そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

ユーロ100円を切る

2011-12-30 | 政治と金

111230 ユーロが売られているのか、安全な円買いに走ったのか解らないが、ロンドン市場で100円を切った。東京もニューヨークも軒並み、100程度になった。ユーロはドルやポンドに対しても安値をつけている。

ヨーロッパ統合の大きな理念は、第2次世界大戦後の厭戦気分を背景に打ち出されてものである。国家の壁を低くすることで、戦争の意味をなくすことを願ったのである。

まず何はともあれ取り組んだのが、通貨統合である。ユーロという、新たな通過を作り出した。通貨は統合されてても、財務内容は各国任せである。

国際通貨としての評価が求められたときに、それぞれの国の通貨が異2762080537ならない以上、どこかの国が支えどこかの国がその恩恵にあずかる関係になってしまった。ギリシャのような国が出ると、今回のような債務危機が起きる。恣意的によりかかると、ドイツなどは考えている。

1899295611何らかの対策をしなければならないが、ユーロとしての金融政策が取れない。共通国債の発行も意見集約ができないままである。

要するに、国家統合の途上にある段階で、噴出してきた矛盾である。いまさら加入国家を切り捨てることもできない。

今回の、ユーロ安は深刻な問題の入り口かもしれない。

そして日本の円が、結果的に高くなっていることが、TPP推進派の動きを加速させるであろう。もしくは新たな金融危機が起きるきっかけになるかも知れない。今回のユーロ安は、小さな問題とは思えない。

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消費税導入前にしなければならないこと

2011-12-29 | 政治と金

消費税の導入に当たって、民主党は税制調査会が紛糾している。消費税反対の人たちは民主党を出て行ったが、選挙に残れない自分たちのアピールが必要な人たちに思えてならない。

民主党に残った反対派は、自らの生き残りのために、ブツブツ言いながら党に残る道を選んだ連中である。彼らがつけた注文のおかげで、消費税は落とし所と呼ばれる奇妙な時期に、奇妙な段階を経て実施されることになる。

私は他の税金よりも、消費税のほうが解りやすくてクリーンであるため、あるいは生産者や事業者に有利であるため、もしくは脱税の機会が少なくなるため、この税制そのものには賛成である。北欧の福祉国家が、消費税で成り立っているのも参考になる。

消費税の導入と増税が同義語で語られていることが、消費税にとって不幸な出来事である。加えて、理念がなく場当たり的に取り組む、野田政権と与党民主党の手の中にあることも不幸なことである。

しかし、導入に当たってはやらなければならないことが沢山ある。弱者の擁護と食料や燃料などの必需品については、一律の税率から外して大きく下げなければならない。

更には所得税や固定資産税や相続税などは、大幅に下げるように見直さなければならない。政府は増税のために消費税のアップをするようなので、これらの見直しは念頭にないのであろう。

増税の前には、公務員の給与の削減や国会議員の削減、さらには多くの土木工事をばら撒く無駄な事業を見直すことが、大前提である。

コンクリートからコンクリートへと転換するようでは、とてもじゃないけれど単なる増税と同義語のままで終わることになる。増税部分は、公務員と土建屋と政治家に食われてしまうことになる。

永久に財政再建は空論に終わってしまう。戦時以外に、増税が国家を救ったことは、寡聞にして知らない。

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武器輸出三原則に見る民主党

2011-12-28 | 政治と金

野田政権は27日、を大幅緩和する内容を発表した。国際協力の目的や共同開発などについては、武器輸出三原則の例外としたのである。

武器輸出三原則とは、○共産圏には輸出しない ○国連決議で禁止されている国には輸出しない ○国際紛争の当事国やそのそれのある国には輸出しない。と言うものである。1967年に佐藤栄作総理が決めた。

その後、自民党政権下で何度も、個別の案件について緩和されることはあった。アメリカへの輸出はいいだろう(中曽根)とか、アメリカの防衛システムに関してはいいだろう(小泉)とかの、個別的事案であった。

