Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

シューベルト : 幻想曲について(3) (No.1482)

2007-07-03 21:30:38 | 作曲家・シューベルト(1797-1828
まず初めに「さすらい人幻想曲」D760から。

「さすらい人幻想曲」D760 作品15 アナリーゼ


 腐るほどアナリーゼ(楽曲分析)されている曲なので、私高本が付け加えることはほとんど無いかも。時たま、若い「楽理派」が狂ったことを書く曲なので、フツーのアナリーゼを読めば良い。

  1. 第1楽章(m1-m188) 全曲の呈示部 Allegro con fuoco ma non troppo ハ長調 4/4 再現部の無いソナタ形式

  2. 第2楽章(m189-m244) 全曲の展開部前半 Adagio 嬰ハ短調 2/2 主題と10の変奏曲

  3. 第3楽章(m245-m597) 全曲の展開部後半 Presto 変イ長調 3/4 ロンド形式

  4. 第4楽章(m598-m720) 全曲の再現部 Allegro ハ長調 4/4 「第1楽章と第3楽章の再現(フガートを含め)」


 大切なポイントとして

  1. 隣り合う楽章の 拍子,調性,テンポ が異なる

  2. 隣り合う楽章同士は フェルマータ で結ばれている


の2点である。 たまに「狂った解説」もあるが、読み飛ばした方が良い。
 F.リスト が絶賛し、

  1. ピアノ独奏 + オーケストラ 編曲

  2. ピアノソロ の簡易版!!!


を作ってまで、普及しようとした名作であり、リスト自身は「シューベルト ピアノソロ曲の最高傑作」と確信していた名作である。

循環ソナタ形式の起点 = 「さすらい人幻想曲」


であり、リスト ロ短調ソナタ や フランク ヴァイオリンソナタ イ長調 のファンからは崇拝されているのだが、肝心要の「シューベルトファン」からは意外に高くない評価を得ているような氣がしてならない。
 明日以降の「幻想曲アナリーゼ」を読めば、お分かり頂けると思うが、シューベルトの幻想曲は「さすらい人幻想曲」を起点に爆発的に説得力を増したのである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする