音楽的に大成功を収めたベニーニ指揮ムスキオ+シラグーザ「夢遊病の女」
10月5日に還暦を迎えるシラグーザがエルヴィーノ役、欧米で大活躍若手ムスキオがアミーナ役と主役2名に超大物が起用されたシーズンオープニング「夢遊病の女」初日。女声23名+男声29名の新国立劇場合唱団は、迫力十二分。ベニーニ指揮は安定しており、細かな指示が次々に繰り出される。主役2名の高音のメリスマは、それは見事なこと!アリア直後に「ブラヴォーの嵐」が毎回出る!
に主役だけでなく、指揮者や合唱指揮者や振付家などのビデオが豊富にあるが、全日C席以上余裕あり、である。最近の新国立劇場オペラはつまらないことが多かったことが、裏目に出ているようである。
シーズンオープニングで新演出(リュック)なのに、演出家がカーテンコールに出て来なかった。テアトロ・レアル & 新国立劇場 & リセウ大劇場 & パレルモ・マッシモ劇場 の4オペラハウス共同演出で、最初がテアトロ・レアル。その時に盛大なブーイングを喰らったのだろうか?
第1幕も第2幕もオーケストラ演奏開始前に延々と「アミーナ役に10名のダンサーが絡む」を見せつけられた。ダンサーは主役の歌は邪魔しないが、オーケストラと合唱団の音を妨げる雑音を「わざと」出す。「演出家はブーイングだろう」と私高本は感じたが、出て来ない、は意表を突いた。演出以外=音楽は充分に満足行くシーズンオープニング「夢遊病の女」であった。