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ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

自由民主党の「立党宣言・綱領」- 25 ( ねこ庭の役目 )

2024-12-05 08:04:16 | 徒然の記

 今回のシリーズの検討範囲は、昭和20年8月の玉音放送で日本がアメリカの従属国家となった時から、令和6年9月反日リベラルの「石破内閣」が成立するまでの期間でした。

 「ねこ庭」は、この79年の間にアメリカが日本を属国にした具体的な動きを、三段階に分けて検討してきました。

   ・第一段階・・GHQ統治による「日本弱体化政策」の実行
 
   ・第二段階・・プラザ合意による「日本弱体化政策」の実行

    ・第三段階・・安倍内閣への危機感による「日本弱体化政策」の実行

 「平成22年綱領」と【 平成22年綱領解説 】と「中央政治大学院」の件は、上記第二段階での出来事でした。

 アメリカの属国から脱却するための「憲法改正」と「皇室護持」は、曖昧な言葉に置き換えられたまま、アメリカの反日勢力を喜ばせる結果として終わったことになります。

 シリーズのまとめをしますと、「第三段階」の結論と同じになります。これについては別のシリーズで既に述べていますが、重複しても語るだけの重要性があります。

 第三段階の「アメリカの関与」( 日本弱体化計画 ) について、大手マスコミと学者、与野党の政治家は、「ねこ庭」と全く違った解釈、と言うより、「アメリカの関与」自体に言及していません。

 「安部派の裏金事件」と「安倍派の元統一教会との癒着問題」が、自由民主党に対する国民の信頼を失わせ、衆議院選挙での大敗に繋がったと主張しています。

 しかし「ねこ庭」は、下記一連の事件を検討して別の意見を持ちました。

     ・ 令和3年6月 ・・  安倍内閣  「国民投票法」改正

     ・ 令和3年12月 ・・岸田内閣  「有識者会議報告書」で、「11宮家の皇籍復帰」が議題として初めて取り上げられた

  令和4年7月 ・・   安倍首相暗殺      ( アメリカの意向  )

  令和4年7月 ・・「 統一教会問題」キャンペーン開始   ( アメリカの意向  )

  令和4年9月 ・・ 故安倍首相国葬

  令和5年4月 ・・ 岸田首相襲撃事件    (  アメリカの意向  )
 
   令和5年11月 ・・「裏金問題」キャンペーン開始   ( アメリカの意向  )
 
   令和6年9月 ・・「総裁選挙」高市氏優勢
 
   令和6年9月 ・・「高市当選を望まない」とのマスコミ報道  ( アメリカの意向 )
 
   令和6年9月 ・・ 反日リベラル石破氏の逆転勝利と「石破内閣」成立
 
 〈「ねこ庭」 が考える一連の騒動と自民党大敗の原因 〉

  ・日本を属国にしているアメリカは、「憲法改正」と「皇室典範の改正」を常に危機感と恐怖心を持ち注視している。

  ・アメリカは、「憲法改正」と「皇室典範の改正」の直前まで政策を進めた安倍氏の暗殺と、最大多数安部派一掃の計画を実行に移した。

  ・突然始まった「元統一教会問題」と「裏金問題」による安倍氏と安部派攻撃キャンペーンは、アメリカの意向を受けた「トロイの木馬」たちの協力によるものである。

  ・後継の岸田首相が安倍氏の政策の継続を公言したので、首相の動きを封じるため氏の暗殺未遂事件を起こした。

  ・アメリカの「意向」を察し身の危険を感じた岸田首相は、以後全てアメリカの「意向」に従って行動するようになった。

 上記事件の赤字で表示したものが、アメリカが岸田首相に伝えた「意向」だった。反日リベラルの石破内閣の成立は、第三段階のアメリカの関与の成功である、というのがシリーズのまとめになります。

 誰もこのような意見を述べませんが、「戦後日本史の大河」の淵に立てば、これも一つの見方ではないかと思います。納得してもらえるかどうかは、息子たちと「ねこ庭」を訪問される方々にお任せします。

 89名の読者登録の「ねこ庭」であっても、「草莽崛起」の発信を続けていくことが、国民の役目ではないかと考えております。シリーズは今回で終わりますが、「ねこ庭」に終わりはありませんので、これからもよろしくお願いいたします。

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自由民主党の「立党宣言・綱領」- 24 ( 中央政治大学院について )

2024-12-04 17:04:31 | 徒然の記

 楽しい驚き、腹立たしい驚き、愕然とする驚きなど、驚きにもいろいろな種類があります。

  「自主憲法の制定は、自由民主党の党是である。」  

 「温故知新の読書」で教わり、ネットの情報でも知らされていましたので、党是である「立党宣言」をしっかり読み、息子たちと「ねこ庭」を訪問される方々に紹介したいと、期待しながら始めた今回のシリーズでした。

 過去に3回出されている「文書」を検討すれば、自由民主党の目指すものが確認できるという希望が消え、自由民主党の議員諸氏への注文だけが明確になったという驚きが残りました。

  「自主憲法の制定は、自由民主党の党是である。」

 この言葉が口伝えで残されていたことを、むしろ奇跡と感じています。過去の「立党宣言」が自由民主党の「憲法」というのであれば、議員諸氏は自らが「立党宣言」を尊重し広めなければなりません。

 青山繁晴氏や西田昌司氏だけでなく、自前の動画で国民へ発信している議員が沢山います。早速議員諸氏は今日からでも、自由民主党の憲法「立党宣言」の歴史や、内容について熱い思いを語ってはどうなのでしょう。