ところが、野田ドジョウ政権はそうした枠組みをすっかり外して、平和貢献なら三原則に該当しないとしたのである。

平和のためなら戦争をやるのが、国家のいわば性(サガ)のようなものである。現在作られている武器は全て、平和のためあるいは防衛のためである。それは所有者の論理である。

殺傷能力のない武器には意味がなく、能力を高かめることは、日本の平和憲法の理念に反する。同盟国間であっても武器の輸出入は、憲法に違反する。

今回の、野田政権の武器輸出三原則の大幅緩和は、党内論議はほとんどなされていない。3回ほど会合を開いただけである。

更に問題は、以前の政権なら必ず野党が噛み付いたのである。たとえ現民主党であっても、自民党のこうした動きには目を光らせていたのである。今回のこうした、民主党の変心に、最大野党の自民党が噛み付くとは思えない。

自分たちもためらっていたことを、次々と民主党は論議もなく進めるのである。羨ましく思っているに違いない。

不幸なのは国民である。全く論議されずに、こうした重大なことが、野党の反論もなく通り過ぎるのである。八ッ場ダムなどは元に戻しても、どこも反論しない。原発の海外受注も同じである。

同様のことは、TPPでも消費税でもまかり通っている。民主党は、政権能力のなさもさることながら、民主主義そのものさえ危うくしている。

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プーチンなきロシアになるか

2011-12-26 | プーチン

選挙後のロシアでは、選挙の不正をめぐって、デモが繰り返されている。24日モスクワでは、3万人を超えるデモとなった。ソビエト崩壊以01後、最大のデモである。

このロシアのデモの動きは、中東の民主化と多くに点で符合する。まず、インターネットが、火付け役になっていると言うことである。逆の見方 をすると、メディアは権力の支配下にあり、正確な情報を流していないと言うことである。

もうひとつが、プーチンの独裁体制への危機感である。彼は、秘密警察Photo_2の現場にいて、目的のためなら不法行為もいとわずやってきた、格闘好きのスパイ者である。

一見ソビエト崩壊以後、ロシアは民主化されているように見えるが、プーチンの言論統制と、それにかかわる粛清はソビエト時代と何ら変わらない。それでも、石油や天然ガスなどの資源をばねに、経済が成長している間は、国民を黙らすことができた。成長に陰りが見え、プーチンの強権と独裁体制に危機感を持ったのであろう。

経済成長を背景に、ばらばらになりかけていたロシアをまとめたことへの、国民の信頼は得られてはいた。いったんメドベージェフ傀儡大統領Photo_3に一期やってもらい、復活する姿勢は明らかに、私的な権力欲と国民に看破されたのであろう。

かなり多くの投票所で不正行為が行われていた。その映像をネットで流したことで、火がついた。デモは「プーチンなきロシア」を合言葉に選挙のやり直しを要求し、全土に広がった。

プーチンは当然のことであるが、こうしたことを認めない。彼がどこで強硬手段に出るかであるが、ロシアも民主化の波は遠いように見える。

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ご理解をいただくとは金をやることである

2011-12-25 | 政治と金

野田政権は、来年度の沖縄振興予算(案)として、2937億円を決めた。沖縄が要求していた、3000億円満額の回答で、昨年度比27%増である。このうち、野田が首相の裁量として盛られたのが、773億円である。

その内、沖縄が自由に使える一括交付金が、1575億円である。ほぼ半額が自由に使える。これは普天間への侘び金である。

これを受けて、要求額が通った大喜びの仲井間知事は、普天間移転に関する環境影響評価書(アセスメント)について、「行政手続なので、関111225_3連法にのとってやるしかない」と発言している。

