プーチンの暴走を予測した識者や政治家はほとんどいない。周辺でも賛同者が少ないと思われる、ロシアのウクライナ侵略である。
国連安保理事会では、議長のロシア以外の各国がロシア批難決議に賛成した。中国とインドとUAEが棄権した。ロシアの拒否権行使で、非難決議は総会で行われることになる。安保理の委員たちはロシアを除いて、ほぼ全員がウクライナ国旗のマスクをして参加していた。ロシア国内では反戦デモなどで、8000人が拘束されている。プーチンは国内外で明らかに孤立している。
奇妙なことがある。ロシアの侵略が急に止まったのである。侵略当時の勢いが今日(28日)はほとんどなく停滞しているかに見える。ウクライナは主力を東部に送ったのをみて、ロシアは首都キエフの攻撃を始めたが、当初の勢いがない。NATO提供の対戦車ミサイルなどが功を奏していると言われているが、軍事力の差を見ると奇妙に見える。
長期戦になるとウクライナ側が有利になる。次の大きな攻撃をするためであろう。その口実を停戦交渉のウクライナ側の態度にするのでないか。
その停戦交渉はベラルーシとの国境で行われているが、ロシア側にはプーチンの側近が出席していない。決裂を前提にしたものと思われる。
ウクライナ側は即時国外退去とクリミアの退去を加えている。
ロシアの提案は中立化と非軍事化であるが、侵略の理由の一つのネオナチの排除は入っていない。中立化・非軍事化は香港化を危惧するであろうから、交渉は決裂することになる。
最も現実的な終戦、すなわちロシアの撤退は、プーチンの失脚しかない。