昔からブートレグの定番であった、ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズが78年6月8日に
ボストン・ミュージック・ホールで行ったコンサートがCDとDVDのセットで登場した。
78年3月にボブはアルバム「KAYA」を発表しているが、ここで聴くことのできる音は
「KAYA」の雰囲気を全く反映していない。もともと「KAYA」収録曲は前作「EXODUS」
録音時のものであり、アルバムが製作された経緯も、怪我でアメリカ・ツアーをキャンセルし
手術後の療養時期に編集したという微妙な時期でのものである。
アルバムの直接的なプロモーションの意味合いより、レベル・ミュージックの提示を
重視した結果、選曲は自ずと過去の代表曲が優先されたということだろう。
実際、ここで聴くことのできる演奏は緊張感ある充実したものだ。
今回のCDは、ブートレグで聴くことができた通りの曲が収録されている。問題はDVDだ。
全13曲中、DVDに収録されたのは7曲。しかも、ずっとコンサートの映像ではなく
頻繁にアニメーションが挿入される。
映像自体もアングルが単調なのだが、マーリーのHPによると撮影は最前列のファンが
手持ちカメラで撮影し、テープが切れた部分(つまりは撮影されていない部分)に
アニメーションをはめ込んだということらしい。
このアニメーションがお気楽極楽な感じで、確かに「ピースでハッピー」(笑)な絵で
これを許容できるかどうかが、今回の映像の好き嫌いに直結するかもしれない。
私は個人的には苦手であるのだが、素人が手持ちカメラで撮影(それほどブレは感じない)
した生生しさが素敵なので、DVD自体を否定するものでもない。ただ、当然だけど
アニメなんか差し込む余地がないように全編撮影されていたらなぁとは思う。
いや、アニメを入れるくらいならステージ・ショットやボブの近影とかの静止画でも
良かったのにとも思ったり。
演奏は間違いなく素晴らしいので、音だけでも確認するために購入しても損はないだろう。
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