本日は D946/1 の「削除問題」について書く。
1868年に初出版されて以来、1回の例外を除き、1984年にベーレンライター新シューベルト全集が出るまで、D946/1 は「5部形式の曲」として印刷されてきた。脚注に「シューベルトがカットした」が入っているが。
そのたった1回の例外 = ブライトコプフ旧シューベルト全集(1888) である。つまり
である。
内田光子が 1984年にベーレンライター新シューベルト全集した後、激怒して「ベーレンライター新シューベルトは全く役に立たない」旨を発言していることなどから、日本では新シューベルト全集使う人はほとんどいない様子(爆
であり、注釈なども相当に後者の方が詳しい。校訂報告にて、カットされた「C」の部分も全部印刷されている。
正規版の青灰色の新シューベルト全集(佐伯周子が弾く方)でも、D946 は最重点曲になっているようで、
と VIP扱いである。
D946/1&2 自筆譜には、署名と年月(1828.05)は掲載されているが、曲名は無い。書き始めた時に、「単独曲」のつもりだったのか?「小品集」のつもりだったのか? これも断定はできない。 D605A「グラーツ幻想曲」のような曲にする可能性も否定できないのだ。D946/1 は
A → B(ダカーポ指定) → A → C(ダカーポ指定) → A
を書き上げてから、「C」を削除指定した。その結果、3度目の「A」も削除された。そしてスグに D946/2 が書かれている。D946/2 も
A → B(ダカーポ指定) → A → C(ダカーポ指定) → A
で作曲されている。全く同じだ!!
D946/1&2 を「カットした部分も合わせて通して弾く」と、
とシューベルト自身が感じたのだろう。ピアノ3重奏曲変ホ長調作品100 D929 の第4楽章でも大巾なカットを行ったばかりだったシューベルトは、D946/1&2 でもカットを断行したのである。
1868年に初出版されて以来、1回の例外を除き、1984年にベーレンライター新シューベルト全集が出るまで、D946/1 は「5部形式の曲」として印刷されてきた。脚注に「シューベルトがカットした」が入っているが。
そのたった1回の例外 = ブライトコプフ旧シューベルト全集(1888) である。つまり
新旧「シューベルト全集」は、「3部形式の曲」として出版
である。
内田光子が 1984年にベーレンライター新シューベルト全集した後、激怒して「ベーレンライター新シューベルトは全く役に立たない」旨を発言していることなどから、日本では新シューベルト全集使う人はほとんどいない様子(爆
- BA5615 「楽興の時、ハンガリーのメロディ、アレグレット、3つのピアノ曲」廉価普及版(黄色) ← 内田光子購入
- BA5521 「新シューベルト全集VII/2 ピアノソロ第5巻 小品集II」青灰色 ← 佐伯周子が弾く版
であり、注釈なども相当に後者の方が詳しい。校訂報告にて、カットされた「C」の部分も全部印刷されている。
正規版の青灰色の新シューベルト全集(佐伯周子が弾く方)でも、D946 は最重点曲になっているようで、
- 自筆譜写真3葉掲載
- カットした「C」部分を校訂報告で全掲載
と VIP扱いである。
D946/1&2 自筆譜には、署名と年月(1828.05)は掲載されているが、曲名は無い。書き始めた時に、「単独曲」のつもりだったのか?「小品集」のつもりだったのか? これも断定はできない。 D605A「グラーツ幻想曲」のような曲にする可能性も否定できないのだ。D946/1 は
A → B(ダカーポ指定) → A → C(ダカーポ指定) → A
を書き上げてから、「C」を削除指定した。その結果、3度目の「A」も削除された。そしてスグに D946/2 が書かれている。D946/2 も
A → B(ダカーポ指定) → A → C(ダカーポ指定) → A
で作曲されている。全く同じだ!!
D946/1&2 を「カットした部分も合わせて通して弾く」と、
- 第1番の「第1エピソード」と「第2エピソード」の雰囲気が似ていて「第1エピソード」の方が表情豊かな上に細やかな感触
- 第1番第2エピソードは、終止ピアニッシモなので、ダイナミクスの変化に乏しい
- 少々長い感じがする
- 4つの挿入エピソードを比較すると削除した D946/1 の第2エピソードはやや魅力不足
とシューベルト自身が感じたのだろう。ピアノ3重奏曲変ホ長調作品100 D929 の第4楽章でも大巾なカットを行ったばかりだったシューベルトは、D946/1&2 でもカットを断行したのである。