Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

原器が「鳴る」のはなぜか?(No.2744)

2023-09-26 12:51:05 | グランドピアノの買い方・選び方
オーケストラ弦楽器の「人数」を見て欲しい。基本は次の通り。

  1. 16型 → 第1ヴァイオリン=16, 第2ヴァイオリン=14, ヴィオラ=12, チェロ=10, コントラバス=8
  2. 14型 → 第1ヴァイオリン=14, 第2ヴァイオリン=12, ヴィオラ=10, チェロ=8, コントラバス=6
  3. 12型 → 第1ヴァイオリン=12, 第2ヴァイオリン=10, ヴィオラ=8, チェロ=6, コントラバス=4
  4. 10型 → 第1ヴァイオリン=10, 第2ヴァイオリン=8, ヴィオラ=6, チェロ=4, コントラバス=2

モーツァルトの協奏曲など、小さな編成の場合、8型以下の編成になる際は、コントラバスがなくなる訳ではない。基本各パート最低2名以上で演奏する。

ヴァイオリンは「音が通る」と言われるが、「1台当たりの音量はコントラバスよりも小さい」から、台数を増やして音量バランスを取るのだ。

N響でも読響でも良い、TV放映のオーケストラで弦楽器が映っている箇所で静止して楽器の大きさを見て欲しい。ヴァイオリンは「ヴァイオリンの大きさ」、チェロは「チェロの大きさ」、コントラバスは「コントラバスの大きさ」でほぼ同じ寸法である。
  ヴィオラは大きさにムラがあるが

ヴィオラも一定範囲の大きさで、ヴァイオリンより小さいヴィオラはあり得ないし、チェロより大きいヴィオラもあり得ない




弦楽器の音域を見よう。作曲家・稲毛謙介さんHPが最も明解である。ストリングスの音域はどこからどこまで?ストリングスを構成する楽器の特徴を徹底解説。 – OTO×NOMA

  1. ヴァイオリン → G2-E6記載 =g-e4 = 3オクターブ6度
  2. ヴィオラ → C2-C5記載 = c-c3 = 3オクターブ
  3. チェロ → C1-G4記載 = C-g2 = 3オクターブ5度
  4. コントラバス → E0-C3記載 = E1-c1 = 2オクターブ6度
  5. 弦楽オーケストラ → E0-E6記載 = E1-e4 = 6オクターブ
  6. モーツァルト時代61鍵盤フォルテピアノ → F1-f3 = 5オクターブ
  7. 現代88鍵盤ピアノ → A2-c5 = 7オクターブ3度

ヴァイオリンには「最適の大きさ」が存在し、イタリアの「ストラディヴァリ」が大きさの基準になっている。「5度分大きくする」=ヴィオラ になってしまうwww
「小さいヴァイオリン」は昔々から存在する。モーツァルト時代には既にあった。「神童モーツァルト弾くヴァイオリン」はヴァイオリンソナタK.6 を誕生させている!
「分数ヴァイオリン」と称し、小さなヴァイオリンでは 1/16 が現在販売されている。音程が高くなるのではない。音程はヴァイオリンのママ。響板面積が小さくなるので、音量は小さくなる。言い方変えれば「音が貧弱になる」。
「分数チェロ」もあり、google検索した範囲で 1/10 がある。子供教室があちらこちらに存在している。


ヴィオラに「ヴァイオリン弦を張る」と響板面積分「大きな音」が出るか?


 ・・・というか、ヴィオラの最低音弦=C弦 を外せば、最低音=g となり「ヴァイオリン低音から中音が出る楽器」になる。上記リンク先から引用する。


>ヴィオラの音域と特徴
>調弦はViolinの完全5度下であるが、
>その音域を演奏するための十分な大きさが無いため、
>独特の暖かみと少しくすんだ音色が特徴。


ヴィオラ:暖かみとくすんだ音色 ←→ ヴァイオリン:冷たく透る音色


ヴァイオリンはヴィオラよりも「鳴る」。だがオーケストラ人数を思い出して欲しい。10型オーケストラだと

  1. 第2ヴァイオリン = 8
  2. ヴィオラ = 6

和音の内声を担当する両楽器。

音量に限定すればヴィオラが大きいが、「鳴る」とは言わない




弦楽器だと分かり難い人のため、Piano Music Japan 2023年3月10日号をご覧頂きたい。2023年3月10日のブログ記事一覧-Piano Music Japan


>誤解 : ベーゼンドルファーインペリアル は スタインウェイD より音量が小さい
>
>「ベーゼンドルファーインペリアルの方が大音量」が正しい。
>東京文化会館小ホールで『伊福部昭 : リトミカオスティナータ 2台ピアノ版』演奏時に舞台上で確認したので間違い無し。
>ちなみに、ソロピアノ=スタインウェイD、オケピアノ=ベーゼンドルファーインペリアル を使用した。音量小さい スタインウェイD をソロにしたのである。
>
>スタインウェイD が音の立ち上がりが鋭く、細かな音符で和音連打のソロピアノが浮かび上がるから
>
>ベーゼンドルファーインペリアルをソロピアノにすると、「音の保持が良過ぎて重なってしまう」のである。
>伊福部昭は「スタインウェイDを想定して作曲」を明言している。
>尚、1944年作曲(2台のピアノとオーケストラのための)『フィリッピン國民に贈る管絃樂序曲』初演時、
>きちんとしたスタインウェイD が用意されなかったため、「ピアノが小さい」感想をもらしている。
>伊福部昭デビュー作「日本組曲」(1934)第4曲「佞武多(ねぶた)」もスタインウェイD 想定の曲であり、
>ベーゼンドルファーインペリアルだと細かな和音が残ってしまう。


「鳴る」 = スタインウェイD が音の立ち上がりが鋭く、細かな音符で和音連打のソロピアノが浮かび上がるから


ベーゼンドルファーインペリアルは、シューベルトやモーツァルトのピアノ含み曲を演奏すると、「映える」のだが、伊福部昭「リトミカ・オスティナータ」ソロには合わなかった><
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