
TPPについて自民党は明らかに国民を騙した。今では大臣の地位についている自民党候補が総選挙で、農協の前で動員された組合員の前で高らかに、TPP参入を否定し喝さいの拍手を受けたのを私は見ていた。
ところが半年も経っただろうか、突如日本はTPPに参入を決めた。グローバル化の波は抗しきれない、今参入しなければ日本は生きてゆけなくなると、あれほど強く主張していた選挙公約を廃棄した。180度方向転換をしたのである。
ところがアメリカに追従する隷属国家の日本は、トランプが一期目でTPPを離脱したが、日本は全く追従もせずTPPにとどまった。それどころか、RSEPPUなど数多くの自由貿易交渉に臨んでいる。
民主党政権のバイデンに代わっても、離脱したTPPにアメリカは復帰はしなかった。民主党もアメリカ第一主義に酔い知れているのである。世界最大の経済国家は傲慢を押し通して存在していた。そして再び政権の座に返り咲いたトランプは、以前に増した関税によって自国第一主義を貫き通している。世界貿易はトランプによって、混乱な最中ににある。
「アメリカの富は世界に吸われている」と、最も巨大で富をため続けているアメリカの為政者は、現実を無視した自国第一主義と身勝手な決断である。
アメリカは古くから、モンロー主義で通す自国第一主義の国家である。貿易は必要である。シベリアでパイナップルは出来ないし、ヨーロッパでレアーアースは採れない。貿易はそうしたもの交流としては必要であるが、大規模あるいは巨大な資本で、安価な製品を作られては、貧国や小規模事業は飲み込まれ、そうした国や企業にひれ伏すことになる。
自由貿易を求める人たちは、自国や企業への富の集中のために動こうとしているのである。
そのいい例がイーロンマスクである。彼はネットと言う国家の壁が止めようもない分野で、グローバル化を推進し、膨大な富を蓄え、妾を数人抱えることもできるようになったし、お気に入りの大統領候補に数十億円も寄付ができるようにもなった。グローバル化によって富はより多くの富を築くことになる。富の集中が加速するのである。アメリカはそうして蓄えた富を、トランプの机上の関税一辺倒の経済対策で、更に富をそしてそうした国家や企業を傘下にいだくのである。
トランプの関税一辺倒の我儘な戦略は、国内の岩盤支持層には受けるであろうが、長期的にアメリカ国内の経済が良くなるわけではない。国外の生産に委ねられない、自国内で賄う必要商品も多くある。
しかし、国境を持たないもの、前述のネットだけではなく環境問題は、一国や連盟関係国だけで問題を解決できるものではない。トランプは温暖化さえをも否定し、パリ条約を離脱している。アメリカはさらに多くのCO2を吐き出すことになるだろう。巨大国家がCO2を吐き続けることは、極めて大きな問題である。
食料などのように、国内で賄うことが原則の多くの商品は、それぞれの国に富はもたらさないが、安定社会と豊かさをもたらすことになる。トランプのように金を自分がため込むことにしか興味がない為政者は、経済だけでなく環境をも破壊し、資源の枯渇へとつながることにつながる。