N響C定期の「コツ」を習得した 首席指揮者=ルイージ
これまで、C定期で「迷演」を続けて来た 首席指揮者=ルイージ が初めて「C定期で名演」を聴かせてくれた。ベルリオーズ:幻想交響曲である。ダイナミクス巾が限り無く大きく、テンポ変化も自由自在。これは「N響アワー」で(前日の演奏が)放映されるので、確認して欲しい。
頭の フンパーディンク は「そこそこ」の演奏だった N響首席指揮者=ルイージ だが、メインの ベルリオーズ:幻想交響曲 では、圧倒的な名演を披露してくれた。
ダイナミクス巾は広いし、テンポ巾も絶大。特に、第4楽章「断頭台への行進」から第5楽章「サバトの夜の夢」の狂い様は圧巻だった。
首席指揮者=ルイージ は、「親しみ易いN響C定期」の主旨を初めて理解した。これまでも マーラー交響曲第5番 や ショスタコーヴィチ交響曲第4番 などで、名演を披露した指揮者がおり、その2曲よりも短い ベルリオーズ「幻想交響曲」をメインに置いた。前プロはフンパーディンク「ヘンゼルとグレーテル」前奏曲、これはそこそこの演奏だった。メインだけに集中して練習を重ねたことは明らか。
短い曲に集中すれば、「濃い演奏」が可能。ルイージ の次回N響C定期も メンデルスゾーン交響曲第5番「宗教改革」メイン。前プロがメンデルスゾーン劇音楽「真夏の夜の夢」から抜粋。同じ作曲家の作品であり、今回以上の名演を期待する。
来期以降の N響C定期は、今回のルイージ指揮のようなプログラムが模範となり、人気曲がメイン + 前プロ が多く登場するだろう。
- シューベルト「未完成」交響曲 + 劇音楽「ロザムンデ」から抜粋
- グリーグ ピアノ協奏曲 + 劇音楽「ペールギュント」から抜粋
など、人気曲でプログラムが増えることだろう。