純粋に何処に出しても恥ずかしくないレゲエ。ゲンスブールの最早
歌唱とはいえない(笑)呟きは粋な大人のディー・ジェイと思えば何の違和感も無い。

ライブはスタジオ盤より強烈な磁場を作り出していて、アイ・スリーズこそ不在だが
ここでの強靭な演奏を聴けば、レゲエという音楽が如何にタフであるかということを
思い知る。

思えば最後のレゲエアルバム「MAUVAISES NOUVELLES DES ETOILES」は
コンパス・ポイント・スタジオでの録音である。英米のミュージシャンより一歩遅れて
76年のアルバム「L'HOMME A TETE DE CHOU」でレゲエに取り組み『MARILOU
REGGAE」を録音したゲンスブールであったが、アルバム1枚をまるまるレゲエで
統一した白人はゲンスブールが初めてではなかろうか。トーキング・ヘッズに先を
越されたというか、彼らの動向を意識したかどうかは知らないが、その後大ブームに
なるこのスタジオを早い時期に使用したというのもゲンスブールらしい。
尤も、AC/DCに後れをとっているが。(笑)

掲載写真右は「GAINSBOURG IN DUB」と題された3枚組。4曲を除いて全て
2015年に初登場のトラックである。ダブの製作はスタジオのエンジニアや
プロデューサーが中心になるので、オリジナル・トラックを録音したバンドや歌手の
あずかり知らずになるケースが多いのだが、今回のダブもゲンスブール云々を意識せず
スピーカーから飛び出る音の気持ちよさに耳を委ねればそれでいいのだろう。

何れにせよ、酒も煙草も女性も音楽も好きな私はゲンスブールに憧れ続けるのだが
彼の諸作を耳にする度に憧れは増幅し、追いつけない理想像の大きさと掴もうとすれば
遠ざかる幻影に抗うべく酒を飲むしかないのであった。

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NATTY REBELS

2015-07-07 00:05:15 | REGGAE

コートジボアール出身の有名人と言われて最初に思い浮かぶのは、ディディエ・
ドログバである。(おいおい、昨日と同じ流れか)中国やトルコのチームに在籍
したこともあるが、やはりチェルシーでの活躍が一番であろう。幼少期にフランスに
移住していたがフランス代表でなく母国であるコートジボアールの代表としてチームを
牽引したことも前回のW杯を想起するまでもなく記憶に残る。

ではミュージシャンだと誰を思い浮かべるか。これはもうアルファ・ブロンディしか
いない。アフリカ音楽に造詣が深い方なら別の名前が出てくるかもしれないが、
西アフリカからワールド・ワイドにメッセージを発したレゲエ・ミュージシャンとして
レゲエ好きの私には、この名前しか浮かばないのであった。

掲載写真は82年のデビュー盤「JAH GLORY」。初めて何の気なしに聴いた時は
歌詞が英語でないことに驚いたものだ。いや、英語でないことは本来なら当たり前
なことなのだけど、「洋楽は英語の音楽」と意識もせずに捉えている人も多いだろう
から、単に私が間抜けであるということも無いのだろうけど。(笑)

多言語で歌うという事は、彼のメッセージがより多くの人に伝わることを目的と
している。白人至上主義やアフリカでの政治混乱、宗教問題に至るまで様々な問題が
取り上げられるのだが、これらの歌詞が欧州やアフリカ以外の諸国でどれほど
聴かれているかと思うことはある。そういう私自身も正直なところ、恥ずかしながら
何を歌っているのかさっぱりわからない。せめて英訳(笑)でも記載されていれば
とも思うが、具体的時事問題に言及することも多いアルファの盤はリアル・タイムで
聴かれなければならない。

それでも、アルバムは耐久性のあるトラックで構成されているのと、世界は未だに
問題だらけなので、こうして普遍性を持って聴くこともできるわけである。

ポピュラー・ミュージックでありながら政治的メッセージを有効に伝えることが
できるのがレゲエの魅力である。しかし、それは他のジャンルでも普通に行われて
然るべきではないかとも思う。

アイドルに何を要求するのか、それは買い手・聴き手の都合(更にはそれを見越して
の売る側の都合)によるのだろうが、本人たちの意思がしっかりしたものなら
アイドルが政治的メッセージを発しても不思議ではない。それを不快に思う方が
狭量ではないだろうか。

