ぱたの関心空間

関心空間と徒然なるままに。

火天の城/劔岳@祇園会館

2010-03-26 12:21:13 | 映画感想
祇園会館のタダ券が手元に。

久しぶりに祇園会館まで行く。
「火天の城」は、ちょっと見たいと思っていた映画だったので。
#っつーても、この映画の知識は、西田敏行が出るのと時代物である、って事だけ

平日の昼。
到着、祇園会館。

ひょえー、めちゃめちゃお客さんが入っている~(驚)。

祇園会館は京都に唯一ある三番館(ですよね?)で、以前、何度か来た時にはいつだってガラガラだった記憶があるんだけどなぁ。けっこうお年かさの方とかがたくさんいらっしゃる。入れ替えナシだからゆっくりできるしねー。あちこちでおベントだして食べている感じが、最近のシネコンなんかでは絶対に見られない風景でちょっと楽しい。

さて、そんなわけで映画なわけです。

「火天の城」
信長の安土城を作ったおはなし。
主人公にその棟梁として西田敏行。

西田さん。
やっぱり凄いなぁ、と思うのだ、その泣きの演技と泣かせる演技。その見せ場は何回となくあるのだけれど、全て泣き方が違うのだ。表情はさして変わらないように見えるのに。
一方で、その娘役の拙さが。棟梁と夫婦役の大竹しのぶは徹底的に控えめな女性の演技だから、そこらへんのバランスの悪さがどうしても気になってしまうのだ。

しかし、椎名桔平。かっけーなー。

この映画で大事なのは、おそらく築城の為に次々と出てくる試練に対して、棟梁をはじめとする職人とそれをささえる家族・民衆がどのように前向きに対処していたのかというその姿を描く事だと思うのですね。
だから、映画のダイナミズムとか、クライマックスというのは、無くはないのだけれどそんなに激しいもんじゃぁないのです。もう、淡々と、淡々と完成に向けて歯を食いしばり、でも決して腐らずに頑張りぬく、その中で実を結んで完成する当代随一の城、という展開の映画、だと。
その中で、蛇石を取り除くシーンで、間者に信長がおそわれるシーンの演出は、ワイヤーアクションとかもあったり、スパイに恋して一緒に死んでしまう山本太郎とか、なんだかこの映画にそぐわない気がしてちょっと違和感がありましたなぁ。まぁ、そんなんなかったら、退屈な映画~、とか言われちゃいそうな気もするけど。

思っていたのはもっと重厚な感じの映画だったので若干の期待外れ、というのが正直なところか。


「劔岳 点の記」

いやーん、日本髪の宮崎あおい萌~~~(^◇^)

あぁ、スイマセン。取り乱しました。。。

笹野高史さんに夏八木勲さん、「火天の城」にも出ていたからなんだか二つの映画がつながっているかのような錯覚に。。。
やー、でもよく出てますよねー。ホントに。香川照之さんなんかも見る映画の2本に1本は出ているような気がしてしまう。

さて、火天の城とちがい、見る気がなかったせいで、期待感っつーものがなかったせいか逆にこっちの方が良かった印象。のほほほ。

火天の城と比べてしまうと申し訳ないが(って、同時上映していたのだから仕方ない)、劍岳はさして派手な作品ではないけれども淡々と偉業を成し遂げるその素晴らしさ、人間模様もきちんと描かれ、そしてちょっと感動的な演出も施されていて、最後にはぐっときた。確かにクライマックスはあっさりしすぎでもうちょっと何かあっても良かったんじゃないの?って思ったけれど、実際にする時ってなぁそんなもんだよね(苦笑)

しかし、仲村トオル。男前やなー。

メンツに拘る陸軍参謀を完全な悪役として描いている(儂の中では山岳会は敵じゃぁなくライバル、若しくは理解者、はたまた同士)のに違和感があるけれども、多かれ少なかれそういう見方はあっただろうし、わかりやすい。
陸軍の中で上官に対して意見したりする場面とか、松田龍平演ずるノブの我儘さなど、実際にあったようには思えないところもあるけれども、それも一つの演出かと。

日本山岳会からの最後のメッセージ、そしてそれに応える測量隊。
同じ山を目指していたもの同士、目的は違うけれども目標は同じという両者が過酷な自然の前で互いに尊敬し合える関係になる(まぁ、測量隊の全員が山岳会を尊敬するに至ったかどうかは微妙だけれど)というのはきっと必然。自然の前では人間なんてちっぽけな存在、カビの生えたような表現だけれども、自然を忘れかけている儂らには実感として響きにくくなった言葉でもある。
手旗信号を習っておいてよかった。
#って、もう半分くらい忘れていたけど (^^ゞ

100年も前、装備も防寒着も今と比べたら当然劣るであろうその状態で何日も高山の厳しい環境の中で重い荷物を背負い山を歩き回るその胆力に驚く。

儂は山歩きをするわけではないのだけれども、山を歩く人たちが何に魅せられているのか、その答えの一端をこの映画の映像で感じる事が出来たような気はする。
山の景色は雄大で、美しく、恐ろしく、そして偉大だ。
自分の足できちんと歩いて登り、あの景色の一つになれたならば、その魔力にやられても不思議じゃぁないんだろうな。この山で信仰が生まれた事も納得できる。
#立山曼陀羅の絵解きが聞きたいっっっ!

火天の城/劔岳@祇園会館の画像

火天の城/劔岳@祇園会館の画像

火天の城/劔岳@祇園会館の画像



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