 ご存知の方がおられると思いますが、自由民主党は、党員を対象にした学校を運営しています。自民党のホームページで、次のように説明しています。

 〈 中央政治大学院について 〉

  ・中央政治大学院は、昭和30年11月の自由民主党立党時に「党員の資質向上」「人材の発掘、育成」を目的にその設置が構想され、2年弱の準備期間を経て同32年7月に開校されました。

  ・開校以来、党本部をはじめ全国各地で講演会を開催するなどの啓発活動を展開し、各地域を担う多くの人材を輩出しました。

  ・平成5年には党機構の改編に伴い、他の党機関と統合され研修活動を続けてきましたが、党員教育の一層の充実を求める声が高まり、平成13年にあらためて中央政治大学院が設置されました。

  ・有馬朗人参議院議員(元東大総長)が、学院長に就任。以降、歴代の学院長の教育方針に基づき、各種セミナーや講座、シンポジウム等を開催し、今日に至っております。

 こういう立派な学校があるのに、「憲法」である「立党宣言」が教科として取り上げられた様子がありません。「学びの庭」を自称する「ねこ庭」には、登録された読者の方が89名おられ、日本の明日を思う学徒の集まりと考えております。

 「ねこ庭」でさえ「立党宣言」を学んでいるというのに、自由民主党の大学院で肝心の「党の憲法講座」がないというのは、これもまた驚きであり失望です。自由民主党は組織が大きくなり過ぎて、縦横の連携がなくなっているのでしょうか。

 「草莽崛起」の基本精神を忘れては、共産党員の活動に勝てるはずがありません。

 19世紀にロシアで革命運動が起こった時、青年革命家たちは「ヴ・ナロード」と叫んで活動したと言います。「ヴ・ナロード」とは、「人民の中へ」という意味のロシア語です。

 「ねこ庭」はこれを「ロシア版・草莽崛起」と考えています。ネットの説明を読みますと、まさにその通りです。

  ・1874年春、学生を中心とする数千人の青年革命家たちが、宣伝用パンフレットを携え、農民服に身をまとって農村に赴き、農民を革命に立ち上がらせようとした。

 現在は草創期の精神を失い、国民弾圧の全体主義政権となっていますが、共産党の原点は「ロシア版・草莽崛起」だったことを「ねこ庭」は忘れていません。日本共産党はこの精神を引き継ぎ、党員たちの日常活動が、今も地域住民の中できめ細かに続いています。

 幸いなことにマルキシズムが、日本の土壌に根付かない外来思想なので助かっていますが、「草莽崛起」を忘れた自由民主党の驕りを、今回の検討作業でまた教えられた気がします。

 中断していた「中央政治大学院」の説明に戻ります。

  ・平成22年1月、それまで都道府県連が独自に主宰、運営していた政経塾やリーダー育成塾が「地方政治学校」として党則に位置づけられ、各校との連携、支援が強化され、中央政治大学院を中心として各地方政治学校の活性化が図られました。

  ・これにより地方政治学校出身者の各級選挙への立候補が促され、多くの人材を輩出、その当選者が全国各地で活躍しております。

 地方にも組織が広がっているのというなら、立党精神の「憲法講座」開設の重要性がますます高まります。

  ・日本の将来を憂慮しておられる良識ある国民の皆さま、私たちの掲げる旗への理解と共感を広げ、共に誇りと活力のある日本をつくっていこうではありませんか。

  ・この「綱領」を党再生の礎、党結束の象徴として、私は不退転の決意で自民党再生の道を切り開いていくことを、お誓い申し上げます。

 谷垣氏が悲壮な決意で挨拶をした時は、すでに「中央政治大学院」は開校していました。「ねこ庭」は狭い庭から発信をしていますので、視野の狭い意見を主張しているのかもしれませんが、自民党総裁の谷垣氏にはせめて党全体を眺めて欲しいものです。

 氏が「中央政治大学院」に気づかないとしても、副総裁の大島理森 ( ただもり )氏、幹事長石原伸晃氏氏、総務会長小池百合子氏、政調会長石破茂氏の誰かが、同校の活用に思いが回らなかったのでしょうか。

 現在の学院長は、衆議院議員の遠藤利明氏です。元パラリンピック・オリンピック担当大臣で、元谷垣派、今は無派閥の議員です。そして学院長の下には11人の副学長がいて、大臣経験者が複数います。

 今からでも大学院の講座に、「立党宣言」を追加すべきと思いますが、元谷垣派の遠藤議員が学院長では期待する方が無理なのでしょうか。

 ならば谷垣氏と危機感を共にし、「平成22年綱領」を作成した当時の政調会長だった石破氏が、今は首相になっています。

 けれども四面楚歌の状況下で綱渡りの政治をしている氏に、期待するのは酷な気がします。今回でシリーズのまとめにする予定が、また伸びそうです。

 このまま終わりますと谷垣総裁への苦情で終わりそうなので、不遇な総裁だった生真面目な氏を思いますと、それはそれで心の安心が得られません。惑いつつ。躊躇いながらの「ねこ庭」に、おつき合い頂ける方は次回もお越しください。

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自由民主党の「立党宣言・綱領」- 23 ( 草莽崛起 )

2024-12-04 07:59:16 | 徒然の記

  ・日本の将来を憂慮しておられる良識ある国民の皆さま、私たちの掲げる旗への理解と共感を広げ、共に誇りと活力のある日本をつくっていこうではありませんか。

  ・この「綱領」を党再生の礎、党結束の象徴として、私は不退転の決意で自民党再生の道を切り開いていくことを、お誓い申し上げます。

 谷垣総裁はこのように国民へ呼びかけ、「自由民主党が何をする党が分からない。」と言われたことに危機感を抱いたと語りますが、一番にやるべきことは「草莽崛起」だったのではないでしょうか。