良く解らない官僚用語であるが、「政府がアセスやっても文句は言いません」と、言う意味である。冷え切った沖縄との関係が前進したと、金をばら撒いた政府は評価した。

要するに、色んな不条理な経緯があっても、金をもらえると溜飲を下げるのである。県民への言い訳も立つ。まるで3文芝居である。

結果的に、抵抗すればするほど問題解決へのハードルが高くなり、いっぱいお金をもらえるのである。元々自民党時代に容認派であった仲井間は、普天間基地の移転を望んでいたかも怪しいものである。

日本の政治は、政治理念あるいは10年先の展望もないまま、現在を語るしか能力がなく自らをドジョウと言い放つ程度の、薄っぺらな存在になってしまっているのである。

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民主党は嘘つき政党である

2011-12-24 | 政治と金

民主党が、八ッ場ダム建設を最終的に決めた。理由があるなら仕方がないが、八ッ場ダム建設は、大型公共投資を見直し官僚と土建屋の癒着をなくし、無駄をなくするというものであった。八ッ場ダムはその象徴でもあった。

八ッ場ダムの必要性を打ち出したのが、国土交通省関東地方整備局の検討委員会である。中止した場合のほうが高くつくとの結論である。

民主党は、ダムに関する治水と利水の両面と、環境についての検討をするはずであった。そうした意味での公共投資の見直しであったはずであるが、官僚に押し切られお金の面からだけ、八ッ場ダムだけの検討結果である。その内容も大いに疑わしい。

ダムの必要性については、淀川方式といわれる、好例がある。淀川流域検討委員会は、ダム賛成派と反対派それに中間派の陣容で委員会を結成し、事務局を民間に任せたのである。2000年から209年までの9年間も時間をかけ、4つのダムの必要性を結論にした。

今回の委員会は、わずか4時間程度の検討しかなされていない。しかも、反対派の意見を聞いてはいるが、それだけである。

これほどの無駄な事業を野放しにしておいて、増税などといいだすのは、政党としての無力を曝け出しているにすぎない。

暫定税率も八ッ場ダムもそれに普天間も、選挙前に公約していたことである。公約違反は政治用語である。民間の言葉では、嘘つきと呼ばれる。

さらには、TPPも消費税も全く触れなかったことである。しかもこの2つは、党内を二分し意見集約もままならない。八ッ場ダムも党内の多くの反対者を押し切って、官僚の言いなりになっただけのことである。

民主党は、どんどん自民党化している。これでは有権者は選択のしようがない。木の葉隠の術ではあるまいが、民主党は次期選挙で保護色として自民党色を選択したのではないか・・・ そうすれば負けることがない・・・と訝るのは、いささか勘ぐりすぎか。

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アメリカ農民のデモ

2011-12-22 | 政治と金

ついにアメリカの農民が、ウオールストリートに出てきた。アメリカの食料Storyimages_picture16_1271287593は、大企業の支配する農産物によって支配されている。とりわけ、遺伝子組み換え作物が、モンサントによって作られ、食料の正義(Food Jastis) が失われた、と訴えてデモ行進をするようになった。

アメリカの小規模農家が、国民に訴える形でこれほど大きく動くことは過去になかったことである。

Youngfarmers_occupy_wall_streetアメリカのタイム誌の表紙を飾る今年の人は、抗議する人という不特定に人物であった。中東など世界各国で、抗議する人たちが今年の主役いという訳である。

が、なんといっても表紙の人物は、99%の私たちが、1%の人たちに抑えられていると、訴えて立ち上がった、ウオールストリートを占拠した、アメリカの人たちであろう。

そこに、ついに農民が加わってきたのである。デモを訴えた多くの農民は、アメリカでは小農と言われる人たちである。

アメリカは農業国であるが、その生産のほとんどを握っているのが、企業型大農業である。しかもそこに、特許権を独占する遺伝子Bevba組み換え種子を売り込み儲けてきたのが、モンサントである。

モンサントは、パパブッシュの大きな支持母体であった。彼らは、遺伝子組み換え作物は、改良であると言い通し、表示義務をなくさせた。小農はこうしたロビー活動は、金もなくできない。

