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石破氏の「総裁選」会見動画 - 6 ( 日本が米国内に軍事基地を置く ? )

2018-09-09 16:28:51 | 徒然の記

  石破氏の、総裁選会見動画の最終回です。氏の発言を紹介します。

  ・最後に安全保障政策について、短く説明いたします。

  ・わが国の安全保障につきましては、今から17、8年前の中谷防衛庁長官の時代のものになりますが、その後私も長官として関わった、「統合防衛力整備体制」の徹底を図って行きます。つまり、統合運用です。

  ・この計画の実を上げるためには、北、日本海、東シナ海の、三つのシアターを想定しなければならない。

  ・それぞれに「作戦本部」を置き、これをまとめる「統合作戦本部」を創設する。その体制整備を、目指していかなければなりません。この「防衛力統合整備」を進めていくために、固定的な防衛費の予算配分を廃止します。

  ・何よりも重要なのは、敵を日本に上陸させないことです。日本国を絶対に、戦場としてはならない。そういう体制をどうすれば構築できるのか、統合運用の中で、徹底的な討議を進めていきます。

 「統合防衛力整備計画」の骨子は、何なのか。三つのシアターとは、何なのか。説明無しですから、聞いている者には分からないままです。敵を上陸させないという覚悟は分かりますが、その方法をこれから討議していきますというのでは、頼りない話です。

 敵がミサイルで核攻撃してきたら、「上陸させない」と言っても、飛んで来るミサイルには通じません。着弾したら、日本の国土が壊滅状態です。17、8年前とは状況が違っているのに、軍事専門家を自認する氏が、この程度の認識なのでしょうか。

 短く述べますと前置きしている通り、なるほど、説明無しで短い意見です。

  ・次に日米同盟の深化について、申し上げます。

  ・海上自衛隊は別ですが、航空自衛隊と陸上自衛隊の訓練が、今の日本ではできません。国土が狭いため、場所がありません。

  ・この解決のためには、今のドイツがやっているように、米国内に常設の訓練場を創設しなければなりません。

 ドイツがそのようなことをやっているとは、知りませんでした。

  ・そのためには両国の間で、「地位協定」が必要となります。互いに対等の立場で、新しい協定が作られますと、現在の「日米地位協定」も見直されます。米国内に訓練基地を置くということは、米国が日本国内に基地を置いていることと状況が同じです。

  ・つまり日本では日本国が家主であり、米国の軍隊がゲストであるという関係です。

  ・自衛隊の基地や駐屯地の中に、米軍がゲストとして駐留するという形は、日米同盟を更に深化させ強化いたします。

 興味深い意見ですが、米国内で訓練基地を借用することが、そのまま現在の日米地位協定の見直しにつながるとは考えられません。可能なら画期的なことですが、歴史的背景を考えれば、米国は納得しないでしょう。

 現在の基地は、米国が日本に借用を申し入れたのでなく、戦勝国の米国が奪ったものです。日本のためでなく、アメリカの世界戦略としての基地です。中国に劣らず尊大で強権的な米国が、氏の言う家主とゲストの理論を認めるでしょうか。

 いまだに属国でしかなく、満足な軍隊も持てない日本を、米国は果たして対等な国として扱うでしょうか。

 「米国内の訓練基地は米国が家主、日本の米軍基地は戦勝国が得た戦利品」と、結局は、絵に描いた餅になるような気がします。

  ・将来的には、集団的安全保障体制の構築を進めてまいります。オーストラリア、シンガポール、インド、NATOとの連携です。

 ここまできますと、氏の意見に失望します。現在の憲法では、集団的自衛権が認められていません。昨年の7月に、安部総理が「有事法制関連三法案」を国会に提出した時、どれだけの騒ぎが生じたか。産経を除く日本中のメディアが、反日亡国の共産党を筆頭に、「戦争法案反対」「戦争をたしがる安部」と、連日のように狂いました。

 氏の言う「集団安全保障体制」を作るなら、前提条件は「憲法改正」と「自衛隊の国軍化」です。国連のPKOに参加しても、敵に反撃出来ず、他国の軍隊に守られているような自衛隊と、どこの国が手を組むと言うのでしょう。 

 氏の意見がアメリカと討議し、了解を得た上でのものなら反対はしません。しかし米国がそういう了解を与えたとしたら、第一面を飾るトップニュースです。マスコミが黙っていませんし、日本中が大騒ぎになります。

 総裁選の思いつきで語るような案件ではありせん。私はここに、氏の無責任さと政治家としての無能さを見ます。

 「所信表明」会見に関するブログを、終わろうと思いますが、このままでは不公平感が残ります。氏の意見は一言一句聞き漏らしませんでしたが、安部総理の意見は、真剣に聞いた記憶がありません。

 「憲法改正」と「女系天皇問題」以外はひどい政策が沢山ありますし、国会の答弁では、石破氏に劣らない曖昧さがありました。

 日本の崩壊につながる外国人受け入れにしても、安価な労働力を欲しがる大企業に応えるための悪政です。私は日本を大事と願う国民ですから、石破氏にも公平に接したい気持は持っています。