 「草莽崛起」をウイキペディアが、次のように説明しています。

  ・ 江戸時代末期に、吉田松陰が庶民・大衆主体の改革を望んで唱えた思想として知られる。

  ・志を持った在野の人々が一斉に立ち上がり、大きな物事を成し遂げようとすることを意味する語。

 新しい国を作ろうという大きなことをするのですから、過去の「立党宣言」を懐に抱いて、自由民主党の議員が全員郷里へ戻り、党の理念と政策を懸命に人々に訴えるのが先だったような気がしてなりません。これがいわゆる「草莽崛起」の活動でしょう。

 鳩山一郎首相が作った「立党宣言」と小泉首相が作った「50年立党宣言」の中身が、時代にそぐわないというのなら改定の必要があるのかもしれません。

 しかし「立党宣言」、「50年立党宣言」、「平成22年綱領」の3文書を並べて読みますと、「50年立党宣言」と「平成22年綱領」の内容に大きな違いが見つかりません。

 谷垣総裁たちが余計なことに労力を費やすから、シリーズの18回目に書いたような誤解が生じます。

  ・説明を読んで、「平成22年綱領」と【 平成22年綱領解説 】のいずれが正式の「立党宣言」なのか、「ねこ庭」は判断できなくなりました。

  ・双方の文書には重複した項目が幾つもあり、何のために二種類を作ったのか目的が説明されていません。

 「平成22年綱領」と【 平成22年綱領解説 】の話ですが、「50年立党宣言」との違いが説明されていないのですから、「50年立党宣言」を知っている国民はもっと混乱します。

 「ねこ庭」から見ますと、「自由民主党が何をする党か分からなくしている。」のは、谷垣総裁以下の「新綱領策定委員会」のメンバーではないかと思いたくなりました。

 前回総裁の挨拶文を読んで、「平成22年綱領」が党の正式文書だと分かりましたので、以後は【 平成22年綱領解説 】の検討をやめることにしました。

 細かなことと言われるかもしれませんが、過去二回の文書が「宣言」という言葉を使っているのに、今回は「宣言」の言葉を使用せず、「宣言」の内容である「綱領」に変更しています。何故わざわざそのようにしたのか、意味が分かりません。

 「ねこ庭」が、谷垣総裁と「新綱領策定委員会」メンバーの苦労を脇に置いて批判するのには、理由があります。「アメリカの属国」から脱却するためには、何をおいても「憲法改正」と「皇室護持」が日本の優先課題だからです。

 二つの課題を解決しない限り、日本の未来像は描けず、国際社会で役に立つ日本にもなれません。小泉首相が公表した「50年立党宣言」には、曖昧ながらも該当する文章が書かれていました。

 それなのに議論を尽くしたという「平成22年綱領」では、二つの重要課題の旗印がさらに曖昧になり、抽象的になっています。言いたくはなかったのですが、やはりリベラリストの谷垣総裁が作った「自由民主党の憲法」はこの程度のものだったのかという失望です。

 首相になった石破氏が、つい最近まで「女系天皇もあり得る」と言ったり、「憲法改正」について曖昧な態度なのは、谷垣総裁のもとで「新綱領策定委員会」のメンバーだった影響があるのでしょうか。

 これでは「アメリカの属国からの脱却」が出来ず、日本の独立が遠のいてしまいます。アメリカは喜ぶのでしょうが、国を愛する国民は「新綱領策定委員会」のメンバーの仕事に失望します。

 従って「50年立党宣言」と「平成22年綱領」の検討作業は、今回で終わりにしたいと思います。両文書は自由民主党のホームページにありますので、興味と関心のある方は各位で確認されることをお勧めいたします。

 参考のため、両文書の構成を紹介しておきます。

 〈「50年立党宣言」〉

    前      文   新綱領 ( 8項目 )          新理念 ( 6項目 )

 〈「平成22年綱領」〉

    現状認識   綱領 ( 3項目 )  ・・  さらに3項目が、それぞれ3つ、6つ、6つに分かれる。

 次回は、今回のシリーズのまとめを致します。興味のある方だけ、お越しください。

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自由民主党の「立党宣言・綱領」- 22 ( 【 平成22年綱領解説 】の検討 )

2024-12-03 19:41:37 | 徒然の記

 初めて下野した自由民主党が、党を挙げて政権奪還を目指しているためか、【 平成22年綱領解説 】は以前の構成と異なっています。

 本文の前に谷垣総裁の挨拶文が入り、【 平成22年綱領解説 】の全文は「政権構想会議座長・伊吹文明氏による解説という組み立てになっています。

 以後見直されていませんので、この文書が自由民主党の最高法規、憲法ということになります。労を厭わず、姿勢を正して、息子たちと「ねこ庭」を訪問される方々に紹介したいと思います。

〈 谷垣総裁の挨拶 〉「新たな綱領策定にあたって、党百年の礎として」

  ・昨夏の総選挙での歴史的大敗の結果、わが党は政権与党の座を降りました。

  ・そして私が自由民主党第24代総裁に選出され、わが党史上二人目となる野党党首・自民党総裁として、党再生という重い職責を担うこととなりました。

  ・就任以来、私は全国各地へと足を運び、有権者の皆様の声に耳を傾けてまいりました。その中で、「自由民主党とは一体どういう党なのか。」「国民のために何をしてくれる党なのか。」とのお尋ねを、多くの方々から頂きました。

  ・「しっかり反省して立ち直ってほしい。」とわが党再生を期待してくださる皆さま方からも、「自民党の顔が見えない。」と歯痒さを感じまた忸怩たる思いでおられるのが、伝わってまいりました。

