Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

ピアノ演奏は面白くなったのか? ショパン「12の大練習曲」作品10を例に (No.1335)

2006-08-08 22:02:41 | ピアノ音楽全般
「いい時代になったものだ!」

 タワーレコードやHMVの大店舗が日本の大都市各地にでき、それどころかタワーレコードやHMVのホームページで、冷房の利いた自宅で炎天下に出ないママにCD選びが出来、発注すれば在庫さえあれば 2~3日で宅配便業者が配送してくれる!

 値段も安い! 私高本が、自腹で初めて購入したLPの内1枚が

●ポリーニ「ショパン 練習曲集」 ポリドール国内盤 2,600円

だった。相当昔である。(CD発売前6年か?) 輸入盤の購入はできることはできたのだが、「輸入盤の方が国内盤よりも高くて当たり前」。輸入盤(ドイツグラモフォン盤)が、確か 2800円以上で、同じコーナーに陳列されていた。ヤマハ銀座店が「輸入盤」をごく普通に扱っていた時代の話である。 う~ん、「円安」だったんだろうな・・・

 ・・・で、値段のことはまた別の機会に譲るとして、

●ポリーニ「ショパン 練習曲集」1972年録音 を超す「ショパン 練習曲集」録音は存在するのか?

を考えてみたい。

ピアノ演奏は面白くなったのか?



と言うことである。 曲は何でも良かったのだが、8月13日 佐伯周子 ピアノリサイタル の演奏曲目で言えば、「シューベルト : 未完成ピアノソナタ嬰ハ短調 D655」では、LP時代に録音されていないようであるし、「シューベルト : ピアノソナタ イ短調 D784」では、読者の皆様が「持っているCD枚数」が ショパン練習曲 よりも少ない方が多いだろう。(持っていないと実感ベースで共感できないものである。)
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 ポリーニが弾く「ショパン:練習曲集」が発売されてから少なくとも30年以上が経過した。私高本が購入した時、既に「国内盤」が発売されて、今は亡きクラシック音楽雑誌群やら、FMクラシック音楽番組やらで延々と「いい」「悪い」と大論争されていたような気がする。「そんなに評判高いのか?」という潜在意識があり、銀座に出掛けた際に実物を手に取って見て、購入した(ような気がする)。

 「名曲中の名曲」であるので、その後も多数の優秀なピアニストがこの曲を録音した。日本人ピアニストも多い。
 ・・・が、特段「素晴らしい!」と絶賛される演奏は、1つも無い。(あっ、マズいこと言ってしまったか?!)

 なぜだろう?
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 ここ30年間で、「演奏自体に素晴らしい成果」がはっきり誰でもが聴き取れる分野もある。 この30年間に生存していた偉大な作曲家は除いて考えても

●ブルックナー交響曲
●モーツァルト交響曲

は、はっきりいくつかの点で「旧来の演奏を超える」演奏が出ている。ショパン以外の代表的ピアノ曲だと、どうだろうか?

●バッハ:平均律全2巻48曲
●ベートーヴェン:ピアノソナタ全32曲
●ドビュッシー:前奏曲集全2巻24曲

 時代のバランスを考えて、ショパン以外3人の作曲家を選んで、代表作を見てみよう。

●バッハ:平均律全2巻48曲 → グールド盤 ソニー録音 1962-1971年録音
●ベートーヴェン:ピアノソナタ全32曲 → グルダ盤 アマデオ録音 1967年録音
●ドビュッシー:前奏曲集全2巻24曲 → ベロフ盤 EMI録音 1970年録音

となる。あれっ? ポリーニの「ショパン:練習曲集」が最も新しい!!
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 ・・・となると、どうやら 1972年頃を境に「ピアノ音楽だけが、素晴らしい演奏&録音を産み出す力が減少した」と考える方が普通である。

 この続きは、明日号にて。
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