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パンダ イン・マイ・ライフ

ようこそ panda in my lifeの部屋へ。
音楽と本、そしてちょっとグルメなナチュラルエッセイ

ブルックナー 25 シンフォニー6番 チェリビダッケ

2009-11-28 | music/classic/Bruckner
久々のブルックナーのコーナーです。

有名なブルックナーシンフォニーといえば、4,7.8.9。しかし、他のシンフォニーもブルックナーらしく、叙情的で崇高な名品がある。
このシンフォニーの第6番は、長大な5番が完成した1年半経った1879年に着手され、約2年かけて完成した。50代中ばの曲である。すがすがしい4番「ロマンティック」、長大な第5シンフォニーと、完成度の高い7番、最強のシンフォニーといわれる8番の間にある。演奏時間も他のシンフォニーと比べ、短く、全編を覆う陰鬱さが特色。特に第2楽章のアダージョは、ブルックナー得意のアダージョの中でもぴかいちに美しい。

1楽章と2楽章で全体の3分の2を占め、2楽章のアダージョが一番長い。
第1楽章が、威厳に満ち、堂々と金管群のコラールで貫かれるマエストーソ。
2楽章は得意のアダージョ。1楽章、3・4楽章と地味なイメージが強いので、よりこのアダージョの美しさが引き立つ。苦悩と悲しみの暗いイメージが横たわる。
3楽章はこれもお得意のスケルツォ。角笛を思わせるホルンが印象的。
4楽章は、くるくると万華鏡のように変わる曲風。軽やかにしかも堂々たるフィニッシュだ。

この地味な曲を、丁寧に美しく、オケを引っ張っているのが、チェリビダッケのミュンヘンフィルの1991年のライブである。
Total 60:27 ①17:02②22:01③8:17④15:07 ハース版である。

ブルックナー 24 「秋の夜長のブルックナー全集」

2009-10-11 | music/classic/Bruckner
いよいよ秋本番か。今年の夏は盆が過ぎてから、青空が見え始めた。さらに彼岸過ぎて、10月に入っても蒸し暑い日々が続き、流石にまいった。
しかし、ここに来てようやく、というかいきなり秋に突入したように肌寒くなった。

芸術の秋にふさわしく、ドイツの南の町、ヴァインガルテンにある修道院教会、ドイツ最大のバロック式建築で有名なバジリカで録音された、ブルックナーのシンフォニー全集を手に入れた。
演奏は、地元のヴュルテンベルク・フィルハーモニー管弦楽団。指揮は、50歳台のロベルト・パーテルノストロで、1957年生まれのオーストリアの指揮者である。
5番はハース版、以外はノヴァーク版である。

魅力は、
0番から9番そして、9番の4楽章といわれる「テ・デウム」まで収録されている11枚組みであること。
輸入版しかないのが残念であるが、その値段が11枚のCDで1,985円と、通常のCD1枚分ではないかと疑うほど安価であること。(HMVのマルチバイ特価で1,389円だ)
それも録音が1997年から2006年までと新しく、ライブ録音という緊迫した雰囲気が楽しめること。
北国タクトさんをはじめ、HMVの書き込みでもその評価が高いこと。
による。
荒削りの指揮、演奏も見受けられるが、魅力は、その残響にある。優秀なオルガン奏者で敬謙なカトリック信者であるブルックナーのイメージと、大聖堂での荘厳な響きがなんともいえない。

昨年の11月からブルックナーに心酔し、1年になる。
惹かれるのは、やはり4,7,8,9番であるが、他の曲も折を見て聞き始めている。秋の夜長である。今年は、このブルックナー全集とともに過ごすこととしよう。

