goo blog サービス終了のお知らせ 

ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

メタンハイドレート問題 - 13 ( 「財政法」改正 )

2025-03-17 14:39:01 | 徒然の記

 先日亡くなった森永氏は、死の寸前まで動画の中で財務省の告発を続けていました。

 本日紹介するのは、氏が語った故安倍首相と財務省の対立の説明です。「アベノミクス」という言葉は、一時流行語のように語られていましたが、これが財務省と敵対関係を生んだ決定的な政策だったとは、氏の説明を聞くまで知りませんでした。

 平成24 ( 2012 ) 年12月から、令和2 ( 2020 ) 年9月まで続いた政策です。

 〈 アベノミクスの定義 〉

  ・規制改革をし、成長分野への投資促進によって日本経済の生産性を高め、潜在成長力を高める。

 氏はこのように定義し、3本の矢の説明をします。

  ・1本目の矢・・・大胆な金融緩和  日銀の協力で一時的に成功

    ・異次元の金融緩和により、円安と株高を狙う

  ・2本目の矢・・・機動的な財政策  財務省の抵抗で不成功

    ・大規模な補正予算による公共投資と、復興需要への支出をする

  ・3本目の矢・・・民間投資を喚起する成長戦略 → 財務省の抵抗で失敗

    ・TPPへの参加によるグローバル市場への積極関与も成長戦略の一環として考えた

 〈 森永氏の説明 〉

   ・アベノミクスの最大の障害は、財務省の抵抗と消費税率の引き上げだった

   ・財務省は財政再建を最優先課題と位置付け、歳出削減と増税による財政健全化を目指し、アベノミクスの大規模金融緩和と財政出動に当初から反対した

   ・企業収益は伸びたが、実質賃金に反映されず、個人の購買力が上がらなかった。GDPの60%を占める個人消費が伸び悩んだ。

   ・財務省は伸びた税収を公共投資と復興需要へ回さず、財政赤字の補填に使い、社会へ還元しなかった。従って景気の好循環が生まれなかった。

   ・このため安倍氏は、消費税率の5%から10%への引き上げの1年半延長を決断した。翌平成28 ( 2016 ) 年6月更に2年半の延期を決断した

   ・平成29 ( 2017 ) 年2月森友学園問題が報道され、安倍政権への攻撃と非難が始まった。

   ・令和2 ( 2020 ) 年9月に安倍氏が退陣し、菅内閣が誕生した。菅内閣は財務省のいうとおりの、「財政再建」と「増税路線」を掲げた。

 「末期癌の自分は、もう何も恐れるものがないから、遺言のつもりで財務省の闇を話せるだけ話す。」

 森永氏はどの動画でもこのように言い、財務省への批判を続けました。今回の意見もその流れですから、特に説明をしていませんが「森友学園問題」に財務省の影を感じさせます。

 マスコミが騒いだ「安倍おろし」の動きは、「森友学園問題」だけでなく、「加計学園問題」「桜見の会問題」と沢山ありましたが、財務省が全てに関わっていたのでしょうか。

 こうした対立関係の中に、平成25年7月の安倍首相の決断 ( 日本政策投資銀行幹部への指示 ) を置いて見ますと、今まで見えなかった景色がもう一つ見える気がします。

  ・財務省は、「PBバランス教」を信じるカルト集団だ

 長い間国民の目に見えなかっただけに、財務省の隠れた力の大きさを驚く方に忙しい「ねこ庭」です。森永氏は断定しますが、日本最強の省庁をそこまで言い切る勇気はありません。

 「財務省解体論」を主張する過激な人もいますが、そういう荒療治をする必要はないのです。東大法学部を優秀な成績で卒業した、日本で最も頭脳明晰な官僚組織と自負し、他の人々からも言われている財務省です。悪人の集団であるはずがなく、日本のために「法律」を遵守し、政治家を指導していると信じる官僚諸氏の集まりです。

 優秀な彼らが遵守している「法律」を、政治家が改正すれば力の源泉が消滅します。

   「財政法」  ( 昭和22年 4月 1日施行・・GHQ統治下で作らされた法律 )
 
 その法律の名前がこれです。財政規律と財政健全化の文言 ( もんごん  ) を条文から削除すれば済むのです。他にもいるはずですが、「ねこ庭」と同じ意見を述べる政治家は二人しか見当たりません。
 
 青山繁晴氏と西田昌司氏です。
 
 二人の政治家が、故安倍首相のように邪魔されないことを願いながら、このシリーズを終了いたします。
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« メタンハイドレート問題 - 12... | トップ | 勢いがない「石破おろし」? ... »

2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
或る意味「命懸け」だった (HAKASE(jnkt32))
2025-03-17 23:26:18
今晩は。森永卓郎・元独協大教授の財務省批判。拙者は
精読に至っていませんので 余りの言及は控えますが、
或る意味「命懸け」の追及や批判だったと心得ます。

森永元教授の全部を支持する訳ではありませんが、
故・安倍元総理の経済政策アベノミクスが有効に機能
したとは言えない背景が、一定は理解できた気もする所です。

森永元教授の関与の範囲ではないかもですが、
メタンハイドレートなど 我国独自資源開発調査などが
進まなかった背景も、一つは財務省絡みかとも思わされる
所です。勿論、欧米のエネルギーメジャー勢力の意向も
あったのでしょうが。

終戦直後からも直されない財政法のあり方も、大きな
問題と心得ます。これは健全な政治力を以て見直され
ないとという所ですね。全部を語ったかどうかという所
ですが、改めて安倍元総理と森永元教授への弔意と共に、
青山、西田両参議のつつがないご活動を拙者も祈念致します。
今回連載も、お疲れ様でした。
返信する
森永氏について (onecat01)
2025-03-18 10:36:54
 HAKASEさん

 森永氏は憲法改正反対論者です。平和憲法を守るべしと言い、もし外国が攻めてきたら、自分だけ一人で逃げると言った人物です。

 だから私もしの意見を、財務省告発に限って支持しています。

 首相暗殺の推測も、「ねこ庭」の推測ですから、森永氏のことをあまり偉そうに批判できません。

 自分だけが納得している推測を、真剣に読んでいただき感謝しております。

 今後ともよろしくお願いいたします。
返信する

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

徒然の記」カテゴリの最新記事