備忘簿

日常の呟きを記録する。

スカシユリ「海岸型ゆり」

2006年07月31日 06時40分17秒 | 野草
千葉県いすみ市太東崎は九十九里浜の南端に位置する太平洋に突き出た岬だ。ここの砂浜に小さな海浜植物群落があり、天然記念物に指定されているが、そのメインとなる花がこのスカシユリなのだ。今盛りと咲いている。百合の花は横を向くかうつむき加減で咲くが、スカシユリは真上を向いて咲いている。正に夏の光を謳歌しているようで見ていて小気味よい気持ちになる。
ここのスカシユリは、葉は乾燥に耐えるように厚く密生し、背丈も低く、茎は太く、海からの塩分を含んだ強い風に耐えられるように完全に海岸型に適応している。花びらの基部が細く、隙間があるのでスカシユリという名が付いたのだが、この隙間や上を向いて咲くのは強い風を吹き流す工夫だと思われる。
我が家には園芸種のスカシユリがあるが、それはとっくの6月中に咲いてしまう。そして、その葉などはあまり厚いものではなく普通の百合の葉のようだ。背丈も70cmほどはある。これに比べると、太東崎のスカシユリは完全に海岸型に進化したものと言えるのではないだろうか。
コメント (2)
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