見解の相違(笑)でグループを脱退するメンバーが出たりしたら、それこそ面白い。
来年の参議院議員選挙公示日以後に公示される選挙から選挙権年齢は18歳になる
ことが予定されている。つまり18歳になるまでに、今の大人たちが18歳だった
時以上に見聞を広めなければならないはずなのだから、年端のいかない子供の
表現の幅は広がっても不思議ではない。

アンファン・テリブルの出現を恐れてはいけないのだ。

おっと、話が大幅にそれた。(笑)そうは言っても酔っ払いの爺にレゲエのリズムが
気持ちいいことは不変なので、快楽主義者の私は小難しいことは片隅に留めて
アルファ・ブロンディを聴けばいいのだろう。

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OH POLITICIAN

2015-06-29 08:59:08 | REGGAE

       

キャピタル・レターズが82年にリリースしたセカンド・アルバム「VINYARD」が
再CD化された。04年にCD化されていたのだが、オリジナル・アルバムがドイツの
レーベルからのリリースということもあってかドイツでのCD化であったために
入手は難しかったので今回のCD化は大歓迎。

掲載写真左が今回のCDのジャケットで、右はオリジナルLPのジャケット。
全くデザインが違う新装ジャケであるが、それはまあいいか。(笑)

79年のファースト・アルバムにあった切迫感や強烈なリズムというものから
解放されたかのような物憂げな歌唱とそれを際立たせるコーラスの冴えが、硬派な
バンドが歌う歌詞をより際立たせる。

今回の復刻では3曲のジョン・ピール・セッションでの演奏と4曲のファースト・
アルバム「HEADLINE NEWS」録音時の曲を聴くことができる。4曲ともセカンド・
アルバムや80年の4曲入りEPに収録されなかった曲なのだが、どれも素晴らしい
出来で、よくぞ発掘してくれたとしかいいようがない。ライブで聴くことが出来る
バンドの演奏能力の高さにも感動する。

      07年に再発された「HEADLINE NEWS」
は2枚組でディスク1にはボーナス・ディスクとして3曲の12インチ・ミックス
が収録され、ディスク2には80年のEP「BREAD AND WATER」が収録されている。
これも実に気の利いたリイシューであった。

こういうアルバムこそ、日本盤でリリースされるべきだろう。レベル・ミュージック
としてのレゲエの側面を置き去りにすることのほうが、販売戦略上今の我が国の
レゲエ・シーンを支える上で望ましいのかも知れないが。

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STRONG LIKE SAMPSON

2015-06-05 00:04:21 | REGGAE

79年から80年にかけて、僅か2年の間に12インチのみ20数枚をリリースした
リンヴァル・トンプスン主催のレーベルがSTRONG LIKE SAMPSON。
そこに残された音源をCD2枚に亘り18曲収録したのが掲載写真のCD。

12インチ音源の再発なんていうのはこういったコンピレーション企画でもない限り
難しいので、こういう機会にまとめられると手軽に聴くことができて非常に有難い。
レーベルのシンボル・マークをジャケットに使用したデザインも気が利いていて
気分が盛り上がる。

長時間のリズムの継続が生み出す快楽。長時間の快楽のために施された様々の仕掛け。
仕掛けは時に過剰に増加したり極端に抜かれたりする。その面白さが詰まったのが
サウンド・システムで鳴らされる12インチなのだから、それを集めたCDが面白くない
わけがないのだ。

ディージェイ物は得意ではないのだが、フレディー・マッケイやバーリントン・リーヴィ
の歌唱の冴えを聴くことができるのは嬉しいところ。できれば全12インチを収録した
4枚組でも一向に構わなかったのだけど。(笑)

強さの秘密に、髪に刃物をあてないことが理由の一つとして挙げられた伝説の男、
サムソン。このレーベルに描かれたサムソンは、ジミー・スヌーカみたいで好き(笑)
なのだが「サムソン」という言葉の響きには、良い印象を想起させるものは個人的には
皆無である。そんな人にも聴いてもらいたいCDではある。

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BLUE BEAT

2015-05-11 00:42:45 | REGGAE

    

ロンドンの再発レーベル「REAL GONE MUSIC」は時々ドキっとするような物を
リリースするのだが、コンピレーション物のジャケット・デザインは大雑把で購買意欲を
削ぐ。(笑)しかしながら、掲載写真の2セットは勢いで手にした。