オバマはこれを義務付けるといって、農民をだまして当選した。未だその公約は達成されていない。

食料を生産するに相応しい農法がある。しかしそれは、極めて経済性の低いことがほとんどである。効率優先の社会では、こうした農法は置いて行かれることになる。その典型あるいは究極が、TPPという無関税システムである。

果たしてアメリカの、善意の農民の声は国家に届くのであろうか。http://www.youtube.com/watch?v=sjnuVdhYjks

http://occupywallst.org/article/farmers-join-occupy-wall-street-calling-food-justi/

http://ctwatchdog.com/business/new-england-farmers-join-occupy-wall-street

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売れない福島のお米

2011-12-21 | 政治と金

NHKの日曜10時の番組ETVは、独自に放射能を追い続けている。この番組で、福島の米作りの原発事故を受けた、今年の農家の取り組みをやっていた。

結果的にほとんど同じ内容になる(農家は異なる)、NNNドキュメント(読売系の深夜番組)が放映されていた。

NHKのほうは、数戸がこれまで取り組んでいた米作り日本一を、昨年と一昨年受賞した農家である。極めて意欲的な農家ばかりであるが、セシュウムを取り除くためにさまざまなことをやっていた。55

ゼオライトで土壌中のセシュウムを吸着させる作業は、田植え前にやられていた。穂が膨らむ頃には、マラカイドグリーンを散布していた。セシュウムを、稲が取り込まないためである。

NNNドキュメントでも、後継者の子供たちを避難させ、除染に取り組んていた。水周りにも気を配っていた。

そしていずれの農家も、極めて低いセシュウムの値の米を秋に収穫した。収量も多かったと言うことである。

しかし売れないのである。NHKの番組のほうは、通信販売が主力であったが、例年の3割がやっと言う現実である。彼らの米は、周辺の農家より低かった。努力が報いられたのであろう。

ところが売れない。産地名が”福島”と書かれているだけで、消費者は敬遠するのである。マスコミは、政府の暫定基準値1キロあたり500ベクレルを超えたお米の報道を、間歇的に流す。

消費者は、個別の汚染について詳細を検討するわけではない。福島の米は買われないのである。皮肉なことに、今年の米はとても美味いし、収量が多いとのことである。

しかし米が売れないのである。農民の努力は報いられることはないのである。

原発事故は、TPPを促進させやすい米を輸入すればよい風潮を生みかねない。農家の努力は、原発事故の前には無力である。

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普天間と八ッ場ダムに見る民主党の変質

2011-12-20 | 政治と金

とうとう民主党が、八ッ場ダム建設再開へと動き出した。民主党マニフェストの最初に書いてあった、公約である。更には大型公共工事は見直すと国民に約束した。

普天間基地の移転は、マニフェストにはないが党首(鳩山とかだった)が、何度も「最低でも県外、できれば国外」と、演説していた。沖縄では、民主党が圧倒的に支持され、政権を担ってきた自民党が惨敗の極みを味わった。

大型公共工事が、土建屋と政治家と官僚、更には学者が加わって凭れ合いながら税金を食いつくす構図で、環境破壊がなされることへの見直しであったはずである。

ところが、大臣が中止を決めても、工事は止まることがなかったのである。それどころか、八ッ場ダムでは国交官僚が周辺自治体を糾合させて、工事再開へと舵を取らせたのである。

そりゃそうだろう。反対をする住民がすでに、ダム建設周辺には住んでいない。関連自治体は、公共工事が減少する中、どこも中止を歓迎などするわけがない。

環境破壊も、治水も防災も利水の必要性など、ダムの本質論など論じられることなどあるはずがない。

マニフェストの変更は、政治が生き物である以上あってもかまわない。その時には、見直す理由を明らかにしなければならない。それは情勢の変化や、新たな事情などがあった場合に限られる。

普天間も八ッ場ダムもそれらがない。普天間は鳩山は「知らなかった」と無知を曝け出した。八ッ場ダムは、大型公共工事への無原則容認である。新たな情勢変化など、どこにもない。