  ・こうした国民の皆さまのお気持ちにお応えすべく、「自由民主党とはこういう政党である」というものを、早く示さねばならないとの思いを強くしておりました。

  ・それに対する答えとなるのが、今回採択されたこの新しい綱領です。総裁に就任時、「私自身が先頭に立って党再生に取り組む」との決意を実行に移すため、伊吹文明先生に座長をお引き受けいただき、「政権構想会議」を立ち上げました。

  ・この会議では、自由民主党はどういう理念で政治を行い、その政治理念を具現化する政策体系は何であるのかという、党の拠って立つ、基礎となる部分の議論を重ねて参りました。

  ・わが党の理念、政治姿勢、基本的政策、目指す国家像を示し、党の正式文書としてまとめたものが、「平成22年綱領」であり、まさに党再生の礎となるものです。

  ・わが党が永らく護り抜いてきた自由と民主の価値観の上に、「日本らしい保守」の旗を高らかに掲げたこの「綱領」の精神は、時代の流れの中でも普遍的価値を持つものであると共に、自助・自立を基本としながら、困っている人がいればお互いに助け合う共助の精神を大切にし、さらには国が支える公助があるという、私の考える「絆の政治」「おおらかな保守主義」と通ずるものであります。

  ・日本の将来を憂慮しておられる良識ある国民の皆さま、私たちの掲げる旗への理解と共感を広げ、共に誇りと活力のある日本をつくっていこうではありませんか。

  ・この「綱領」を党再生の礎、党結束の象徴として、私は不退転の決意で自民党再生の道を切り開いていくことを、お誓い申し上げます。

  ・皆さまのご理解とご協力を、こころよりお願い申し上げます。

 谷垣総裁の挨拶の全文を、紹介いたしました。党再生にかける氏の意気込みを知りましたが、読後の感想は「失望」です。

 戦後79年が経過しても、アメリカが作った憲法を一字一句変えようとしない自由民主党に疑問を抱きますが、党の憲法とも言える「立党宣言」を簡単に作り変える姿勢にも同じ疑問を抱きます。

 ここまでの反省をするというのなら、過去二回の「立党宣言」のどこに不都合があったのか、どの点を変えようとするのかを国民に伝えなくてなりません。

 「日本国憲法」に対し自由民主党がつくった「改正案」は、現行憲法との逐条対比で国民に公開しています。

 「自由民主党とは一体どういう党なのか。」「国民のために何をしてくれる党なのか。」と問いかけた国民の声を重要視するというのなら、谷垣総裁以下党の幹部は的外れな対応をしているのではないでしょうか。

 党の拠って立つ、基礎となる部分の議論を重ねてきたというのであれば、なおさら具体的な逐条対比を国民に示すのが本筋でしょう。

 日の丸を背負いながら、自信に満ちて小泉首相が国内外に示した「50年宣言の」どこに問題点があるのか。どこに下野の原因を見たのか。氏の挨拶文では何も語られていません。

 「保守でもなく左翼でもなく」「右でも左でもない」、「50年宣言」を小泉首相が策定したとしても、同じように「曖昧な言葉」を並べた「綱領」を作る意味がどこにあったのでしょうか。

 「戦後の日本史の大河」を眺めている「ねこ庭」に言わせてもらえば、「自由民主党とは一体どういう党なのか。」という国民の質問に対する対応は、「立党宣言」の作り変えではありません。

 ・自由民主党は、先輩の議員諸氏が臥薪嘗胆して作った過去の「立党宣言」を国民に伝える努力を怠ってきた。

 この一言に尽きます。

 松下村塾で育った勤王の志士たちは、「尊皇攘夷」を宣言する小冊子を懐に抱いて全国を歩き、明日の日本のため同志を集めたと聞きます。藩を超えた往来が困難な時代であるにもかかわらず、命懸けの啓蒙活動をしていました。

 谷垣氏と共に「綱領」を検討した各氏は、ご先祖さまが実行した地道な努力を少しは見習っていたのでしょうか。反省すべきはまずこの点ではないかと、「ねこ庭」は考えます。

 学徒を自認する私が80才になり、初めて自由民主党の「立党宣言」の存在を知ったことが、いかに啓蒙活動が手抜きだったかの証明になると思えてなりません。

 自民党の議員諸氏は党の「憲法」と口で言いながら、国民に伝える仕事をしていないのですから、「自由民主党は何をする党か」と、そんな質問が出てきます。

 党是の存在を知らなかった「ねこ庭」にも責任があるのかもしれませんが、ここは重要な点ですから、次回も検討作業を続けたいと思います。

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自由民主党の「立党宣言・綱領」- 21 ( 党幹部5人の挨拶 )

2024-12-03 08:47:51 | 徒然の記
  自由民主党総裁 谷垣禎一   副総裁 大島理森 ( ただもり )
 
  幹 事 長   石原伸晃   総務会長 小池百合子   政調会長 石破茂
 
 谷垣氏の挨拶で、5人の党幹部が分かりました。氏はこの時【 平成22年綱領解説  】を作成するため、「新綱領策定委員会」を新たに作り委員長に就任しています。
 
 【 平成22年綱領解説  】策定の委員名は書かれていませんが、幹部5名が主要メンバーだったことは確かです。
 
 政権奪還のため、党役員各氏の挨拶がありますので紹介します。14年前の謙虚な姿に驚かされますが、下野した時でしたから一層そうだったのかもしれません。
 
〈 大島理森副総裁 〉
 
  ・まずこの1年、この場で幹事長として皆さまにお世話になりました。ありがとうございました。
 
  ・この度、谷垣総裁の下で、新しい自民党のスタートを作るという意味で、副総裁をやりなさいというご指名とご下命を頂きました。私は、総裁を補佐し、党運営全体を見渡していく立場にあると思います。
 