これまでも3枚組のセットで数種のリリースがあったのだが、それらを手にしていなかった
ことや価格が異常に安いこともあって、この4枚組2セットは気になっていたのだ。

ブルービートは60年に英国に設立されたレーベルで、ジャマイカでレコーディング
された音楽をリリースした。基本になっているのはリズム&ブルースやスカ、或いは
メントといったレゲエ前史の音楽であるが、ここで紹介された音楽が後に英国で
レゲエが広く聞かれる土壌を作り上げたという意味でも特筆すべきレーベルである。
あの、アイランド・レーベルより2年も前に設立されたというところからも由緒正しく
パイオニアというべきだろう。

そんなブルービートのシングルの両面を型番1から48まで(13は欠番)をVOL1に
49から96までをVOL2にこれでもかと収録してあるのだが、このセットには詳しい
解説など全くなくリア・ジャケに細かい字で記載された曲名とミュージシャン名を
追いながら聴くのが精いっぱいといったところ。

それでも音質は上等で、ダンス・ミュージックとして楽しむも良し、民族音楽としての
側面を掘り下げるも良しの好コンピレーションであるのは間違いない。
ところで、気になるのは続編があるのかどうか、である。

60年にリリースされた最初のシングルの型番はBB1であるのだが、67年までに
出されたシングルはBB403まで続く。もし、これが最後までCD化されたら
快挙以外の何物でもないのだが、それまでゆっくりとこのコンピレーションを
聴き続けようと思う。


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THEM BELLY FULL BUT WE HUNGRY

2015-02-20 21:54:56 | REGGAE

               

昔からブートレグの定番であった、ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズが78年6月8日に
ボストン・ミュージック・ホールで行ったコンサートがCDとDVDのセットで登場した。

78年3月にボブはアルバム「KAYA」を発表しているが、ここで聴くことのできる音は
「KAYA」の雰囲気を全く反映していない。もともと「KAYA」収録曲は前作「EXODUS」
録音時のものであり、アルバムが製作された経緯も、怪我でアメリカ・ツアーをキャンセルし
手術後の療養時期に編集したという微妙な時期でのものである。

アルバムの直接的なプロモーションの意味合いより、レベル・ミュージックの提示を
重視した結果、選曲は自ずと過去の代表曲が優先されたということだろう。
実際、ここで聴くことのできる演奏は緊張感ある充実したものだ。

今回のCDは、ブートレグで聴くことができた通りの曲が収録されている。問題はDVDだ。
全13曲中、DVDに収録されたのは7曲。しかも、ずっとコンサートの映像ではなく
頻繁にアニメーションが挿入される。

映像自体もアングルが単調なのだが、マーリーのHPによると撮影は最前列のファンが
手持ちカメラで撮影し、テープが切れた部分(つまりは撮影されていない部分)に
アニメーションをはめ込んだということらしい。

このアニメーションがお気楽極楽な感じで、確かに「ピースでハッピー」(笑)な絵で
これを許容できるかどうかが、今回の映像の好き嫌いに直結するかもしれない。
私は個人的には苦手であるのだが、素人が手持ちカメラで撮影(それほどブレは感じない)
した生生しさが素敵なので、DVD自体を否定するものでもない。ただ、当然だけど
アニメなんか差し込む余地がないように全編撮影されていたらなぁとは思う。
いや、アニメを入れるくらいならステージ・ショットやボブの近影とかの静止画でも
良かったのにとも思ったり。

演奏は間違いなく素晴らしいので、音だけでも確認するために購入しても損はないだろう。

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HEAVY WEIGHT CHAMPION

2015-02-19 20:38:15 | REGGAE

       

最近のプロレス界の動向には全く疎い。最早興味がないといってもいい。
それでも、10代の頃は熱心にテレビを見ていたし、雑誌もそれこそ音楽誌と同じくらい
熱心に読んでいた。

かつてプロレス界には「3大世界タイトル」というのがあった。WWFはNWA傘下の
時代は「世界」の冠が取れた時期があったが、それでも「NWA」「AWA」「WWF」が
3大タイトルであったことに異論はないだろう。
80年代末にNWAがWCWに吸収された時点でタイトルの価値は大きく変わるのだが
それは私がプロレスへの興味を失った時期と重なる。

80年代末までに世界3大タイトルを手にした日本人は3人しかいない。そのうちの
一人であるジャンボ鶴田がAWA世界ヘビー級のベルトを奪取した試合を、私は実際に
蔵前で見た。プロレス初体験であったのだが、今思えば凄い試合を見たものだ。