いずれも自民党の失政への回帰である。

自民党化する民主党、まるで民主党がやったように非難する自民党、この二つの政党しか選択できない、小選挙区制も問題である。

国民の選択の幅は極端に狭い。

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お坊ちゃま以降が問題となる

2011-12-20 | 朝鮮半島

北朝鮮の金正日が死んだ。脳梗塞の後の、ここ数年は死を予感させるよ01 うな行動であった。後継の指名や、頻繁な訪中や訪露や核開発への暴走な どから、それが見て取れる。

政治や国家の枠をはずして考えると、北朝鮮の最大の問題は食糧問題である。更には、思想や信条の拘束などの人権問題である。長年の体制によって、自浄能力・修復能力すら削がれてしまっている。

それらの全ては、金日成に始まる「金王朝」と言われる体制による、長年にわたる独裁体制である。死んだ金正日は父の指名の後、自らの権力基盤を築くために32年も要している。

彼が政府と党と軍のトップに着くために要した年月を、今回の後継者である3男のためには、僅か1年少々しか準備できなかっ002た。この男が継ぐことになるであろうが、経験不足は否めず、当分は集団指導がとられるであろう。

これは中国も韓国も、現体制の崩壊がおきては困る人たちによっても、当分は支持されることにはなるであろう。朝鮮半島の安定を望む人たちは、自らにかかる火の粉を望まないのである。

大韓機航空事件やラングーン事件やテポドン発射や核実験に代わるような、暴発を起こすかもしれない。しかしそうしたことに意味がないことに気がつく人たちが出れば、様子が変わる。

しかし、多分3年程度の後に、やがて金王朝は崩壊するであろうが、その後の体制こそ問題でる。食料と情報を取り上げられた国民に、現体制を覆す能力は産まれない。

しかし、金王朝が続く限り、北朝鮮の持つ問題は解決されない。何らかの外的な力が加わる日を待つしかないないのか。

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まるで漫談のような八ッ場ダム噺(はなし)

2011-12-17 | 政治と金

2009年の民主党政権が誕生して、政権交代でこれまで自民党が築いてきた大きな間違い、あるいは錯誤といったものを、民主党は取り除いてくれるものだと思っていた。

Photo その象徴が、八ッ場ダム建設の中止宣言であった。民主党は政権交代とともに、全国のダム建設の凍結をかけたのである。ダム建設の中止の背景には、多くの理念がある。

それを端的な言葉で表したのが、「コンクリートから人へ」である。ダム建設そのものが、多くの環境破壊を伴うものである。発電・治水の意味を持ったのは、せいぜい1970年代までであろう。

その後は、ダム建設で肥大化した企業が更に新たなダム建設を、政治的に動き次々と築き上げてきた。都会の方々は、一度地方の山の中に足を運んでみると良い。小さな無数のダムを見ることができる。

政治的な動きが背景にあるのは、目的が次々と変わるのを見ていると良く解る。その典型が、八ッ場ダムである。計画から、50年以上が過ぎている。計画が目的が変わる毎に、肥大化するのである。しかもその根拠など、平気で捏造する。

土建屋ばかりが儲かる構造は、地域に何のメリットももたらさない。多くは農業用の利水から始まり、農家が少なくなると治水を言い出す。更に観光や多目的ダムと言い出すのである。とにかく金がほしいから、建設そのものが目的になっているのである。

利権構造の典型として、環境破壊の象徴としてダム建設の中止を、民主党はうたったはずである。だからこそ、政権交代はこれらを暴きだすものと信じていた。

ところが、いったん中止を打ち出した前原に始まる国交大臣は変わるたびに、トーンダウンする。建設推進派は、自治体の長や県議会議員などが集まり、圧力をかけてきた。

野田内閣の最高齢者でもある前田国交大臣は、旧建設省出身の河川治水の専門であり、小沢一郎に近い人物でもある。野田は、明らかに八ッ場ダム中止を見込こみ意識した人物を、国交大臣に据えたのである。

