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シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

シューベルトの「ベートーヴェンソナタ理解」と未完成ソナタの補筆について 3(No.2192)

2013-01-15 22:40:02 | 作曲家・シューベルト(1797-1828

シューベルト「未完成ソナタ」を「完成版」に仕上げる分野別作業分類



  1. 楽章組み合わせ(1)


  2. 欠落部分(ソナタ楽章の「展開部後半」「再現部第1主題の再現冒頭調性」「再現部後半主題(2 and 3)の調性設計」「その間のブリッジ」「コーダ」のどの部分を補うか?(2)


  3. 『シューベルトの転調』をいかに「自然に」再現するか?(3)


  4. 「自然に再現したいか?」 or 「シューベルトの素材を用いて、自己表現したいか?」(4)



 突き詰めるとこの4点だけに集約される。そして、これまでの「補筆完成版」演奏が、モーツァルト「レクイエム」「ハ短調ミサ」、プッチーニ「トゥーランドット」補筆完成版ほどは、大した話題にならない理由は、演奏出演人数の問題だけでなく、「補筆完成版の質の高さ」が不足していることにも起因している、と私高本は感じる。
 古い時代からの シューベルトピアノ楽譜校訂者、補筆完成版楽譜出版作曲家、補筆完成版演奏家 が上記のどこに興味があるかを呈示したい。

  1. Erwin RATZ(1953年ウニヴェルザール版校訂者) → 2,3,4=自然再現


  2. Paul BADURA-SKODA(1978年ヘンレ版第3巻補筆完成版 & 全集録音2回) → 2,4=自己表現


  3. Gregor WEICHERT(1984頃全集録音) → 4=自己表現


  4. Martino TIRIMO(1997以降ウィーン原典版全3巻出版 & 全集録音) → 2,4=自己表現


  5. Walburga LITSCHAUER(2000-2003 ベーレンライター新シューベルト全集第1 & 2巻校訂者) → 1


  6. Alwin BAER(2000 ブリリアント盤録音) → 4=自己表現


  7. 高本秀行(2004 - ピアノソロ曲完全全曲演奏会プロデューサー) → 1,2,4=自然再現



 以上の通りである。真っ先に言う必要があることは

4項目全部に目配せが行き届いている人物は(私高本を含め)皆無!


と言う事実! これは、上記声楽含み作品だけでなく、ブルックナー や マーラー の交響曲未完成曲の補筆完成版 と比較しても、質が低い、と感じる。

 他人のことをとやかく言う前に、私高本自身を振り返っておく。

  1. ラッツ補筆完成版のD625ヘ短調ソナタ第1楽章補筆完成版を読み、感動し、「他の未完成ソナタ」も同水準で補筆完成版を世界万人に聴いて欲しい! と思った ← 1978年大学1年生の時


  2. 同年、バドゥラ=スコダ補筆完成版の「ヘンレ版第3巻」を購入したが、弾いて見ると「小さな違和感」が残った


  3. 1978-2004 の25年強掛けて、D840 の第3 & 第4楽章だけ「補筆完成版」を作成、佐伯周子 に「完全全曲演奏会」を持ち掛け第1回実施



 これが全てである。D840 は4半世紀掛けたので、納得行く出来だったが、D613 を初めとする 他の作品 が同水準に仕上がるのか? どうか?? 相当に大きな「不安」が残る方が普通だろう(爆

 受けてくれた 佐伯周子 には、感謝するばかり。しかも「名演」を残してくれた > シューベルト D840 だけ > 同時演奏のショパンとスクリャービンは「?」って、感じ > 対シューベルト比

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