他の二人は猪木と馬場なのだが、3人の共通点はタイトルを日本で取ったことであり、
鶴田が他の二人と違うのは、ベルトを返上することなく、また日本での防衛選に失敗
することなく海外で防衛戦を行えたということだ。今では「ブック」なんて言葉が
広く知られてしまい何が起こっても出来レースのように捉えられてしまうが、子供心に
「夢は果てしなかった」時代の出来事は今でも思い入れたっぷりに思い出してしまうものだ。

戯言が長くなった。(笑)

掲載写真左はサイエンティストが師匠ともいえるプリンス・ジャミーと、バーリントン・
リーヴィの曲を使ってダブ対決したアルバム「BIG SHOWDOWN」。
どのよう集計したのかわからないが、レコードを買った人が本当に勝者を決める戦いで、
サイエンティストが勝利した。

勝者にはもう1枚アルバムを作る権利が与えられ、掲載写真右の「HEAVY WEIGHT
DUB CHAMPION」がリリースされた。ジャケットを見ればわかると思うのだが、
どっちが勝者だったにせよ、このリリースの流れは面白い。

プロレスでいうと、例えば開幕戦でタイガー・ジェット・シンがタッグ・マッチで猪木を
傍若無人に痛めつけ、遺恨を深めて最終戦のシングル・マッチで対決するという、大河
ドラマ的(笑)流れである。

実際に「BIG  SHOWDOWN」を聴けば、奇数番号に配されたサイエンティストの
手がけたトラックの方が、確かに冴えているように思える。

しかし・・・。

80年に勝利したサイエンティストであるが、80年代中盤以降はプリンス・ジャミーが
中心となって仕掛けられたレゲエのデジタル化が主流となってしまう。
両者の対決から35年経った今、歴史を振り返りながら火花散らした対決盤と
勝者の栄光盤を、思い入れたっぷりに聴くのも楽しいものである。
時の流れを誰が知る・・・・。

   ただ、今回の「BIG SHOWDOWN」の
再発はジャケットがいただけない。元々のジャケットはちゃんとサイエンティストと
プリンス・ジャミーの双頭盤であることが明確なのに、今回のジャケットは、まるで
サイエンティストの単独アルバムのようで、それがちょっと気にかかるところだ。

さて、話戻ってプロレスの話。
90年代以降のタイトルの動向に興味は無いのだが、唯一マサ斎藤がAWAチャンピオンに
なった時は嬉しかった。マサがAWA圏内で残した功績を思えば遅すぎた感もあったが・・・。

コメント (4)
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IROKO IROKO

2015-02-17 19:15:40 | REGGAE

       

掲載写真左はウィンストン・ジャレット&ライチャス・フレームスが77年に発表した
「MAN OF THE GHETTO」。かつてCD化されたことがあるが、昨年の再発は
オリジナル・ジャケットでの復刻を謳って再発されたもの。ジャレットの単独名義での
デビュー盤で、ボブ・マーリーを尊敬する彼らしい、見た目とは違った(失礼)端正な
歌唱を聞かせる。

掲載写真右はフレディー・マッケイが83年に発表した「TRIBAL INNA YARD」。
演奏、製作、音響調整が順にルーツ・ラディックス、リンヴァル・トンプスン、
サイエンティストと、三役揃い踏みなのだが英国のマイナー・レーベルからのリリース
だったせいか、ほとんど知られていない盤。大抵のレコード・ガイドには載っていないはず。

まあ、「レゲエの盤はほとんどがレア盤」という私個人の勝手な法則(笑)通りの
2枚で、この機会を逃せばまたしばらく聴くことはできないだろうという思いで
昨年購入した。ズバリ、2枚とも好盤で入手して損は無かった。

ただ、最近は再発レーベルが大手でないこともあってか、この手の盤は売切れになるのも
早く、最早国内の通販網では簡単に新品を手に入れることが難しいのが現状だ。
多分、どちらも発売から2か月以内に品薄、売切れになったと思う。

久しぶりに「見たら買え」を実践して良かったという感じである。サイエンティストの
漫画ジャケもCDはすぐに品薄になっているようなので、特段レゲエ専門に攻めている
わけでない私なんかは、これからもアンテナを高く張っていないといけないのである。

       