何度も落選した高齢者でもあり、泥をかぶってもらうには十分すぎる、人物である。

ここには、マニフェストなど遵守する意識などなく、次々と勝手に政策を変え、強いものへと従順になる、哀れな民主党の姿がある。普天間同様自民党案に戻ることになった。これは笑うしかない、まるで漫談のようなダム建設のドタバタ劇である。

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説得力のない事故収束宣言

2011-12-16 | 政治と金

野田首相がドジョウよろしく、金曜日の午後に記者会見をやって、福島原発の終息宣言をやった。メルトダウンした原子炉の事故終息宣言に、とてPhoto も奇異な宣言と思ったのは、私だけだろうか?

野田首相は、第2ステップの完了として、炉心の低温安定を理由に挙げている。今後は周辺の問題だけだとしている。根拠としている、炉心の低温であるが、モニター観察でしかなく、まだ誰も原子炉の実態を確認してはいない。

英国のBBCは首相の記者会見を実況し、関心の高さを伺わせた。しかし、住民の戻れる見通しも立っていない現状での、終息宣言に疑問を呈している。ニューヨークタイムスも、現実を無視した宣言と批評している。

メルトダウンした炉心部についての確認もなく、単に冷却水が100度を切った状況になったに過ぎない。住民は、これから30年先の廃炉までは、なんら変わることのない、危険な現実が目の前にある。

これは明らかな政治判断である。早速小沢一郎が噛み付いた。これで危機は脱したのか?公明党は、収束したとは思えず、安全になったわけではないとしている。

政治的パフォーマンスが、現実を超えた判断として出されたのである。こんな形で、いつしか事故の大きさも忘れ去られていくのであろうか?
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それでもレバ刺しを食べますか?

2011-12-15 | 政治と金

今年7月に、牛の”レバ刺し”は決して食べないように、このブログで忠告した。http://blog.goo.ne.jp/okai1179/d/20110707

その心配が現実のものとなってしまった。肝臓内部組織から、出血性大腸菌O-157が検出されたのである。動物の内臓を、原始生で人は食べていたと、テレビのコメンテーターが知ったかぶりで、解説していた。

しかし、現代の家畜は全くこれと異なっている。正常で、屠場に搬入される肉牛の、半分以上の肝臓は廃棄されているのである。

大量の穀物を給与された、牛の第一胃はペラペラである。ホルモンで一胃は、ミノと呼ばれる、歯ごたえのある胃壁が特徴の臓器である。それが、草をほとんど与えずに急速に成長、肥育される牛の一胃は草の刺激がなく、ペラペラの薄いものになってしまう。

病理的にははっきりとしていないと思うが、こうした胃から病02原菌が直接肝臓に入り込むのでないかと、推察されている。左の写真は、私が死亡獣処理所で撮った写真である。褐色のところが、肝臓の正常な組織である。

そこに右下に黄色い塊が、膿である。肝膿瘍と呼ばれるものである。この牛は、別の病気で死亡したのであるが、肝臓組織は見た目には正常である。見慣れた写真で、珍しくはない。

日本ではこの肝臓は廃棄される。膿の多くは、化膿桿菌である。一見正常でも、過酷な飼養環境と経済効率を強いられる牛たちの、肝臓はボロボロである。

春に起きた、レバ刺しの事件では5人も死亡し241人もの重症者を出している。政府の出した指導は、表面に火を通すことであった。私は、今回肝臓組織内から大腸菌が検出されていることもあり、前回も表面感染だけではなかったと私は推察している。

決して、肝臓に限らず家畜の内臓を、”生”で食べようなどとは思わないよう、現場で長年仕事してきた獣医師として、忠告するしだいである。

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まるで落語のような普天間噺(はなし)

2011-12-14 | 政治と金

アメリカ上下両院の軍事院会は、2012年の米海兵隊の、グアム移転予算の全額削除に合意した。これは、普天間基地の移転が目処が立っていないための、アメリカの対応である。