 氏は「外国人参政権」の付与について、ハッキリ反対していますし、家族の崩壊につながる「夫婦別姓」にも賛成していません。平成25年の11月に、「特定秘密保護法案」に反対し、国会周辺で行われたデモについて、氏は次のように語っています。

  ・今も議員会館の外では、「特定機密保護法」絶対阻止を叫ぶ、大音量が鳴り響いています。

  ・いかなる勢力なのか、知る由もありませんが、左右どのような主張であっても、ただひたすら己の主張を絶叫し、多くの人々の静穏を妨げるような行為は、決して、世論の共感を呼ぶことはないでしょう。

  ・主義主張を実現したければ、民主主義に従って理解者を一人でも増やし、支持の輪を広げるべきなのであって、単なる絶叫戦術は、テロ行為とその本質において余り変わらない。

 たまには、こういう正論も言うのです。

 野党に魂を売った議員と口を極め氏を攻撃しましたが、氏が違う顔を持っていることだけは付言しておきます。それでもなおかつ、私は氏が嫌いであり、総理候補として認めてならないという意見は不変です。

 私一人が嫌っても、氏が本物の自民党の議員なら、理解者が増え、支持の輪が広がるはずです。国民の思潮はゆっくりと流れ、ゆっくりとしか変化しないので、慌てて結論を出す必要もないという気がします。

 時の試練が、明らかにしてくれると信じて、「所信表明」会見に関するブログを終わります。

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感想 (あやか)
2018-09-10 07:52:52
石破氏の『防衛政策』は確かに、それ自体は【正論】です。
★しかし、『言葉』というものは『人格』が背景にあってこそ生きるものですから、非人格者がいくら最もらしいことを言っても誰も相手にはしないでしょう。
 
★ところで石破氏は、昔、防衛大臣をしたことがあったらしいですが、そのとき中国の新聞記者のインタビューに対して、
さんざん中国に平身低頭し、おもねるような発言をしていたらしいです。
 渡部昇一先生が、石破のことを国賊と見なしたのは、それがきっかけです。
防衛大臣という立場の人は、『仮想敵国になりかねない国』に対しては決して頭を下げてはいけないはずなんですね。

☆日本の陸上自衛隊を、アメリカ本土を借りて訓練する構想は、現実的には無理だと思います。

★ところで、本論のテ-マとは、少し離れて申し訳ないですけど、、、、、、
アメリカの外交政治家にキッシンジャーという人がいました。(たふん、今でも高齢で生存してると思います。)
年輩者のお話しでは、相当、腹黒い人らしいです。
 そのキッシンジャーが1970年頃、中国と秘密の外交交渉をしたとき中国の首脳に対して、『日米安保条約と在日アメリカ軍基地は、日本を保護するとともに(日本が独立の軍事国家にならないように)日本を【監視】するためにある』と言ってたそうです。
 私は、【ああ、これがアメリカの本音だったんだ】とつくづく思いました。
もちろん、これは40年以上昔のことです。いまでは日米安保条約の意味づけは変わっているでしょう。
☆☆ただ、私は、この事を聞きまして、。。。。
日本は本当に、【自分の国は自分でまもらなければならない!!】、と言う思いを新たにしました。(もちろん、沖縄も含めてです、、!!)
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瓶の蓋論 (onecat01)
2018-09-10 12:33:47
あやかさん。

 渡部氏が、石破氏を国賊呼んだのは、皇室問題でなく、防衛大臣としての言動でしたか。

 いずれにいたしましても、石破氏は、愚かな人物です。本日「NHKニュース」で報道された、総理候補者の演説をブログにしましたので、ご覧ください。

 さて、日本を憎んでやまないキッシンジャーの、瓶の蓋論ですが、もちろん知っています。昭和46年に、周恩来首相に語った言葉です。

 どんなにひどい言葉だったか、知らない人のために、ここで敢えて、引用いたしましょう。こういう人間がアメリカにいて、日本の憲法改正を妨害し、これに協力している政治家や、学者や、文化人どもがいるのですから、私は強い憤りを感じています。こういう人間こそ、反日・野党と同様の「獅子身中の虫」であり、「駆除すべき害虫」です。

 「もしわれわれが、日本から撤退すると、原子力の平和利用計画により、日本は十分なプルトニウムを保有しているから、」「われわれが撤退すると、とってかわるのは、決して望ましくない日本の核計画なのであり、われわれはそれに反対なのです」

 「日本が大規模な再軍備に乗り出すのであれば、中国とアメリカの伝統的な関係、第二次大戦時の同盟関係、が復活するでしょう。」「ようするに、われわれは、日本の軍備を、日本の主要四島防衛に押しとどめることに最善をつくすつもりです。」

 「しかし、もしそれに失敗すれば、他の国とともに、日本の力の膨張を阻止するでしょう」。
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