欲を言えば、前者は本当のオリジナル・ジャケで、後者は言わずもがなの、この
ジャケットで再発してほしかったのだが、贅沢は言うまい。

コメント (2)
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WINS THE WORLD CUP

2015-01-23 21:04:48 | REGGAE

どこまでが真実でどこまでが誇大表現かは、受けての取り方次第のところがある。
例えば「世界一レアなダブがCD化」なんて書かれても、それがどれくらいレアなのか
私なんかには判りかねるので、「ふ~ん」てなもんである。
大体、レゲエのレコードなんて、アイランド・レーベルから欧米に配給されたような
例を除けばどれも「レア」な気がするし。(笑)
それはともかく、サイエンティストの「JAH LIFE IN DUB」のLPを聴くことが
できる環境に無い人には、願ってもない朗報であるのは間違いない。

掲載写真はサイエンティストが82年にリリースした「WINS THE WORLD CUP」。
過去2回ほどCD化されているが、久しぶりに市場に姿を現した。今回は同趣向の
盤がまとめて4枚CD化されたので、いい機会とばかりに私も入手した。
今回の4枚、それほど派手ではないのだが要所要所で渋い仕掛けを聴くことができるので
じっくりと向き合いたい。

今回の再発は「マンガ・ジャケ」がまとめて再発されたことを売りにしている宣伝文句を
よく見るが、サイエンティストは他にも「マンガ・ジャケ」だらけなので、これも何だかなぁ
と思ったり。(笑)まあ、どれも楽しくていいのだけど思えば私はテレビ・ゲームの
センスが無いのか、インベーダー・ゲームにもパックマンにも熱中しなかった。(笑)
唯一熱中したのは、クレイジー・クライマーだったりして。(笑)

82年といえば、実際にFIFAワールド・カップがスペインで行われた年である。
ブラジルの「黄金のカルテット」をイタリアのロッシがねじ伏せたことで記憶される
年であるが、個人的にはプラティニやルンメニゲといった選手を覚えた年でもあった。

さて、2018年のロシア大会はどんな大会になるのだろう。
日本の前途は・・・・・。

コメント (4)
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LIVERY UP YOUR SELF

2014-11-25 00:01:22 | REGGAE

ボブ・マーリーの映像といえば、すぐさま思い浮かぶのが77年にロンドンの
レインボーで撮影された「LIVE ! AT THE RAINBOW」なのだが、今回は80年
つまり最晩年の映像が世に出た。

「UPRISING LIVE !」と題されたそれはドイツのテレビ番組ロックパラスト放送用に
撮影された80年6月13日の演奏を収録してある。マーリーの映像は動画投稿サイトに
79年のものが幾つかアップされていて個人的に保存して楽しんでいるが(笑)、
このロックパラストの映像もあがってはいた。しかし、その独特の青を基調にした
暗い照明のせいもあって今一つ画質良好とまではいかず、とても自前のDVDに焼いてまで
見る気にはならなかったが、こうしてオフィシャルで製品化されて一安心である。

ウェイラーズからボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズとバンド名を改めてからだと
一般的には74年の「NATTY DREAD」から77年の「EXODUS」辺りまでがロック者にも
広く聴かれているが、以降の活動は音楽以外の処で重要な意味を持つようになる。
自国で戦争同様の争いをみせた政党間対立をまとめるのに一役買い、またアフリカ訪問に
よって人種差別問題への意識を新たにしたことで自ずと各曲の持つ意味合いは
更に重いものになっていった。

欧州圏でのテレビ放送であるが故に、徒に飾ったりコマーシャリズムに走らずに自身の
メッセージを伝えんとする姿勢が映像からひしひしと伝わってくる。
バックを固めるバレット兄弟の鉄壁のリズム・セクションに、アイスリーズの存在が
個人的には「華」ではあるが。

それにしてもカメラワークはもう一つである。アイスリーズのセットで折角マーシャ・
グリフィスがメンバー紹介しているのに、リタやジュディーの顔を映さないとは。
例えばキャンディーズにおいてスーがミキやランを紹介しているのに、ずっとスーしか
映ってなかったらどう思います?って何だか例えがおかしいな。(笑)まあいい。

それぞれがリードをとる曲を披露して、いよいよボブの登場で会場は一挙に盛り上がり
それは本編が終わり、アンコールを求めそれが終わるまで続く。この数か月後に体調を
崩しツアーがキャンセルになるとは思えない充実した演奏である。

さて、最後は少しだけ、しかし大真面目に。
私たちはアコースティック・ギターで歌われる『REDEMPTION SONG』にもう一度
耳を傾けなければならない。

Emancipate yourself from mental slavery,
None but ourselves can free our mind.
Have no fear for atomic energy,
'Cause none of them can stop the time.

俺が今まで歌ってきたのは救いの歌だけだ。

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