菅首相以降の日本政府は、これまで機会ある毎に、普天間移転の日米Photo合意は守るとアメリカに告げてきた。

その日米合意は、民主党が批判し続けていた、自民党案とほぼ同じで ある。移転に関してはそれ以下である。

ところが、国内では全く進展していない。仲井真知事は、普天間はまるで東京のど真ん中にあるような、危険な基地であると発言している。沖縄は硬直していくばかりである。政府の要人が何度も訪れて、日米合意を振りかざす度に、空虚な言葉が飛び交う。

今度のアメリカの判断は正しい。政府は、年度内に「環境影響評価書」を提出すると、アメリカ側に伝えている。提出すると、沖縄はこぞって硬化すること間違いない。

野田政権は、こんな単純な理屈に判断が下せないのである。

そもそも、選挙で最低でも県外移転を公約して、沖縄から絶大なる支持を貰った民主党である。それが、知りませんでした、アメリカに従いますと、急変心した鳩山お坊ちゃまの発言で、日米合意をしたのである。公約って何だっけ?

天下の公党が嘘ついたのである。いまさら沖縄を説得などできるわけない。政府は、ご理解いただくために、お金をばら撒きますを何度言っても、沖縄から信用してもらえるはずもない。そういえば、オバマに下手くそな英語で、お坊ちゃまは「私を信じてくれ」と、宴会の席でほんの一瞬言ったそうである。

約束したことを知りませんでしたと平気で裏切り、まるで何もなかったように振る舞い、だめといった案に乗ってしまい、支持してくれた人たちから”怒”という札を突きつけられて、一人で合意案を作り、一人で環境評価書を提出し、アメリカには全く信用されずにいる。

ドタバタを通り越して、笑い話としか思えない。まるで落語のような普天間基地移転噺である。

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野宿に生きる人

2011-12-13 | マスコミ報道

ちょっと札幌に行って来た。JRで往復した。JRを使うようになったのは、本が読めるからである。昨日のブログに書いた本Photoと、ちょっと軽くともう一冊もって行った。これが意外と面白かった。

「野宿に生きる、人と動物」なかのまきこ著、駒草出版刊である。著者は若い女性の獣医師である。「野宿」にこだわった表現を崩さないが、ホームレスの人たちのことである。

野宿に生きる人たちは、町の公園や河川敷に暮らすことが多い。著者とその人たちのふれあいである。河川敷などで暮らす人たちは、一般社会からはじかれた人たちである。ここには、一般社会から同じくはじき出された、犬や猫などの動物も集まってくる。捨てられると言ってもかまわない。

人とそれらの動物たちは、同じ目線で生きることになる。同じ生きる仲間なのである。ペットとしての存在ではない。著者は、ここでほとんどボランティアで診療をしている。時には、得意でもない避妊手術もしている。

誰が飼うわけでもない犬が。自由にその辺を歩いているが、誰がえさをやるわけでもないが、誰かがやっている。犬たちが縦横無尽に町を歩き寝そべっている。東南アジアの光景のようであると著者は言う。人と犬に境界がないようでもある。

西成公園の野宿に生きる人が逮捕された。彼が犬の処理施設から、奪還した二匹の犬をなかまと知者で面倒を見て、引き取り先を探す。公園の仲間をかばったために逮捕された野宿の人や、その犬を想う人たちは、逮捕したお役所を特別非難するわけではない。

ここでは、野宿に暮らす人や犬のほうがよっぽど、お役人より崇高に見える。

日本では、本書の資料によると平成20年で、処分される(殺すことである)犬は8万4千匹、猫は20万匹である。

逮捕された、野宿に生きる人との言葉である。「人間は傲慢になりすぎた。ほかの動物や草木と同じような存在だという謙虚な気持ちにもどる必要があるのだ」

何かを思い起こさせる、純真でひたむきな獣医師の姿がここにある。

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羅臼港

春誓い羅臼港