Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

ショパン 大練習曲 作品10(No.1328)

2006-08-01 22:27:19 | 作曲家・ショパン(1810-1849)
 佐伯周子 ピアノリサイタル 8月13日(日)19:00 東京文化会館小ホールの前半に演奏する曲目である。
--------

「練習曲」を 演奏会ステージ に上げた 画期的なショパンの大傑作



 「エチュード(etude)」とは、「練習曲」のフランス語であり、英語では「スタディ(study)」と呼称する。そう、すなわち「勉強」である!

 「エチュ-ド」は、ショパンのずっと古くから存在し、楽譜も印刷され販売されていた。「クラシック音楽」は、言葉の通り「古典音楽」であり、師匠 → 弟子 に1対1で伝承されるのが基本であったが、印刷技法の向上に伴い、「印刷された練習曲を用いてのレッスン」も相当に増えて行った様子である。

 古く有名なところでは、「バッハのクラヴィーア練習曲」は超有名。

  1.  第1巻 : パルティータ全6曲
  2.  第2巻 : 「イタリア協奏曲 + ロ短調パルティータ」
  3.  第3巻 : 4つのデュエット 他
  4.  第4巻 : 「ゴルトベルク変奏曲」

と4巻出版したところで、バッハは死去してしまったが、相当に質と量があり、現代のピアニストのレパートリーとなっている。「版の研究」に拠ると、大ヒットしたワケではないようであるが。

 ・・・が、時代が下って、ハイドン → モーツァルト → ベートーヴェン の頃になると、この3名は「練習曲の名称」では 曲を出版しなくなる。「ソナタ」や「変奏曲」が出版の中心を占める。
 では「練習曲」は作曲や出版されなくなったのか? と言えば違う。

 ベートーヴェンの弟子 = ツェルニーの大量生産の「練習曲集」の集積!

に代表されるように「機械的に生産されるかのような練習曲」がショパンの直前には、パリに限らず、ヨーロッパを覆っていたのである。
 「ツェルニのエチュード(練習曲)」は、ピアノ学習者に有用である。特に、初心者 → 中級者 への途上には有益であり、今も大いに活用されている。CD録音も多く、有名なところでは エッシェンバッハの録音 もある。

 ・・・が、「エッシェンバッハ ピアノリサイタル」に行っても聴くことはできなかったし、今後も未来永劫無理であろう。「演奏会で聴かせるレパートリー」とは、ピアニスト自身が思っていないからである。

 そんな時代に、ショパン「大練習曲 作品10」は生まれた。 ショパン自身が尊敬する「バッハの練習曲」を復活させたかったかのように、偉大な作品である。この続きは明日号にて。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 7月ブログを振り返って(No.1... | トップ | ショパン 大練習曲 作品1... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

作曲家・ショパン(1810-1849)」カテゴリの最新記事