  ・この1年間の党員、党友、そして各議員の皆さまのご議論、この1年間の歩みをしっかり踏まえつつ、今後において、まさに参議院選挙で示されたことですが、わが党の力を結集していくことが国民の期待に応えられる基本だということです。
 
  ・そのことをやらせていただくことが、私の使命だと思っています。石原幹事長、小池総務会長、石破政調会長が、谷垣総裁の下で思い切って仕事ができるように、その環境を作り、そのことに全力を尽くして、自民党が協同して、国民のために働く体制を作るのが私の責務だと思って、全力を尽くして、谷垣総裁の下で働かせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 
〈 石原伸晃幹事長 〉
 
  ・この度、谷垣総裁のご指名で、大島副総裁の後を受けまして、幹事長をさせていただく石原です。よろしくお願い致します。
 
  ・先程もご挨拶で申し上げさせていただきましたが、私たち自民党の立党の原点を忘れてはいけないと思います。
 
  ・政治は誰のためなのか。政党のためではありません。国民の皆さんのためであります。国家のためであります。そういうものが失われつつある状況で、日本の社会で、一体何が起こっているのかということを強く思います。
 
  ・豊かな時代だと思いますが、この円高不況、円高が進むことによって、輸出企業の収益が落ちる。中小企業が苦しい経営になる。そのために株価が低迷を続ける。それに対して有効な手立てを行っているのでしょうか。
 
  ・一国で円を買い支えることはできません。まさに外交力、経済政策に外交力が伴って、言葉を換えるならば、政治力が伴って初めて、この状態に対応することができる。
 
  ・そういうことが行われていない現状を憂い、私たちは、谷垣総裁の下、若い執行部ではありますが、国家国民のためにに全力全精神を傾注して、一心一途、一人一人が一途になって努力すれば、必ず為し得るという思いで頑張らせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願い致します。
 
〈 小池百合子総務会長 〉
 
  ・この度、総務会長を拝命しました小池百合子です。党3役初の女性ということで、まさに自民党の多様性、大抜擢を体現する形で、党の最高意思決定機関である総務会の会長を務めさせていただくことになりました。
 
  ・この総務会は、長い歴史があります。総務会において党運営、国会運営、そしてまた各種法案に対しての党としての態度を決めるという会議です。決定までには、自由闊達な意見が行われるわけです。
 
  ・様々な意見を得て、全会一致を旨として、結論を得る。この機関があることによって、国民の負託を得て選ばれて国会にいる私どもの一人一人の議員の代表である総務会の方々の意見をそこで集約する。
 
  ・どこかの政党のように、突然消費税が飛び出したり、突然国民の総意を受けてのガソリン税の暫定税率の廃止の廃止など、そのようなことは総務会を経ることのある自民党とはかなり違ってくる。
 
  ・「総務会は自民党としてのアンカーである」と、先程、田野瀬前総務会長から引き継ぎを受けたところです。今、国民の皆さま方の迅速な要望にも応えられるように、公平、公正かつ円満な総務会の運営を目指して行ってまいりたいと思います。よろしくお願い致します。
 
〈 石破茂政調会長 〉
 
  ・引き続き政務調査会長を拝命しました石破です。引き続きよろしくお願い申し上げます。
 
  ・新しく作った綱領に基づき、いろいろな政策を立案してまいりました。それは今さえ良ければ良いのではないという考え方で、日本さえ良ければ良いのではないという考え方で、作ってまいりました。
 
  ・何が真実であるかということを見極める。そして、それを語る勇気を持ち、わかっていただける真心を持つことが必要なことだと考えています。
 
  ・今までもそのように心掛けてまいりましたが、全員が参加する政策づくりを心掛けたい。そして、丁寧な議論を行いたい。しかし、足して2で割るようなことをするつもりはありません。
 
  ・税制改革にいたしましても、あるいは外交安全保障政策につきましても、あるいは農林水産政策につきましても、こうあるべきだということを打ち出すのが我々の使命であります。
 
  ・もう一度、自民党に任せようと国民の皆さま方に思っていただくために、来る統一地方選挙、総選挙、今度は選挙公約ではなく、政権公約ということになります。
 
  ・その作業をしてまいりましたが、さらに加速して、国民の皆さま方からもう1回自民党に(政権を)預けてみようと思っていただくべく、総裁、副総裁、幹事長、総務会長にご指導を頂きながら、全力を尽くす所存です。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 予定が遅れましたが次回から、謙虚だった党幹部が、政権奪還のため推敲した【 平成22年綱領解説  】の検討をいたします。

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衆議院の国会質疑 ( 石破首相の答弁 )

2024-12-02 18:29:00 | 徒然の記

 NHKの国会中継を久しぶりに見ました。番組表で確認すると一時から始まっていましたので、私が見たのは四時頃でしたから、最後の質問だったことになります。

 国民民主党の浅野哲氏の質問に、石破首相が答弁していました、

 ・103万円の壁問題、ガソリン価格の見直し問題、外国人土地購入問題、サイバー攻撃への積極的防御、憲法改正問題等

 不毛な国会質疑と思った時から、ほとんど見ていませんでしたが、偶然つけたテレビが国会中継をしていたのでつい最後まで見ました。

 既に立憲民主党の野田氏の質問が終わっていましたが、見終えた感想は、最初から見れば良かった、というものでした。

 険しい顔をして議場を睨みつけ、挑むように答えていた石破首相の印象が変わりました。印象を変えた一番の要因は、国民民主党の浅野議員の質問でした。

 喧嘩を売るような野党質問でなく、総理に向かい真面目に質問していました。

 質問の姿勢だけでなく、質問の内容も国民生活につながる大事な案件が多く、これが果たして野党の質問なのだろうかと意外感に打たれました。憲法改正問題や外国人土地購入問題への質問は、自民党の議員でもここまで踏み込まないのでは無いかと思わされました。

