先日亡くなった森永氏は、死の寸前まで動画の中で財務省の告発を続けていました。
本日紹介するのは、氏が語った故安倍首相と財務省の対立の説明です。「アベノミクス」という言葉は、一時流行語のように語られていましたが、これが財務省と敵対関係を生んだ決定的な政策だったとは、氏の説明を聞くまで知りませんでした。
平成24 ( 2012 ) 年12月から、令和2 ( 2020 ) 年9月まで続いた政策です。
〈 アベノミクスの定義 〉
・規制改革をし、成長分野への投資促進によって日本経済の生産性を高め、潜在成長力を高める。
氏はこのように定義し、3本の矢の説明をします。
・1本目の矢・・・大胆な金融緩和 → 日銀の協力で一時的に成功
・異次元の金融緩和により、円安と株高を狙う
・2本目の矢・・・機動的な財政策 → 財務省の抵抗で不成功
・大規模な補正予算による公共投資と、復興需要への支出をする
・3本目の矢・・・民間投資を喚起する成長戦略 → 財務省の抵抗で失敗
・TPPへの参加によるグローバル市場への積極関与も成長戦略の一環として考えた
〈 森永氏の説明 〉
・アベノミクスの最大の障害は、財務省の抵抗と消費税率の引き上げだった
・財務省は財政再建を最優先課題と位置付け、歳出削減と増税による財政健全化を目指し、アベノミクスの大規模金融緩和と財政出動に当初から反対した
・企業収益は伸びたが、実質賃金に反映されず、個人の購買力が上がらなかった。GDPの60%を占める個人消費が伸び悩んだ。
・財務省は伸びた税収を公共投資と復興需要へ回さず、財政赤字の補填に使い、社会へ還元しなかった。従って景気の好循環が生まれなかった。
・このため安倍氏は、消費税率の5%から10%への引き上げの1年半延長を決断した。翌平成28 ( 2016 ) 年6月更に2年半の延期を決断した
・平成29 ( 2017 ) 年2月森友学園問題が報道され、安倍政権への攻撃と非難が始まった。
・令和2 ( 2020 ) 年9月に安倍氏が退陣し、菅内閣が誕生した。菅内閣は財務省のいうとおりの、「財政再建」と「増税路線」を掲げた。
「末期癌の自分は、もう何も恐れるものがないから、遺言のつもりで財務省の闇を話せるだけ話す。」
森永氏はどの動画でもこのように言い、財務省への批判を続けました。今回の意見もその流れですから、特に説明をしていませんが「森友学園問題」に財務省の影を感じさせます。
マスコミが騒いだ「安倍おろし」の動きは、「森友学園問題」だけでなく、「加計学園問題」「桜見の会問題」と沢山ありましたが、財務省が全てに関わっていたのでしょうか。
こうした対立関係の中に、平成25年7月の安倍首相の決断 ( 日本政策投資銀行幹部への指示 ) を置いて見ますと、今まで見えなかった景色がもう一つ見える気がします。
・財務省は、「PBバランス教」を信じるカルト集団だ
長い間国民の目に見えなかっただけに、財務省の隠れた力の大きさを驚く方に忙しい「ねこ庭」です。森永氏は断定しますが、日本最強の省庁をそこまで言い切る勇気はありません。
「財務省解体論」を主張する過激な人もいますが、そういう荒療治をする必要はないのです。東大法学部を優秀な成績で卒業した、日本で最も頭脳明晰な官僚組織と自負し、他の人々からも言われている財務省です。悪人の集団であるはずがなく、日本のために「法律」を遵守し、政治家を指導していると信じる官僚諸氏の集まりです。
優秀な彼らが遵守している「法律」を、政治家が改正すれば力の源泉が消滅します。
精読に至っていませんので 余りの言及は控えますが、
或る意味「命懸け」の追及や批判だったと心得ます。
森永元教授の全部を支持する訳ではありませんが、
故・安倍元総理の経済政策アベノミクスが有効に機能
したとは言えない背景が、一定は理解できた気もする所です。
森永元教授の関与の範囲ではないかもですが、
メタンハイドレートなど 我国独自資源開発調査などが
進まなかった背景も、一つは財務省絡みかとも思わされる
所です。勿論、欧米のエネルギーメジャー勢力の意向も
あったのでしょうが。
終戦直後からも直されない財政法のあり方も、大きな
問題と心得ます。これは健全な政治力を以て見直され
ないとという所ですね。全部を語ったかどうかという所
ですが、改めて安倍元総理と森永元教授への弔意と共に、
青山、西田両参議のつつがないご活動を拙者も祈念致します。
今回連載も、お疲れ様でした。
森永氏は憲法改正反対論者です。平和憲法を守るべしと言い、もし外国が攻めてきたら、自分だけ一人で逃げると言った人物です。
だから私もしの意見を、財務省告発に限って支持しています。
首相暗殺の推測も、「ねこ庭」の推測ですから、森永氏のことをあまり偉そうに批判できません。
自分だけが納得している推測を、真剣に読んでいただき感謝しております。
今後ともよろしくお願いいたします。