ブルックナー 23 ヴァントのシンフォニー7番 鮮烈

2009-09-23 | music/classic/Bruckner
朝比奈、ベーム、ブロムシュテット、ヨッフム、ジュリーニ、マタチッチ、カラヤン、マズア、チェリビダッケに続いて10人目となったブル7好き。
現在のところ一押しの指揮者、ドイツ生まれの指揮者、ギュンター・ヴァント((1912-2002)です。
ヴァントは60歳台、1970年代から80年代にかけてケルン放送交響楽団とブルックナーチクルスを、70歳台から80歳台にかけて(1980年代から90年代にかけて)北ドイツ放送交響楽団とブルックナーの録音を残している。

そのヴァントが1999年、87歳の時にベルリンフィルとライブ録音した7番シンフォニーのご紹介です。。
アンサンブルの華麗さで鳴らすベルリンフィルが、ヴァントの卓越した堅牢なコンダクトに見事に応えています。
1楽章の盛り上がりはさすがで、20分を飽きさせません。
2楽章は至高のアダージョ。なんと情緒溢れる調べなのか。ベルリンフィルの清廉なアンサンブルがヴァントの細部にわたる構成力に応えて盛り上がりを見せます。
3楽章のスケルツォは、やたら急がず、じっくりと管と弦の対話を引き出しています。
4楽章のフィナーレ。それぞれのパートを生かし、組み合わせ、一つの世界を紡ぎ出すのです。

ブルックナーの7番シンフォニーの躍動と荘厳さをここまで表現できるコンダクターとオケ。そして最新の録音技術。
Total 66;38 ①20:53 ②21:53 ③10:25 ④13:11
原典版(ハース版)

ブルックナー 22 ヨッフムのシンフォニー7番 円熟

2009-09-21 | music/classic/Bruckner
ブルックナーといえば、オイゲン・ヨッフムを忘れることはできない。
1902年生まれのヨッフムが、70歳代、まさに円熟期の1975年から80年にかけて、ドイツの名門、SKD(シュターツカペレ・ドレスデン、ドレスデン州立管弦楽団)を指揮した名盤チクルスから76年に録音した7番を聞く。
その重厚な構成と、緩急。歌わせるところは歌わせ、激しく、また、あっさりと。こういうブルックナーも好き好きであろう。

2楽章に頂点を設け、その終わりのシンバルとティンパニーを魂の叫びとして7番のクライマックスとする構成。ノヴァーク版だ。

Total 69;14 ①20:57 ②25:50 ③10:00 ④12:27

ブルックナー 21 チェリビダッケのシンフォニー7番 じっくりと

2009-09-12 | music/classic/Bruckner
じっくりとブルックナー和音を楽しむ。そんなアルバムが、チェリビダッケとミュンヘンフィルの1994年のライブ録音である。

録音のよさも幸いし、細部までことごとく手ごたえのあるアルバムに仕上がっている。

ハース版

Total 78:07 ①24:16 ②28:46 ③11:35 ④14:30

ブルックナー 20 マズアのシンフォニー7番 爽やか

2009-08-30 | music/classic/Bruckner
残暑厳しく、蒸し暑さも感じられる。

そんな時に、ドイツの指揮者・楽団のすがすがしいブル7に出会えた。
クルト・マズア。1927年生まれの東ドイツ出身の指揮者。ドイツのライプツィヒにある、ゲヴァントハウス管弦楽団との協演。1972年、ドレスデンのルカ協会での録音。

どちらかというとアクのない、すっきりとした演奏。ブロムシュテットやカラヤンに近い。

テンポも淡々と、メリハリも押さえ、明るく、ひたすら流れ行く清流のよう。

Total 64:07 ①19:44 ②21:30 ③9:51 ④13:02

ブルックナー 19 カラヤンのシンフォニー7番 白鳥の歌

2009-08-29 | music/classic/Bruckner
ヘルベルト・フォン・カラヤンは、今も人気の衰えないオーストリア生まれの指揮者。1989年7月に死去する3か月前の4月にウィーンフィルとのウィーンでのライブ録音。81歳のカラヤンにとって最後の録音となった、まさに白鳥の歌ともいうディスクである。
当時団員問題から、ベルリンフィルとの縁が薄れ、ウィーンフィルとの蜜月時代の作品である。