 健全野党の見本みたいな質問でしたから、答える首相も丁寧で落ち着いていました。「ねこ庭」で散々酷評してきましたが、案外頼もしい首相になるのではなかろうかと、そんな気になりました。

 「ねこ庭」は反日勢力でありませんから、石破首相を批判攻撃するのが目的でありません。首相が保守政党の政治家として、国民の負託に応えてくれるのなら、即座に支援します。

 シリーズの途中ですが、嬉しかったので、息子たちと訪問される方々へ報告したくなりました。

 これから本題へ戻りますと、再び石破氏批判のシリーズです。複雑な気持ちですが、「戦後日本史の大河」を見つめながら進めたいと思います。

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自由民主党の「立党宣言・綱領」- 20 ( 谷垣総裁の記者会見 )

2024-12-02 13:10:51 | 徒然の記

 ネットの世界は探せば色々あるもので、党役員の顔ぶれがこれで分かりました。平成22年9月9日に党本部の会見場で、谷垣氏が発表していました。

 【谷垣禎一総裁発言】とタイトルがついています。当時の政治情勢が分かりますので、そのまま紹介します。

 ・党役員の任期が9月末ということで、従前から9月に人事を行うと申し上げてきましたが、この度新しい執行部を任命させていただきました。
 
 ・私からご紹介申し上げますと、副総裁には大島理森 ( ただもり ) 氏にお引き受けいただきました。そして、幹事長には石原伸晃氏にお願い致しました。
 
 ・総務会長には小池百合子氏、女性のわが党3役は初めてということです。そして、政調会長には引き続き石破茂氏にお願いしたということです。
 
 ・このメンバーで、私どもは、これからの国民生活に安心をもたらすような政治を自民党として取り組んでいかなければなりません。
 
 ・今、民主党代表選挙が行われていますが、一方の候補は選挙で約束したことを破るのは嘘つきだとおっしゃった。もう一方の候補は政治とカネの問題で汚いことをしてはいけないとおっしゃっている。
 
 谷垣氏が語っているのは自民党の話でなく、政権党である民主党の内部抗争への言及です。平成22年の代表選挙は、失政続きの責任を取り鳩山首相が辞任した時の選挙で、小沢氏と菅氏が争い、菅氏が当選しています。
 
 ・どちらも本当のことですから、これが終わった時に、どのような結果になるのか。果たして国民に、極めて不安な社会生活に安心を与える路線を政権がお取りになれるのか、大変疑問に思います。
 
 幹事長だった小沢氏が党の資金を流用して個人の土地購入に使い、検察の捜査を受けた事件です。当時の情報がありますので、参考のため紹介します。
 
 ・小沢一郎の政治資金管理団体「陸山会」が所有していると報告された不動産は、登記簿上の所有者は小沢となっており、個人資産との区別が不明確であった。
 
 ・指摘されたのは、東京都内8戸(都内の千代田区麹町、港区赤坂、青山などの都心の一等地)と盛岡市、仙台市の各1戸で計10戸の一等地の不動産である。
 
 ・平成6年11月から15年3月に購入され、購入価格は6億1000万円に上った。
 
  トップニュースで報道されていましたから、多くの人が記憶していると思いますが、「政界の壊し屋」らしい悪どい「裏金事件」でした。
 
 安倍派の「裏金」は百万円、二千万円という議員もいますが、小沢氏が流用した「裏金」は一人で6億1000万円です。その小沢氏が、安倍派の「裏金問題」を批判攻撃しているのですから、政治家の厚顔ぶりがよく分かります。
 
 ハト派の議員らしく谷垣氏は、小沢氏の「資金流用問題」について穏やかに言及しています。
 
 ・そういうことを考えますと、私どもはきちっとした展望を示しながら、国民生活の明日に道を切り開いてなければなりません。
 
 ・このメンバーで必ず衆議院選挙に勝利する。そして、統一地方選挙も勝っていく。そして、国民に新しい明日を指し示していくということでなければならないと思います。
 
 ・そのためのベストなメンバー、自民党が政権を奪還した暁にも、必ず自民党を背負っていただける、明日の次世代のリーダーに、3役に入っていただいたということです。
 
 ・私どもは、この体制の下で、私も先頭に立って、一致団結して、目的完遂のために努力させていただくということです。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 
 谷垣総裁の使命は、失った政権を奪還することでしたから、【 平成22年綱領解説  】を新しくした目的はここにあったのかもしれません。
 
 政権奪還のため、氏と共に知恵を絞った党幹部の紹介は次回になります。
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自由民主党の「立党宣言・綱領」- 19 ( 谷垣禎一氏の経歴 )

2024-12-02 09:11:17 | 徒然の記

 12月2日月曜日です。今日から「平成22年綱領解説 】の検討作業に入りますが、今度のシリーズも既に18回を超えました。

 何時ものことですが、長くなると何のために書いているのか、最初の目的を忘れてしまいます。自由民主党が「保守合同」して時以来公開した、3つの「立党宣言」の検討をするのが目的ではありません。

