Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

ショパン 大練習曲 作品10(No.1330)

2006-08-03 22:22:18 | 作曲家・ショパン(1810-1849)
全12曲について述べて見たい。
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【第1曲 ハ長調】

 オープニングの華やかな曲。「これが、真のピアニズムの練習曲ですよ!」宣言しているかのように、右手が次から次へと「アルペジオ」を紡ぎ出す。

【第2曲 イ短調】

・右手の半音進行 と
・左手バスのおどけた表情 が織りなす
・スケルツォ

【第3曲 ホ長調「別れの曲」】

・4声部進行 と
・長調であるのにモノ悲しい旋律

【第4曲 嬰ハ短調】

 第3曲の平行調。1部資料には「atacca」で続けるように指示がある。
火の噴くような情熱が力強く歯切れ良く進む練習曲。

【第5曲 変ニ長調「黒鍵」】

 全曲の大半が「黒鍵のみを使用するフレーズ」で埋め尽くされた練習曲。右手はたった1回だけしか「白鍵」を弾かない(第66小節1拍目 E音)だが、この音は、譜面上は「左手」に書かれているので、「譜面上の右手」は全て黒鍵!!!

【第6曲 変ホ短調】

 緩徐楽章の練習曲。

【第7曲 ハ長調】

 ここから「後半」となり、第2部の開始曲相当。
右手の2声の16分音符の連続は、2本のヴァイオリンのよう!
その中で左手が、楽しくリズムを変幻自在に刻んで行く練習曲。

【第8曲 ヘ長調】

 16分音符が88小節の間、1回も休まずに進行する練習曲。右手が広い音域を不規則な音型で延々と走り続ける。

【第9曲 ヘ短調】

 両手で6度を鳴らす練習曲。旋律が「同じアーティキュレーションで演奏される」必要があるのだが、左手にはさらに1音が挟まれる。

【第10曲 変イ長調】

 目まぐるしく自在に変わる「アーティキュレーションの練習曲」。 楽譜に書いてある通りの演奏には滅多に出会えないほど、千変万化!

【第11曲 変ホ長調】

 連続アルペジオの練習曲。これほどまでに「アルペジオを連続させた曲」はかつて存在したのだろうか?

【第12曲 ハ短調「革命」】

 左手の16分音符連続の練習曲であると同時に「徹底した激しさ」を追求。全12曲の締めにふさわしい力感が全編にみなぎる。
 第1曲ハ長調 → 第12曲ハ短調 と同主調で、この偉大な「練習曲集」は終曲する。

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 ものすごい駆け足であるが、どの1曲を取っても、素晴らしい上に、前後の曲の対比や、全12曲を通しての「バランスの良さ」「聴きごたえ」などまでにも神経の行き届いた名曲である。
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