ぱたの関心空間

関心空間と徒然なるままに。

暁斎漫画展@京都国際マンガミュージアム

2008-05-11 22:19:51 | 展覧会とかアートチックなもの
国立博物館の暁斎展に触発されて、勢いで行っちゃいました。初京都国際マンガミュージアム!
こっちの暁斎展と同時開催で行われていた「暁斎漫画展」です。

当初の予定ではこの日、国立博物館見た後はそのまんま大阪まで行って中ノ島でお芝居♪ と思っていたのだ。
いかんせん、暁斎のインパクトは強かった。時間に多少の危うさを感じながらも、気持ちはとめられない、いざ烏丸!

場所柄、国立博物館のそれとは異なり、漫画や風刺画といった側面にスポットを当てた展示内容。
新聞のコマ漫画とか、錦絵とか。
ホントに、これがあの精緻な水墨や鳥獣図と同じ人が書いているの?と思うような作品群。

あは。先に見た放屁合戦絵巻が文明開化バージョンであるよー。

七条の博物館での印象は、ホントに多彩でとらえどころがなく、ひたすら圧倒されてしまう存在に感じていた。
が、御池ではその時代を生きる彼の姿が見え隠れする。
そーさなー。前者は確かに時代のとらえどころもなかったのだ。そもそも暁斎を知らないっていうのもあるけど。
だけど、後者の作品を見れば、暁斎がまぎれもなく明治を生きた人であることが分かる。

どちらの暁斎もきっとホンモノ。
でも生き生きと描かれる様は、より漫画的なものに親しむものかもしれません。
いやいや、もちろんだからこそ、まじめな(?)絵でさえも温かみや物語性や動きを(幽霊画にさえも)感じさせて、只者ではない事をはっきりと知らしめるのかもなー。

ところでところで、初めて来たわけですよ、マンガミュージアム。
至る所に漫画・まんが・マンガ・MANGA。うひゃぁー、この世の楽園ですか?そしてマンガを手に思い思いのスタイル(寝転がる、階段に腰掛ける、本棚にもたれる、立ち読み、逆立ち等等)でマンガに耽る人々。 あぁ!なんと退廃的。。。いや長閑な!
ええのぉ。この呑気な空間に入り浸りたい。。。

暁斎漫画展@京都国際マンガミュージアム の画像



ファントマ「幕末殉教伝『イエス斬り捨て』」@ABCホール

2008-05-11 12:58:26 | 演劇レビュー
知らなかった。
ファントマの役者陣が入れ替わっている。。。というか、抜けちゃったのねー。

ABCの新社屋完成に伴って開催された「中之島演劇祭」への参加作品。
中之島演劇祭では復活した転球劇場も見たかったのですが残念ながらチケットが取れず。
意外とファンが多いのにゃぁー。
#意外とか言うなー!(怒)

って、転球さんの話じゃないわ、ファントマ。

つーてな、先にも書いている通り、看板女優の美津濃さんとかメインを張っていた浅野さんとかが抜けてしまっている。中心人物で残っているのは盛井さんくらいなものではないか。ファントマの冠はついているけど、客演陣の比率からしてプロデュース物に近い感じがしてしまうな。
保村大和さんに久保田浩さん、牧野エミさんも久しぶりに見るよ(現代用語の基礎体力のDVDでは見たけど)。それに上瀧昇一郎さん。いい悪いは抜きにして、とりあえず役者人充実鉄壁の布陣ですよ!。
あ、あと猫ひろしさん!?
とりあえず、役者に対しての不安感は全くありません。

で、芝居の方はますますハードボイルドには磨きをかけるファントマ。でも儂は毎回ゆーてるけどギャグ派なのよね。

さて、お話は幕末。主人公は岡田以蔵、それを取り巻く新撰組に坂本竜馬、土佐勤皇党や岩崎弥太郎や薩摩の人斬り新兵衛などが登場人物。
武市半平太の下、京の町で人斬りを繰り返す以蔵、しかし次第に疎まれる存在となっていく。と同時に自分自身のあり方に葛藤していくが、久しぶりに逢う竜馬の誘いと、その時に聞いた西洋の教え。気持ちが動きそうになったその時、池田屋事件が重なる。池田屋には竜馬の神戸海軍を抜けた望月亀弥太がいる、聖書を手に剣を抜かぬ、と一度は誓った以蔵だが、幼馴染の亀弥太を助けてくれと懇願する弥太郎の言葉に池田屋に向かう。

史実とは物語がだいぶ前後しますがなかなかおもしろい仕上がり。
山南敬助と以蔵を飲み友達にしてみたり、芹沢鴨をジョン万次郎にしてみたり。
いちいち魅せる場面も多い。
客演陣の見せ場もある、猫ひろしさんの独壇場、いいむろなおきさんのマイム、きんたミーノさんの個性。それらをストーリーの中で浮いた存在にせずに、お客さんを楽しませる一つとしてうまい事取り入れている。
まじめな部分でも、
武市瑞山の切腹のシーンとか、竜馬が最後に杯を並べて死んで行った仲間達と一緒に酒を酌み交わすシーンとか。「おーい龍馬」の中でもこんなシーンがあったが、これは有名な話なのだろうか。かなりぐっとくる、涙がこみあげてくる。