 敗戦国となった日本が連合国軍総司令部 ( GHQ ) の統治下に置かれた時から、アメリカの関与 ( 「日本弱体化計画」) によって「アメリカの属国」にされました。これを第一回目のアメリカの関与として捉え、今日まで三回の関与を受けたと「ねこ庭」は理解しています。
 
 前にも言いましたように、下記「三段階の関与」です。
 
  ・第一段階・・GHQ統治による「日本弱体化政策」の実行
 
  ・第二段階・・プラザ合意による「日本弱体化政策」の実行

   ・第三段階・・安倍内閣への危機感による「日本弱体化政策」の実行

 これから検討しようとする「平成22年綱領解説 】は、アメリカの「第二段階の関与」中の出来事です。アメリカの目的は「弱体化した日本を属国化しておくこと」にありますから、自由民主党の「立党宣言」が曖昧になり空文化することを歓迎しています。

 党内の派閥対立と利権争いのため自民党が腐敗し、国民に愛想を尽かされて反日左翼政党に政権を奪われ、政界が混乱するのも大歓迎だったはずです。

 日本がアメリカの属国から脱し、独立国となり戦前の強国に戻らないことが、アメリカの国益であり正義でした。ブログを書いている自分が目的を忘れそうになりますから、息子たちや訪問される方々は尚更だろうと思います。

 谷垣総裁が公開した自由民主党の「平成22年綱領解説 】は、こういう時期に作られた文書だと頭に入れました。大事なことは、「戦後日本史の大河」を常に忘れない緊張感です。

 自分を戒めながら、谷垣禎一氏という政治家のプロフィールをウィキペディアに教えてもらいます。

 〈 谷垣貞一氏の経歴 〉

   ・昭和20年3月東京生まれ、満79才 衆議院議員12期

  ・父は文部大臣を務めた衆議院議員の谷垣専一、祖父は陸軍中将の影佐禎昭

  ・東大法学部卒業後、弁護士

  ・昭和58年、父・専一の死去に伴い、父の地盤を継承。同年の選挙に自民党公認で出馬し初当選、「宏池会」入会
 
  ・第二次橋本内閣で、科学技術庁長官で初入閣

  ・小渕内閣では大蔵政務次官に起用、第一次森内閣で金融再生委員長に再任。

  ・平成12年の「加藤の乱」で、宏池会会長の加藤紘一に同調、乱後の宏池会分裂に際しては加藤派に参加

  ・森政権下では不遇だったが、平成13年の小泉内閣では重用された。

  ・塩川正十郎の後任として財務大臣に横滑りし、小泉が退陣するまでの3年務めた

  ・平成17年加藤派を引き継いでいた小里貞利が引退し、同派最高顧問の加藤紘一の離脱に伴い小里派を継承、谷垣派会長に就任

        ・平成18年、自由民主党総裁選挙に出馬、安倍晋三に敗れた

  ・比較的タカ派色の強い安倍、麻生に対し、ハト派の谷垣が 3桁の票を獲得する健闘

        ・平成19年福田内閣で、国土交通大臣、海洋政策担当大臣、法務大臣

        ・平成21年、第24代自由民主党総裁・・自民党が下野し、民主党鳩山内閣成立

 ハト派・タカ派という懐かしい言葉が出てきて、氏はハト派だそうです。保守派の政治家である安倍氏がタカ派というのですから、現在の言葉で言いますと、谷垣氏はリベラル派議員となります。

 以上で谷垣氏の人物像がおよそ掴めましたので、次回は氏と共に「平成22年綱領解説 】を作った党幹部が誰だったのかを調べます。

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自由民主党の「立党宣言・綱領」- 18 ( 似たような文書が2種類 ? )

2024-12-01 19:41:29 | 徒然の記

 簡単に終われると思っていましたが、「立党55年宣言」は予想以上に複雑でした。

   1. 「 立党宣言 」 ・・ 「 綱領 」「 党の性格 」「 党の使命 」「 党の政綱 」  

     2. 「立党50年宣言」  ・・「新綱領」「新理念」

   3. 「立党55年宣言」 ・・  「現状認識」
 
 前回は「立党55年宣言」に「綱領」が無いと書きましたが、党の公報資料をよく見ますと、「現状認識」の中に「綱領」が含まれていました。
 
 資料のタイトルに「立党55年宣言」の言葉は無く、「立党55年 ( 平成22年 ) 1月24日」という表示の後に「平成22年綱領」とタイトルがあり目次が次のように書かれています。
 
   現状認識
 
    1.  我が党は常に進歩を目指す政党である
 
    2.  我が党の政策の基本的な考え方
 
    3.  我が党は誇りと活力ある日本像を目指す
 
 上記 1. 2. 3. の内容が更に細分化された項目になり、中を読むとこの3項目が従来の「綱領」にあたります。
 
 こうなりますと「現状認識」と「綱領」の上下関係が不明確になり、以前の「立党宣言」の組み立てでは理解できません。
 
 もう一つ複雑にしているのは、【 平成22年綱領解説 】という別の文書があることです。副題が大きな文字で次のように書かれています。
 
 「新しい綱領」
 
 「新たな出発 夢と希望と誇りを持てる国・愛する日本をめざして」

 この文書には「平成22年綱領解説」という名前がつけられ、「新たな綱領策定にあたって、党百年の礎として」と題する谷垣総裁の前書きがあります。

 【 平成22年綱領解説 】の目次は、次のように構成されています。

  〈 平成22年綱領解説 

    一、日本らしい保守主義を理念に再出発・・・更に3項目に別れる

    二、党運営と政策の基本的な考え方  ・・・更に4項目に別れる

    三、自民党の目指す国家像                   ・・・更に4項目に別れる

  〈 平成22年綱領 〉

    現状認識

    一、我が党は常に進歩を目指す政党である  ・・・更に3項目に別れる

    二、我が党の政策の基本的な考え方は次による・・・更に4項目に別れる

    三、我が党は誇りと活力ある日本像を目指す ・・・更に4項目に別れる

 以上の説明を読んで、「平成22年綱領」と【 平成22年綱領解説 】のいずれが正式の「立党宣言」なのか、「ねこ庭」は判断できなくなりました。

 双方の文書には重複した項目が幾つもあり、何のために二種類を作ったのか目的が説明されていません。

 政権与党から野党へ転落して、総裁以下党の幹部が正常な判断力を失い、大慌てで似たような「文書」を作ったのでしょうか。下野したショックの大きさが伺われるとしても、敗戦直後のご先祖の辛苦を考えますと情けなくなります。

