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シューベルト「楽興の時」は6曲の曲集だったのか?(No.2256)

2013-04-13 21:34:17 | 作曲家・シューベルト(1797-1828

シューベルトは「全曲一括出版には全くこだわらなかった作曲家」


 まず初めにこの事実を明記しておく。出版順に

  1. 「美しき水車小屋の娘」作品25D795 は、5分冊で ザウアー&ライデスドルフ から出版され、第10曲以降がやたら遅く出版された。


  2. 連弾ピアノソナタ ホ短調D823 は「作品63-1」と「作品84-1&2」に ヴァイグル から分割出版された上、「ディヴェルティメント」「変奏曲」「ロンド」のタイトルに変更


  3. 「即興曲集第1集」作品90D899 は、第2曲以降を全面的に出版社の意向通り書き直したにも関わらず ハスリンガー から第2曲までが生前出版された



 上記3曲集は「シューベルトを代表する作品」である。「連弾ソナタ」が最もムゴい分割をされたが、シューベルト旧全集編纂時には「謎は解き明かされた」状況に至った。(曲名は「第1楽章」をそのまま用いたが、、、

シューベルト生前唯一の「自作だけの演奏会チケット」を販売したのは、ハスリンガー、ディアベリ、ライデスドルフ の3社


 この3社はシューベルトの信頼は厚かった。ライデスドルフ と ハスリンガー は「分割出版」の実績があったにも関わらず、である。ライデスドルフ とは一時期「専属契約」をしていたのだが、上記の「美しき水車小屋の娘」出版時のノロノロとした上に、「死と乙女」弦楽四重奏曲D810 を出版拒絶したことなどにより専属契約を解消している。だが、喧嘩別れしたワケでは無い。

「作曲代金をきちんと支払ってくれることが出版社の役割」が『作曲代金だけで自律した世界初の作曲家 = シューベルト』の認識


であった。これは、ショパン、シューマン、リスト 以降の作曲家の模範の態度となった。


「循環する形式」がテーマだった シューベルト が、ハ長調 → 変イ長調 → ヘ短調 → 嬰ハ短調 → ヘ短調 → 変イ長調 で終結させるか???


 これは、あり得ない。最後に「→ ハ長調(または ハ短調)」が必ずある。

ライデスドルフ が出版しなかった曲なので「長い」or「難しい」曲と考えるのが妥当


である。該当する曲は2曲ある。

  1. アレグレット ハ短調D915


  2. アレグロ ハ長調D946/3



 さて、どちらなのだろうか?

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