今回の特効
一つは殺陣。
殺陣は難しいのよねー。これが上手なときは文句無くかっちょいい芝居となる、バロメータでもある。
実はちょっとずるいと思った。なぜなら群集での殺陣シーンが多かったから。群集での殺陣シーンだと一つ一つの動きを見るのではなく、全体の動きで見てしまうから、多少の粗は目立たなくてね、なんとなく美しく見えてしまう。実際、これカッコイイ。

もう一つはダイナマイトしゃかりきサ~カスときんたミーノさんによるゴスペルコーラス。
今までの幕末物では(少なくとも儂の知っている限りでは)無かった、キリスト教の救いというアイディア。それを取り入れた今回の芝居において要所要所を引き締める役割をになった。
カーテンコールでは出演者全員でのコーラス。ゾクゾクしますよ。ベタな笑いをちらちら出しながらも、最後まで会場内に芝居のセンスという緊張感を漲らせる演出やったと思います。

でも儂はギャグ派♪

まぁ、半ば強制的にスタンディングオベーションをさせる(「昨日はスタンディングオベーションでしたけど。あ、いや、やってくれと言っているわけではないですが。。。」)ところらへんは流石です。


ファントマ「幕末殉教伝『イエス斬り捨て』」@ABCホールの画像



特別展覧会 暁斎@京都国立博物館

2008-05-11 00:28:03 | 展覧会とかアートチックなもの
暁斎ナニモノ!?

恥ずかしながらワタクシ、暁斎なる人物を今回の展覧会があるまで存じませんでした。

とりあえず、ポスターに見える髑髏と蜥蜴の毒々しそうなイメージ、一方では滑稽な動きで表情も豊かに踊る人(一休禅師ですが)を見て、おおぉ、これはちょっと面白そう。と会場に足を運んだ次第でございます。

展示室。入って一発目がなんと「九相図」
人が死んで朽ち、骨になるまでの相を描いた図です。
いきなりグロいです。度肝抜かれます。でもめちゃめちゃ惹きつけられるわけです。

ほんでもって、単にグロい絵を描く奇をてらった画家、では終わらないのですよ、この人。

いやいや、まぁ展覧会に行ってきてから時間も経っているし、美術への造詣がうすいワタクシ。。。あまりうまい事は言えませんが。
まぁ、なんと振り幅の広い事!

一発目のインパクトに続くように、妖怪変化や百鬼夜行、逆に風神雷神とか鍾馗様といった神々の絵、挙句の果てには幽霊や刑場の図があるかと思えば、美人画や花鳥図、山水画。またそれが皆なんともうまい構図だったり躍動感が合ったり、日本画の野暮ったいイメージ(あくまでイメージね、実際はちゃいますよー)で見たら驚きの作品たち。と、思えば、少女趣味の物語絵や鳥獣戯画を髣髴とさせる擬人化された動物たちの漫画といった滑稽なもの。それらを見て絵の巧さに驚愕していたところに落書きみたいな手抜き?え、これ上手なん?て思うようなものが現れてみたり(酒席で座興で描いた髑髏だったりするのですが、、、)。更にその対極にある緻密な下絵の展示も。

なんとまぁ、とらえどころの無い。。。
というか、枠がないのだな、きっと。その上に深い。

違う流派の元で絵を修行して、といった経歴的な素地はあるにしても、その枠から出られないのがいわゆる普通の才能でしょう? 河鍋暁斎のそれは、天性の才なんだろうな、と思います。ほら、岡本太郎さんだって、常人の枠では収まりきらない、理解を超越しているじゃない?
#それとは違うなら「それとは違う」と言ってください>芸術系の方
当時の画壇では異端扱いされていた、というのは常人の理解できる範疇を超えていたからですよねぇ?時代の先を行っていたわけだから、そりゃぁ仕方ない。

絵が巧いだけではないのでしょう、味があるのだ。

どこかの解説にもあったように、構図とか、遠近法とか、豪放さの中にもキチンと計算されているのだ。

単に変わっているというのでは人は魅せられない、人の心をくすぐる遊び心がキチンとあるのだ。

でも、綺麗ごとだけでいられるわけではない、人の持つ猥雑さや影の部分も包み隠さず表現するのだ。

羽裏に描いた刑場の絵は、そりゃぁもう生々しくグロテスクな上に、この上無くいやらしく悪趣味。18禁でしょう。フツー。
でも、正直にいうと、今回の展示作品でどれよりも印象に残ってしまった一枚。
ダメですよ、PTAに怒られますよ。
#NHKは協賛しているようです

才気ほとばしるこんな画家が明治期の日本で活躍(?)していた事が驚き。とともに嬉しく思いました。
河鍋暁斎 覚えておかなくては。