 これから「宣言文」の検討に入りますが、二つの文書で作業するのは愚ですから、谷垣総裁の「前文」のある【 平成22年綱領解説 】を取り上げることにします。

 文書を作った谷垣氏がどういう政治家だったのか、また氏と一緒に文書を作った党幹部は誰だったのか。次回はそこから作業を始めようと思います。

 自由民主党が心配でならなくなった方は、次回の「ねこ庭」へお越しください。

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自由民主党の「立党宣言・綱領」- 17 ( 書き忘れていたこと )

2024-12-01 13:50:49 | 徒然の記

 12月になりました。今年最後の月、師走です。いつものように時間が流れ、いつものように暮らしているのに、師走の声を聞くとなぜか気忙しくなります。

 長い生活習慣がそうさせるのでしょうが、面白い気持の変化です。

 昨夜ベッドの中で、ブログに書き忘れていたことがあったのを思い出しました。「慎重に検討作業を進めています。」と言いながら、小泉氏について大切なことを書き忘れていました。

 小泉氏に関して、「ねこ庭」自身はどう考えているのかという、肝心な点を書き忘れていました。「立党55年宣言」に取り掛かる前に、整理しておかなくてなりません。

 ・もしかすると自由民主党が保守政党の看板を、「右でもなく左でもない曖昧なもの」に変えた起点は、小泉氏だったのかもしれないと思えてきました。

 ・「新しい発見」と言ったのは、氏のような政治家が首相になったという事実と、国民が支持していたという不思議な事実です。

 私はこのように述べ、氏への批判を控えました。「政治とは妥協の産物である。」と安倍首相が言い、日本のためにならない法律をたくさん作りました。そのことを思えば政治を行うには、「右でもなく左でもない曖昧な政策」を進めることもあり得ると考えました。

 しかし書き忘れていたのは、次の点でした。「右でもなく左でもない曖昧な政策」を続けるとしても、日本の首相は 2つのことを忘れてはいけません。

   1.  国を守る軍を再建するための「憲法改正」

   2. 日本の歴史と伝統を護るための「皇室護持」 ・・女性宮家、女系天皇への反対 

 ここを整理しないまま「立党50年宣言」のシリーズを終わりますと、息子たちと訪問される方々に、小泉首相の全てを肯定したと誤解されかねません。

 「戦後レジームからの脱却」の旗を掲げていた安倍首相に対しても、「ねこ庭」は是々非々の対応をしてきました。ですから小泉首相についても、同じ姿勢で臨むということです。

  書き忘れていたことを書きましたので、早速「立党55年宣言」の検討に入ります。

 「立党55年宣言」は従前通り、自由民主党のホームページから引用しています。3つの「立党宣言」を比べますと、内容の変化がハッキリします。

   1. 「 立党宣言 」 ・・ 「 綱領 」「 党の性格 」「 党の使命 」「 党の政綱 」  

     2.   「立党50年宣言」・・「新綱領」「新理念」

   3.  「立党55年宣言」・・  「現状認識」
 
 これから検討する「立党55年宣言」には、「綱領」の項目がありません。初めて下野して野党となり、民主党に政権を渡したためにそうなったのか。
 
 この「宣言」が自由民主党の「憲法」なのですから、何をおいても検討しなくてなりません。民主党政権の3年間は「失われた3年間」とも言われ、国民の不評と失望を買った政権でした。
 
 「政界の壊し屋」の小沢一郎氏が政界を操る影の実力者として、やりたい放題をし国民に愛想を尽かされた時でもありました。
 
 この時の自由民主党の総裁が谷垣禎一氏で、総裁になっても首相になれなかった不遇な政治家でした。自由民主党の歴史で、党の総裁になりながら首相になれなかった人物が二人いて、そのもう一人は河野洋平氏です。
 
 河野氏は、国民を塗炭の苦しみに陥れる因となった「河野談話」を幹事長時代に出しました。朝日新聞の大ウソ報道を丸呑みし、日本軍が韓国の女性を「性奴隷にした」という反日運動を引き起こした張本人です。
 
 氏は何年か前にユーチューブの動画に出演し、「見直す必要はありません。あれは韓国の不幸な女性たちを救った。」と述べていました。
 
 「ねこ庭」は同氏に怒りはあっても、総理になれなかったことへの同情は一片もありません。国民へだけでなく日本の国に対しても愛を持たない氏が、総理になり首相になっていたらと想像するだけで、怒りが湧いてきます。
 
 谷垣氏については顔と名前を記憶していますが、ほとんど何も知りません。「ねこ庭」の過去記事で取り上げたこともありません。不遇な自由民主党の総裁だった氏が、どのような「立党宣言」を出したのか。学徒の探究心が燃えてきます。
 
 次回から検討を始めますので、学徒の心を持っておられる方はぜひ足をお運びください。
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