ライブらしい緊張感。そして、なんと円熟の美しく荘厳なステージなのだ。ウィーンフィルの演奏は限りなく甘美だ。
ブルックナー録音も数多く残すカラヤンである。完璧主義者といわれていたカラヤンの最後の録音はライブだった。

胸に染み入る。

Total 63:05①19:40 ②23:15 ③10:11 ④13:00

ブルックナー 18 マタチッチのシンフォニー7番 劇的

2009-08-23 | music/classic/Bruckner
昨夜土曜日、夜の散歩。いつも暑さしのぎにラジオを聞いていました。NHKFMの名曲リサイタルか、民放FM、それともプロ野球中継か。しかし、今日はスイッチを入れるのをやめました。それは虫の声のせい。
道のここかしこから聞こえる合唱隊。これまでにはないボリュームで迫ります。朝夕の涼しさが、虫たちの出番を用意してくれました。

夏の蒸し暑さが少し和らぎ、虫の音も聞こえる中で、引き続き、ブル7シリーズです。朝比奈、ベーム、ブロムシュテット、ヨッフム、ジュリーニに続いて6人目は、ロブロ・フォン・マタチッチ(1899~1985)。荘厳にして、迫力ある劇的なブル7を、1967年にチェコフィルで振る。ユーゴスラビア生まれの指揮者。
40年前の録音にしては、状態もよく、そのスケールの大きさに心酔しました。これはいいです。

Total 68:53①21:32 ②23:56 ③10:41 ④12:44

この曲は不思議な曲です。全編を覆う甘美なメロディと、各楽章が個性的なので、1時間という演奏時間もそんなに苦になりません。

マタチッチは、1960年代から70年代にかけてよく来日し、NHK交響楽団は名誉指揮者の称号を与えたといいます。 

ブルックナー 17 ジュリーニの7番 歌心

2009-08-22 | music/classic/Bruckner
シンフォニー7番は、ブルックナー起死回生の1曲であった。1884年、ブルックナー60歳の初演で好評を博し、86年には、親ワーグナーのブルックナーが、反ワーグナー派からの執拗な攻撃を受けていたウィーンで熱烈な歓迎を受ける。

多くの指揮者が、名演を残している。しばらく、この7番に酔いしれるとしよう。

カルロ・マリア・ジュリーニが、歌心十分に酔わせる。ウィーンフィルとの協演。1986年録音。ノヴァーク版。2005年に91歳で亡くなるジュリーニ、72歳のときの録音だ。

丁寧な演奏で定評のあるジュリーニが、そのアンサンブルの華麗さで有名なウィーンフィルをいかんなくドライブさせる。ベームとは異なり、旋律の美しさをその荘厳さの中できちんと伝えてくる。内に秘めた美しさともいうべきか。特に2楽章は、泣きが入るほどだ。

Total 66:37 ①20:22 ②24:08 ③10:36 ④12:31

ブルックナー 16 カルロの9番

2009-07-11 | music/classic/Bruckner
オケの実力をきちんと積み重ねる。そして安心してブルックナー和音に身を委ねる。
これが、カルロ・マリア・ジュリーニのブルックナーの第9番だ。

1988年にウィーン・フィルハーモニーを指揮した。ジュリーニは、イタリア出身の1914年生まれ。2005年に亡くなるので、73歳の時の録音である。

ジュリーニお得意のゆっくりとしたテンポで、一つ一つ丁寧に整然とブルックナーの世界を展開する。まさにジュリーニワールドである。
激しさも緩急も、あまりないので、刺激という意味ではいまいちかも知れない。しかし、ウィーンフィルの重厚で華麗なサウンドとブルックナー和音は、ジュリーニの演出で、清水が染み入る如く乾いた心を満たす。

Total 68:11 ①28:02 ②10:39 ③29:30